“音楽の力”で失われた記憶を呼び戻す? スピルバーグも絶賛した奇跡のドキュメンタリー『パーソナル・ソング』本編映像の一部を公開
とあるソーシャルワーカーが認知症・アルツハイマー患者に思い入れのある曲を聞かせ、失われた記憶を呼び戻すという実験を3年に渡って取材したドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』。米国では本編が完成する前に制作された映像クリップが、1週間で700万回以上も再生され、大手ニュース専門チャンネルCNNでも取り上げられるほど大きな話題となりました。そして本日、その日本語字幕版が公開。音楽の力による信じがたい奇跡を目の当たりにできる映像クリップとなっています。
現在、全米で約500万人、日本でも高齢者の4人に1人、400万人以上いるとされ、今後も爆発的に増え続けると言われている認知症やアルツハイマーの患者たち。いまだ特効薬がなく、先進国の間では深刻な社会問題となっています。かつてIT業界で働いていた米国のソーシャルワーカー、ダン・コーエンは、あるとき「患者が『iPod』で、自分の好きな歌(パーソナル・ソング)を聞けば、音楽の記憶とともに何かを思い出すのではないか」ということを思いつきます。
すると、実験をはじめてすぐに驚くべき効果が。長年認知症を患い、娘の名前も思い出せずふさぎ込んでいた94歳の黒人男性ヘンリーは、昔好きだったキャブ・キャロウェイの音楽を聴いた途端、突然スイッチが入ったように陽気に歌いだし、周りの人々を驚かせました。音楽を止めた後も饒舌(じょうぜつ)になり、音楽の素晴らしさや仕事のこと、家族のことを次々と語り始めます。映像では、目を見開いて小刻みに揺れながら音楽を楽しむヘンリーの姿も見られ、この時の様子を涙ながらに語る娘や、驚きを隠せない医師のコメントなどが挿入されます。
すでに公開となった全米では若者を中心に反響を呼んだほか、映画館で鑑賞した巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督や俳優のトム・ハンクスが、本作のマイケル・ロサト=ベネット監督に感動の意を伝えたというエピソードも。サンダンス国際映画祭ドキュメンタリー部門で観客賞を受賞するなど、すでに公開されている世界各国で高い評価を得ている本作は、12月よりシアターイメージフォーラムほかで順次日本公開となります。
失われた記憶が音楽で甦る?『パーソナル・ソング』映像クリップ(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=70LfaoCzDTs
映画『パーソナル・ソング』公式サイト:
http://personal-song.com/
(c) ALIVE INSIDE LLC 2014
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