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入居者が自らリノベーションに参加したシェアハウスがオープン

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リノベーション作業に入居予定者が携わったシェアハウス「ユウトヴィレッジ」(http://suumo.jp/journal/2014/06/17/64354/)が、一部工事を残しながらも無事昨年末に入居が完了した。「みんなでつくるシェアハウス」をコンセプトにはじまったこのプロジェクトの裏には、果たしてどのような物語があったのだろうか。空き家となった祖父母宅の有効利用を模索するところからスタート

新しい取り組みのシェアハウスとして生まれ変わったこの物件は、このプロジェクトを立ち上げた長田さんの祖父母が建てた住居兼アパート。住む人がいなくなり、もう価値のないものとして取り壊しの話がでたのだが、家族の思い出が詰まった建物ということもあり、まずは自分が住んでみるところから、有効な活用方法の模索が始まった。

当初は貸倉庫や外国人向けゲストハウスとしての利用も考えたが、友⼈を呼んで意⾒を交換したり、リビングでミニコンサートや書道教室などのイベントを実施していく中で、古くて価値のないと思っていたこの家が、人々の集うあたたかい住まいとして活用できるのではと、シェアハウスにすることを決意。

住宅メーカーに勤めていた経験から、施主がリノベーションに参加することで、もっと楽しい空間になるという確信があった長田さんは、この話に賛同をしてくれた入居予定の友人、一級建築士や不動産コンサルタントの協力を得て、みんなでつくるシェアハウスプロジェクトをスタートさせた。

【画像1】長田さんはこのユウトヴィレッジに自ら住んでいる(画像提供:株式会社ユウト)

そしてこの日に行われたのが、設計やコンサルティングに協力してくれた友人、施工を担当した工務店、ご近所の方々や長田さんのご家族を招いての完成披露パーティーである。長田さんや入居者が、このシェアハウスの提携農家の畑から収穫してきた新鮮な野菜を使った料理が並べられ、長田さんの友人のミュージシャンによるボサノバライブが素敵な空間に華を添えた。また、家の外では餅つきも行われ、多くの参加者が楽しんだ。取り壊し寸前だったこの建物の居間はシェアハウスの共有リビングに生まれ変わり、たくさんの人を招きこんだのだ。

【画像2】シェアハウスの完成を祝って行われたテープカット(画像提供:株式会社ユウト)

【画像3】⻑⽥さんや入居者が、このシェアハウスと提携する農家の畑から収穫してきた野菜を使った料理などが並び、友人のミュージシャンによるコンサートも行われた(画像提供:株式会社ユウト)入居者が行ったリノベーション作業とは

プロジェクトはみんなで間取りを考えるところからスタート。できあがった図面をもとに、耐震補強や電気工事などはプロである工務店に依頼し、壁や天井の解体作業、床張りに壁塗りなどは、入居予定者やサポートしてくれる友人たちの手で行うことで、作業を通じて仲間との絆を深め、またこの建物に対する想いを強くしていった。

リノベーション作業に素人が加わっても大丈夫なのかと不安に思ったが、長田さんが実際にやってみた感想としては、「意外とできる!」ものらしい。ただしプロによる指導と協力は不可欠であり、壁塗りは漆喰のメーカーへ出向いて研修を受け、床張りは工務店の方に道具を借りて一からやり方を教わったそうだ。みんなでショールームへいき、キッチンやお風呂を選んだりしたことも貴重な経験となった。

【画像4】工務店の⽅に教わりながら完成させた床張り作業(画像提供:株式会社ユウト)

もちろん、すべてがうまくいったのかというとそんなことは全然なく、自分たちがリノベーション作業に参加することで800万円に抑える予定だった改修費用が、なにしろ古い物件なので、床を剥がしてみると追加工事が必要などといった、想定外の上積みが300万円も掛かったのだとか。これには古い物件に対する経験値の必要性を痛感したそうだ。

【画像5】共同作業で深めた住⼈同士の絆を今後も支えていくであろうリビング。撮影はプロカメラマンである入居者のアツシさん(画像提供:株式会社ユウト)

【画像6】私が解体作業に参加した二階部分も、工事が終わってすっかり様変わりをしていた(画像提供:株式会社ユウト)リノベーション作業を経て住み始めた入居者たちの声

プロジェクト発足時に手を挙げて、リノベーション作業に参加し、無事入居を果たした入居者たちの話を聞いてみた。

「間取りの段階から関われたのは大きいですね。当初の長田さんの計画だと、お風呂へいくのに外を通らなければいけなくて、それなら住んでいませんでしたから。家賃は前と同じくらいなので安くはなっていないですが、こうやって人が集まる空間なのがうれしい。
みんなでご飯を食べるのが好きだったけれど、前の家は狭かったので、広い家に住んでいる人に声を掛けて集まらせてもらっていたのが、この家なら気兼ねなく人を呼べます。遅く帰ってきても温かいし、電気がついている。おはようとか、ただいまとか、挨拶できるのがうれしいです(ヒロコさん談)」

「最近の家に比べたら断熱性や気密性がないからか、引越した当初はすごく寒く感じましたが、みんなで住み始めたらすぐに気にならなくなりました。
僕はカメラマンですが、DIYがおもしろくて、こういう仕事もいいなって思っちゃいました。まだ僕の部屋は作業が終わっていませんが、もうイメージはできています。自分の部屋を好きなようにできるっていうのは本当にありがたいです(アツシさん談)」

【画像7】完成披露パーティーには近所の方が多数参加し、一緒に餅つきなどを楽しんだ(写真撮影:玉置豊)

長田さんは今回の事例をモデルケースとして情報発信することで、こういった試みに挑む同志が増えればと考えているそうだ。またすでに二軒目となるシェアハウスプロジェクトを北品川でスタートさせており、他にも相続した空き家を有効活用したいという相談がきている。

このユウトヴィレッジは、物件が祖父母のものであり、入居者も長田さんとその友人で埋まるという特殊なケースではあるが、日本中で空き家がどんどん増えていく状況の中、その有効活用の事例として注目すべき点が多いように感じる。若い世代が少なくなったという町内会からも友好的に迎えられており、入居者がコミュニティに参加することで、地域の活性化にもつながっていくかもしれない。
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/02/10/77741/

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