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ボブ・ディランが”MusiCare Person Of The Year”を受賞

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毎年恒例グラミーの前夜祭的に行なわれる「MusiCares Person Of The Year」、今年の受賞者はボブ・ディラン。3年ぶり通算36作目の新作『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』リリース直後のUS時間2月6日に、ロサンゼルスのコンヴェンション・センターにて授賞式典と豪華アーティストによるボブ・ディラン・トリビュート・コンサートが行なわれた。

同コンサートには、ディランにゆかりのあるブルース・スプリングスティーン、ニール・ヤング、ジャクソン・ブラウンをはじめ、BECK、ノラ・ジョーンズ、ジャック・ホワイトなどディランズ・チルドレン的な若手アーティストまで、総勢17組のボブ・ディランをリスペクトするスーパースター達が彼の数々の名曲を独自の解釈でパフォーマンスした。

ブルース・スプリングスティーンが「天国への扉」を演奏した後、元米大統領ジミー・カーター氏が登壇し、ボブ・ディランを紹介。今夜の主役であるボブ・ディランが登場し、受賞スピーチを行なったが、当初10分の予定だったところ、過去例をみない40分にも及ぶものとなり、普段ほとんどインタビューを受けることがないボブ・ディランの「伝説のスピーチ」として今後語り継がれるものになった。その中でも多くを割いたのが、自分の作品をとりあげてくれたピーター、ポール&マリー、ザ・バーズ、ザ・タートルズ、ソニー&シェール、パーヴィス・ステイプルズ、ステイプルズ・シンガーズ、ニーナ・シモン、ジミ・ヘンドリックス、ジョニー・キャッシュ、ジョーン・バエズへの感謝の言葉。

ザ・バーズ、ザ・タートルズ、ソニー&シェールへは「彼らは僕の曲をトップ10ヒットにしてくれたけれど、わたしはポップ・ソングライターではなかった。なりたいと思ったことすらなかった。でもそういうことになったのはよかったよ。彼らのヴァージョンはコマーシャルみたいだったけど、わたしは特に気に留めなかった。50年経ったら、わたしの曲がコマーシャルに使われることになったんだから。それもよかったね。そういうことになってよかった」。

ジミ・ヘンドリックスへは「ジミ・ヘンドリックスを忘れる訳にはいかない。わたしがジミの演奏を実際に観たのは、彼がジミー・ジェームズ・アンド・ザ・ブルー・フレームズとかいう名前のバンドにいた頃だった。ジミは歌ってすらいなかった。ただのギタリストだったんだ。彼は、誰も全く注目していなかったようなわたしの些細な曲を、成層圏の隅まで轟かせて、どれも名曲にしてくれた。ジミにも感謝しなければ。彼がここにいてくれたらと思う」。

またジョニー・キャッシュへは「わたしにとって彼はヒーローだ。ジョニーは気性の激しい人だった。わたしがエレクトリック・ミュージックをやっていることを批判されているのを知った彼は、雑誌に〝黙ってアイツを歌わせろ“と、彼らを叱る手紙を投稿したんだ。ジョニー・キャッシュの生きていたハードコアな南部のドラマの世界では、そんなものは存在しなかった。誰も誰かに何を歌えとか、何を歌うなとか、指図したことなんてなかったんだ」。

60年代初期、プロテスト・ソングを共に歌った盟友ジョーン・バエズへは「今も昔もフォーク・ミュージックの女王だった」と称賛。ディランはまた、自身の歌声を酷評する評論家たちを揶揄し、ちょっと皮肉も込めた攻撃も忘れなかった。「彼らが同じことをレナード・コーエンに言わないのは何でだろうね?。どうして俺は特別扱いなんだろうね?」

そして、「わたしの曲に対してこのような評価を与えてもらって光栄だ。ここまでの道のりは長く、厳しく、努力もした。わたしが作った曲はシェークスピアが若い時に見た歌劇のようなものかもしれない。当時も的外れだし、今も的外れだ。わたしは今もなお、もがき続けている。いつかまた会うことを願っている」と語り、ボブ・ディランはステージを後にした。

この夜、ボブ・ディラン自身のパフォーマンスは行なわれなかったが、このスピーチのあとニール・ヤングが「風に吹かれて」を感動的に披露。トリビュート・コンサートのラストを飾り、歴史に残る、夢のような奇跡の夜は幕を閉じた。

ボブ・ディランは、これまでにグラミー賞を10度受賞、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、ロックの殿堂、ソングライターの殿堂、ピューリッツァー賞特別賞、アメリカ合衆国文民に贈られる最高位の勲章「大統領自由勲章」受章他、数々の栄誉を受賞。ここ10数年はノーベル文学賞候補として毎年取りざたされている。今回のMusicCares Person Of The Yearの受賞でまた一つ輝かしい栄誉を獲得した。ボブ・ディランの全世界トータル・アルバム・セールスは1億2500万枚以上。

新作『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』はアメリカン・クラシックの名曲を独自の解釈でカバーしたもので、米ローリング・ストーン誌では「本作で大いに衝撃的なのが、ディランの歌である。これは甘い囁きなどではない。サスペンスなのだ」と称賛され、歴史的傑作の記しでもある5つ星を獲得。LAタイムズ紙「深遠で、テーマ的には痛烈でもある」、テレグラフ紙「類稀なアルバム」など、全世界中から大絶賛のレビューが寄せられている。

