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断熱フィルムは効果なし?冷暖房効率を上げるには

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断熱性を高めて冷暖房効率を上げるのは難しい

「今ある家に付ければ冷暖房効率アップ」。こんな商品が、インターネットでもホームセンターでも数多く販売されています。該当商品を大きく分けると、「遮光で冷房効率アップ」を狙ったものと「断熱で冷暖房効率アップ」を狙ったものに分けられます。

真夏の直射日光が入る家の場合、遮光して冷房効率を上げるという方法には一定の効果がありそうです。しかし、「家の断熱性を高めて冷暖房効率を上げる」というのは、後付け商品ではなかなか難しいと思われます。

冷暖房効率の高い家は設計段階から計画する必要がある

断熱性を高める対策といえば、「カーテンを分厚くする」「窓に断熱フィルムを貼る」などが考えられます。全く効果がないとは言えませんが、家全体の冷暖房効率を考えれば、非常に限定的な効果しか得られません。つまり、後付け商品で家の冷暖房効率を上げるのは困難だといえます。結果、「住んでからできる対策はあまりない」ということになります。

冷暖房効率の高い家を目指すのであれば、家を建てるとき、つまり最初の設計段階から計画しておいた方が良いでしょう。住宅の冷暖房効率を左右する要素は、大きく3つあります。「断熱性」と「気密性」、そして「空調範囲」です。これらについて、家を建てる段階で考えておくことで「冷暖房効率が高い、快適な家」ができます。

全面ガラス窓のような部屋では、冷暖房効率は期待できない

3つの要素について、詳しく見ていきます。まず「断熱性」についてです。断熱性能を上げるには、壁に高性能な断熱材を十分に使うことが基本になります。また、気をつけてほしいのが「窓の面積」です。一般的なガラス窓の場合、窓の断熱性能は壁の5分の1~7分の1程度しかありません。いくら壁に高性能な断熱材を使っても、「全面がガラス窓」のようなリビングでは、冷暖房効率は全く期待できないのです。冷暖房効率を重視する場合、ペアガラス、断熱サッシなどを使うことも重要ですが、設計段階から「窓全体の面積」を必要十分なサイズに抑えることも大切です。

次に「気密性」についてです。これには、建物の構造が大きく影響します。つまり、壁と床、天井を一体で隙間なく作るコンクリート構造が有利で、それ以外はどうしても不利になります。エアコン売り場で見る「対象となる広さの目安」が、鉄筋コンクリートと木造で違っている(木造の方は対象面積が狭い)のは、そのためです。マンション並みの気密性を求めるのであれば、戸建ての家でも鉄筋コンクリート造りにした方が賢明です。

部屋の温度を均一にする空調計画が重要

最後に「空調範囲」です。最近の家はリビング、ダイニング、キッチンを一室にした「広くて開放感のあるLDK」が多いと思います。「LDKを合わせると20畳以上」という家も珍しくありませんから、一室の空調範囲としてはかなりの床面積となります。ただ、昔に比べると断熱性能もエアコンの性能も上がっています。断熱性に注意すれば、「20畳以上のLDK」でも問題ないでしょう。ただ、気を付けてほしいのは、「空気の抜け」です。

例えば、冬は暖かい空気が上に上がっていきます。「吹き抜けリビング」や「階段がリビングにあり、1階と2階が一続きの空間になっている」というような間取りの場合、エアコンで暖められた空気は上層に上がっていきます。結果として、「いくらエアコンを入れても床が暖まってこない」快適性の低いリビングになってしまいます。「吹き抜けリビング」「リビング階段」の場合は、家の断熱性、窓のサイズや種類に気を付けた上で、床暖房を使うなど、部屋の温度を均一にする空調計画を考えておきましょう。

(浅井 知彦/一級建築士)

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