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1年間森にこもって制作! 自然界の素材だけを使ったアートが話題に

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1年間森にこもって制作! 自然界の素材だけを使ったアートが話題に
 アーティストは皆それぞれ作品を制作する場としてアトリエを持っているが、それが「自然の森」だったアーティストもいる。

 スペンサー・バイルズさんは、フランスの森にこもって作品の制作に没頭した。その期間はなんと1年。「芸術作品と自然環境との融合」というコンセプトのもと、管理されていない自然の森の中にある素材だけを使用した。これらの作品群は20ヶ所以上に配置されている。

 作品の鑑賞方法も変わっている。当然、美術館のように「展示」されているわけではなく、かといって「こちらに進めば作品があります」といった案内図が用意されているわけでもない。鑑賞者は森の中を歩いて、彼の作品と「出会う」のだ。

 この珍しい鑑賞方法と1年間森にこもったというエピソード、そして自然と一体になった彼の作品群自体は注目を集め、話題になった。当編集部は、スペンサー・バイルズさんを直撃し、その内幕をご本人から聞くことができた。

 1年も森の中にこもったという事実から、さぞ厭世的な芸術家なのかと思いきや、実はそうではなかった。もともとバイルズさんは「非常に社交的な性格」なのだという。しかし森にこもって制作に取りかかると、「自然のすべての面を楽しみ、このプロジェクトに大きな価値を見出せるようになった」と語る。

 「蚊に悩まされることもありましたし、6月から8月にかけては暑くて少しバテました」とバイルズさん。むしろ冬のほうが過ごしやすかったようだ。ちなみに雨の日はシェルターを森の各所に設けてしのいだ。こうした経験のすべてが制作過程であり、文明と離れた制作活動はバイルズさんの五感を研ぎ澄ませていった。

――森の中での制作で、最も大変なのはどういった点でしたか?

 「肉体的な作業が大変だと思われがちですが、私の場合は『心を空っぽの状態にしておくこと』が大変でした。私は制作に臨む際、直感的あるいは本能的でいられるよう心がけています。ですので、時間制限をしなかったり、困難な作業をあらかじめ取り除いたりするよう、意識していました」

――作品の素材はすべて自然界のものということですが、制作にはどんな道具を用いましたか?

 「ノコギリや大小の刈り込みバサミ、ペンチ、ハンマー、熊手、シャベルなど、数種類のハンドツールです。電動工具は使いませんでした。”私自身”も道具のひとつでしたね」

――作品を見た人に、どんなことを感じてほしいですか?

 「自然の中で制作に集中できて、場所・空気・素材・天候など、自然のすべてを楽しむことができました。そんな森の中で、作品を見つけてもらえることが私にとっての大きな励みです。このプロジェクトと一連の作品を楽しんでもらい、そして鑑賞する人たち自身がそこにそれぞれの、何らかの”つながり”を見つけてくれるとうれしいですね」

 見る者に先入観を持たせるのが嫌で、バイルズさんはあえて作品に名前を付けなかった。「鑑賞する人それぞれが、自身の感性で見て、感じたことを大切にしてほしいと思います」――これこそがバイルズさんの作品に込めた思いだ。

 木の枝や葉などで作られた彼の作品は、時間が経てばやがて森の自然へとそのまま還っていく。自然との融和を果たした作品たちが、今日も人々に見つけられ、鑑賞されるのを待って、森の中でひそかに佇んでいる。

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