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「ニッポンの伝統」を世界に売り込む チャンスは円安、課題は「職人の高齢化」

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急速に進んだ円安の影響で、日本のローカルな産物が「グローバルに流通する商品」として注目を集めている。海外アジアの人たちも豊かになり始めており、購買力が上がっていることも良い影響を与えそうだ。

2014年12月9日放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)は、外国人に人気の日本の雑貨にチャンスを見出す企業の挑戦を紹介していた。外国人旅行者が多い東京・渋谷のロフトでは、高機能の弁当箱や日本刀のような包丁がお土産として人気を博していた。

10月から新たに設けた免税カウンターでは、寿司など珍しいモチーフのシールやカラフルな筆記具、可愛いマスキングテープなどが人気で、外国人観光客が数多く購入するという。
ねらい目は「外国人から見て違和感のない和」

東京・秋葉原にあるアッキー・インターナショナルは、外国人観光客向けの免税店。中国からのツアー客が、バスで毎日押し寄せる。かつては家電が主流だったが、いまは保温用の水筒や爪切り・キッチン用品などの雑貨品が売り上げの3割を占めるという。

商品はほとんどが日本製。耐熱ガラス製の哺乳瓶が飛ぶように売れ、粉ミルクは訪れたほとんどの人が購入していた。社長の阿部英行さんは、かつて家電量販店で海外事業を担当しており、同社は2002年に設立した。

2号店は中国人以外の外国人向けにリニューアルし、ここも大盛況。日本刀を模した傘や忍者の鋳物の置物、オリジナルの日本人形は顔を西洋人風にアレンジし、売上トップの看板商品となっている。

正直に言うと、日本人から見ると違和感が否めない感覚のモノもある。しかし海外でモノを売り込んで来た豊富な経験から、外国人のニーズを的確に掴んでいるのだろう。これらの人形を企画した阿部社長はこう語る。

「あまり和であってもダメな気もする。和だけど、外国人から見て違和感のない和」

社員16人の京都の会社スーベニールが企画・開発しているのは、がま口や巾着、筆入れなど京都らしい風合いのかわいい和雑貨だ。店舗「カランコロン京都」は若い女性を中心に人気で、大半が2000円前後という手ごろな値段だが、すべて職人の手仕事で作られている。
「新ブランド」を担当する29歳の女性マネジャー

スーベニール社長の伊藤忠弘さん(40)は、京都で120年の歴史を持つ和装小物の老舗「糸と忠」の4代目。伝統の西陣織をあしらった履物やバッグを作ってきた。しかし着物の市場は減少し、今後も増える見込みはないことから新会社を立ち上げた。目論見は当たり、全国に23店舗と急拡大している。

京都を訪れる外国人観光客は、2013年は約113万人と過去最高、アメリカの旅行雑誌「トラベル+レジャー」で世界人気観光都市1位にも選ばれている。スーベニールもその影響を受け、客の4割~5割が外国人観光客だという。

そこで外国人をターゲットにしぼった新ブランド「にっぽんCHA CHA CHA」を立ち上げることにし、商品部マネジャーの児玉喜美香さん(29)に仕事を任された。富士山やだるま、招き猫や鶴などキャッチーなモチーフで雑貨のデザインを企画していた。

新ブランドは京都にもっとも観光客が訪れる11月下旬の連休にお披露目となり、外国人客からも「色合いが美しい。日本らしさがよく出ている」と評判で、よく売れていた。児玉さんは「素晴らしい、売れました」と大喜びでバンザイしていた。伊藤社長は手応えをこう語った。

「日本の繊細で丁寧な技術は、雑貨を通じて感じてもらえると思う。人の手のぬくもりが残った日本のものづくりを世界に発信していきたい」

後継者がなく突然廃業してしまう工場も

しかし、番組の途中では課題も浮き彫りに。新ブランド立ち上げから頼りにしていた工場が、高齢化と後継者がない事から突然廃業してしまった。そのため手捺染(てなっせん)という高度な技術を要する布製品を作ることを断念せざるをえなくなった。

ほかの小さな織物工場や、がま口財布の仕上げを行う職人たちはいずれも高齢で、いつまでも頼るわけにもいかない現状も見えた。小さながま口は税込540円で、手間がかかる割には職人たちの儲けは大きくないようだ。

番組では他に、アジアに畳を売り出すきっかけとして雑貨の販売を手掛ける企業も紹介した。畳製造機械メーカー東海機器工業3代目の内藤嗣さんは、ベトナムで開かれた大商談会に畳を使ったバッグやスマホカバーなどの雑貨を売り出そうと奮闘していた。

バッグは値段が高すぎるということで、バイヤーたちにまったく売れなかったが、スマホ関連商品は次につながる商談ができたようだ。雑貨に商機を見出す企業の中には、先細りする伝統を守る戦いもあることを知った。この機をつかんで伝統技術が衰退しないよう、うまく稼いで欲しいと感じた。(ライター:okei)

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