親子で読みたい住まいの絵本。5冊を選んでみた

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親子で読みたい家の絵本。理想の家について、家族で話したい(写真撮影:嘉屋恭子)

お出かけがおっくうになる寒い日や雨の日は、絵本を読んで過ごす家族も多いはず。今回はそんな日に読みたい、家をテーマにした絵本5冊をセレクト。子どもはもちろん、大人も読み応えのある作品ばかりだから、いっしょに読んだあとは、家族で「理想の住まい」について話しあってみたい。今年で出版40年。愛される名作『バーバパパのいえさがし』

体のかたちを変えられることでおなじみの「バーバパパ」。絵本は全10シリーズあるが、バーバパパの家族全員で住める家を探す話が「バーバパパのいえさがし」。バーバパパとバーバママ、それに7人の子どもで住むには、今の家は狭すぎる……と話は展開していく。当たり前だが、どこの国でも子どもができて家が手狭になるのは、家さがしの共通点なんだなーと納得してしまう。作者のアネット=チゾンさんは、実は元建築家。出てくるお家もフランス人らしくとってもオシャレだし、空き家を手入れして自分たち好みにしたり、自分たちで家をつくってしまったりと、遊び心もいっぱい。

ちなみに初版はなんと1975年発行。今の子育てしている親世代にも、子どものころに読んだという人は多いはず。筆者もその1人で、ページをめくるたびに「ああ、夢中になって読んだな」と懐かしく思い出す。親子で繰り返し読みたくなる作品だ。

『バーバパパのいえさがし』講談社(写真撮影:嘉屋恭子)

『バーバパパのいえさがし』講談社(写真撮影:嘉屋恭子)建物をつくる楽しさがあふれる『たのしいたてもの』

同じく作者が建築家というのが、青山邦彦さんの「たのしいたてもの」。カラフルで精密に描かれた絵は、大人がじっくりと眺めるだけでも楽しいもの。お話のはじまりは、つくりかけのたてものが何年も放置されているところから。そこへ1人の男性がやってきて、「じぶんでへやをつくりたいひとがここにすめます!」と告げ、しばらくすると人がやってきてそれぞれ好きな部屋をつくりはじめる……というもの。

ここで出てくる男性は、実は建築家。でも家を建てることはしないし、それでもたてものの完成には欠かせない存在でもあるわけで、ある意味で建築家のお仕事を解説した絵本ともいえそう。最後にある「みんなでつくるからたのしいたてものができるんだ」というのは、名言。子どもとともに壁に色を塗ったり、棚をつけてみたりと、一緒に「つくるよろこび」を味わいたくなる一冊だ。

『たのしいたてもの』教育画劇(写真撮影:嘉屋恭子)

『たのしいたてもの』教育画劇(写真撮影:嘉屋恭子)最上階にいるのは誰? ワクワクする『100かいだてのいえ』

住まいの絵本として、近年、人気を集め、シリーズ化もされているのが「100かいだてのいえ」。星をみるのが大好きなトチくんのもとに、「100かいだてのいえのてっぺんにすんでいます」という不思議な手紙が届く。地図に書かれた場所にいくと高いたてものがあり、トチくんは階段をのぼりながらさまざまな動物に出会う。全部で100階あるのだが、1フロアごとにていねいに書き込まれていて、動物が遊んでいたり、眠っていたり、また時に赤ちゃんの世話をしていたりと、さまざまな発見があるのも楽しい。ちなみに、世界で一番高い高層ビル「ブルジュ・ハリファ」は160階だて。絵本の世界を現実が軽く凌駕していると考えると、なんだか21世紀に生きているなと実感が湧いてくる。

『100かいだてのいえ』偕成社(写真撮影:嘉屋恭子)

『100かいだてのいえ』偕成社(写真撮影:嘉屋恭子)シュールで笑いが止まらない!『いいな いいな このおうち』

一方、現実にはありえないシュールな家が登場するのが、「いいないいなこのおうち」。主人公のかるべくんが、すてきな家を紹介していくのだが、「カレーの家」だったり「ロボットの家」「はと時計の家」「ししまいの家」と、ユニークなものばかり。住み心地は別として、その柔軟な発想に大人は驚いてしまう。しかし、子どもはこういうナンセンス&シュールなお話が大好き。笑いが止まらず、「自分はこんな家がいい」と意見が出てくるはず。実はこの作者の軽部武宏さんも、一級建築士の免許を持っているのだとか。建築と絵本はとても相性のいい組み合わせなのかもしれない。

『いいな いいな この おうち』小学館(写真撮影:嘉屋恭子)

『いいな いいな この おうち』小学館(写真撮影:嘉屋恭子)ちびっ子の人気者・スーモが活躍!『スーモのさがしもの』

そして最後に紹介したいのが、スーモが登場する「スーモのさがしもの」。宇宙からやってきたスーモが、キラキラ石を探して5つの家をめぐるというストーリー。こちらにも、「お菓子の家」「おもちゃの家」「アクセサリーでいっぱいの家」「ジャングルのお家」などなど、子どもが思い描く夢の家が次々と登場。あたたかみのある絵で、しかけ絵本になっているから、窓からのぞいたり、キラキラ石を探したりと、飽きることなく何度でも読み返したくなる。

『スーモのさがしもの』幻冬舎メディアコンサルティング(写真撮影:嘉屋恭子)

『スーモのさがしもの』幻冬舎メディアコンサルティング(写真撮影:嘉屋恭子)

大人にとって家や住まいといえば、予算や立地といったスペックや数字は気になってしまうが、本来、「家」はもっと自由でいいはず。住まいの絵本は、「理想の家」について、楽しく話す機会をくれることだろう。
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/01/27/76839/

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