【「MusicCares Person Of The Year 2015」セットリスト】
1 Beck ”Leopard-Skin Pill-Box Hat”
ベック「ヒョウ皮のふちなし帽」
(1966『ブロンド・オン・ブロンド』収録曲)

2 Aaron Neville ”Shooting Star”
アーロン・ネヴィル「シューティング・スター」
(1989年『オー・マーシー』収録曲)

3 Alanis Morissette ”Subterranean Homesick Blues”
アラニス・モリセット「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」(1965年『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』収録曲)

4 Los Lobos ”On A Night Like This”
ロス・ロボス「こんな夜に」
(1974年『プラネット・ウェイヴス』収録曲)

5 Willie Nelson ”Señor (Tales Of Yankee Power)”
ウィリー・ネルソン「セニョール (ヤンキー・パワーの話)」(1978年『ストリート・リーガル』収録曲)

6 Jackson Browne ”Blind Willie McTell”
ジャクソン・ブラウン「ブラインド・ウィリー・マクテル」
(1991年『ブートレッグ・シリーズ第一集』収録曲)

7 John Mellencamp ”Highway 61 Revisited”
ジョン・メレンキャンプ「追憶のハイウェイ61」
(1965年『追憶のハイウェイ61』収録曲)

8 Jack White ”One More Cup Of Coffee”
ジャック・ホワイト「コーヒーもう一杯」
(1976年『欲望』収録曲)

9 Tom Jones ”What Good Am I?”
トム・ジョーンズ「ホワット・グッド・アム・アイ?」
(1989年『オー・マーシー』収録曲)

10 Norah Jones ”I’ll Be Your Baby Tonight”
ノラ・ジョーンズ「アイル・ビー・ユア・ベイビー・トゥナイト」(1967年『ジョン・ウェズリー・ハーディング』収録曲)

11 Dereck Trucks And Susan Tedeschi ”Million Miles”
デレク・トラックス&スーザン・テデスキ「ミリオン・マイルズ」(1997年『タイム・アウト・オブ・マインド 』収録曲)

12 John Doe ”Pressing On”
ジョン・ドー「プレッシング・オン」
(1980年『セイヴド』収録曲)

13 Crosby, Stills & Nash ”Girl From The North County”
クロスビー・スティルス&ナッシュ「北国の少女」
(1963年『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』収録曲)

14 Bonnie Raitt ”Standing In The Doorway”
ボニー・レイット「スタンディング・イン・ザ・ドアウェイ」(1997年『タイム・アウト・オブ・マインド 』収録曲)

15 Sheryl Crow ”Boots Of Spanish Leather”
シェリル・クロウ「スペイン革のブーツ」
(1963年『時代は変る』収録曲)

16 Bruce Springsteen ”Knockin’ On Heaven’s Door”
ブルース・スプリングスティーン「天国への扉」(1973年『パット・ギャレット&ビリー・ザ・キッド』収録曲)

―The 39th President of the United States Jimmy Carter introduces Bob Dylan―

17 Neil Young Blowin’ In The Wind”
二―ル・ヤング「風に吹かれて」(1963年『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』収録曲)

開演前のレッド・カーペットではレディー・ガガ&トニー・ベネット、アークティック・モンキーズ、リッチー・サンボラ&オリアンティ、ジョシュ・グローバン、トム・モレロ、ジェフ・ブリッジス、ダーニ・ハリスン(元ビートルズ・ジョージ・ハリスンの息子)、デヴィッド・フォスター、ポール・ウィリアムス、ラン・ラン、リック・オケイセック(The Cars)、ドン・ウォズ、アル・ゴア他錚々たる面々が登場。会場には元ビートルズのリンゴ・スターの姿もあった。

アルバム『シャドウズ・イン・ザ・ナイト/ Shadows In The Night』
発売中
SICP-4391/¥2,400+税
<収録曲>
1.アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー
2.ザ・ナイト・ウィ・コールド・イット・ア・デイ
3.ステイ・ウィズ・ミー
4.枯葉
5.ホワイ・トライ・トゥ・チェンジ・ミー・ナウ
6.魅惑の宵
7.フル・ムーン・アンド・エンプティ・アームズ
8.君よいずこ?
9.ホワットル・アイ・ドゥ
10.ザット・ラッキー・オールド・サン

【ボブ・ディラン コメント】
「すべて一発録り。カヴァーされすぎて本質が埋もれてしまった曲たち。本質を墓場から掘り起こして、陽の光を当てたのさ」

■ボブ・ディラン『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』全世界で大絶賛のレビュー!
http://www.sonymusic.co.jp/artist/BobDylan/info/450135
■超レアお宝必至!正真正銘「ディラン直筆サイン入りLPジャケット」を日本で1名様にプレゼント
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/bobdylan/sitn/

2015 MusiCares Person Of The Year(ライヴ映像、スピーチなど)
https://www.youtube.com/watch?v=scjD7h6v2Zc

2015 MusiCares Person of the Year (レッドカーペット)
https://www.youtube.com/watch?v=uijn4gjGeIs

(OKMusic)記事関連リンク
元記事を読む
ボブ・ディラン | SonyMusic オフィシャルHP
ボブ・ディラン、『AARP(全米退職者協会) ザ・マガジン』で新作について語る

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