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ベア要求2%以上、15年春闘の行方

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連合、2%以上のベアを統一要求する方針を正式決定

2015年春闘に向けて各労働組合の方針が決定し始めています。今月2日には、労働組合の中央組織である連合が中央委員会を開き、2015年の春闘で2%以上のベースアップ(ベア)を統一要求する方針を正式に決定しました。基本給を底上げするベア要求は2年連続となり、1998年春闘(上昇率2.9%)以来、17年ぶりの高水準となっています。

また、自動車や電機などの産業別労働組合(産別)で組織する「金属労協」は統一要求である定期昇給実施と、月6,000円以上のベースアップを求める方針を固め、その他トヨタ自動車グループの労働組合が加盟する「全トヨタ労働組合連合会」や電機メーカーの労働組合で構成する「電機連合」も足並みをそろえています。

連合の古賀会長は「物価が上昇局面にある中、経済の好循環を実現するには月例賃金の継続的な引き上げが不可欠だ」と強調し、大企業と中小企業との格差是正も課題に設定しました。

14年春闘後の課題、正規と非正規待遇格差は解消されず

2014年春闘は、消費税増税に向けた政府の賃上げ要請が効果的に働いたため、定期昇給を含めた賃上げ率が15年ぶりに平均2%を超える高水準となり、中小企業にも波及効果が表れたといえます。

しかし、実態として中小企業に対する経済効果の恩恵は少なく、人材不足対策や横並び意識の結果によるものが大半を占めており、正規従業員と非正規従業員の待遇格差も解消されていないというのが大きな課題として残っています。

中小企業および地方企業の活性化につながる実質的な賃上げが必要

2015春闘は、依然として景気の冷え込みが続いているため、前年を超す賃上げ交渉は厳しいものになると予想されるでしょう。中小企業や地方企業は、大手企業と比べて全体的に賃金水準が低く、賃金格差がこのまま拡大してしまうと、今後も非正規従業員に頼らざるを得ない状況が続くと考えられます。

アベノミクスにより、資産1億円を超える富裕層は急増しましたが、一般所得層への恩恵は非常に少なく、消費税増税や物価上昇により一般世帯への暮らしを圧迫しています。このような所得の格差を解消するためには、表面上の賃上げだけではなく、中小企業および地方企業の活性化につながる実質的な賃上げが必要となるでしょう。

15年春闘に向けて、政府がどのような経済政策を打ち出し、どの程度介入するのか、そして正規・非正規従業員の格差解消と国民の所得格差が果たして縮まるのかを注目していきたいと思います。

(田中 靖浩/社会保険労務士)

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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