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ノーラン監督『インターステラー』のジェシカ・チャステインにインタビュー 未だ秘密のままの役柄についても聞いてみたぞ!

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『インセプション』『ダークナイト』など、作品ごとに世界へ衝撃を与え続ける巨匠クリストファー・ノーラン監督。その最新作であり、地球滅亡のカウントダウンが迫る中、人類の存亡を懸けた史上最大のミッションに挑む人間たちのドラマを描いたエンターテインメント超大作『インターステラー』が、11月22日(土)より日本公開となります。

主演に『ダラス・バイヤーズクラブ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒー、共演には『レ・ミゼラブル』で助演女優賞を受賞したアン・ハサウェイを迎え、壮大な宇宙を舞台に父娘の愛と感動の物語を繰り広げる本作。11月5日から北米249館で先行上映、7日から全米3561のスクリーンで公開されると、同時期に公開となったウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作『ベイマックス』を押え、週末の世界興行ランキングで1位を獲得する大ヒットスタートを切りました。


ガジェット通信では、本作で物語の重要なカギを握る科学者役のジェシカ・チャステインにインタビュー取材を敢行。CIAによるウサマ・ビン・ラディンの捜索と殺害を描いたキャスリン・ビグロー監督『ゼロ・ダーク・サーティ』では、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたハリウッドでも注目女優の彼女ですが、今作の役柄については、まだ詳細を伏せられているとのこと。超・秘密主義者で有名なノーラン監督からも、ネタバレについては気を付けるように直々に注意があったそうですが、一足お先に映画を鑑賞した筆者は、彼女にギリギリの質問をぶつけながら本作の魅力をたっぷりと語ってもらいました!


――特に終盤はノーラン監督らしくスケールが大きな迫力ある映像に魅了されました。完成した映画をご覧になっていかがでしたか?

ジェシカ・チャステイン(以下、ジェシカ):1か月ちょっと前に、ブロードウェイの68丁目にある映画館リンカーン・スクエア・シネマで観たの。IMAXでね。アニー(アン・ハサウェイ)やジョン・リスゴーなど、ほかの人たちも一緒だった。完成した映画は、とても素晴らしかったわ。これは大きな宇宙映画で、とても壮大よ。映画の中には、観ていて息ができなくなる部分があったわ。そして実際、息をするのを忘れてしまっていたの。特にIMAXで観ると、すごく臨場感があるわね。サウンドも、ハンス・ジマーが作ったスコア音楽も、映画を作っている時や、脚本を読んでいる時には、どのようにまとまっていくのかわからないものよ。私は(映画を観て)泣いていたわ。特にマシューの演技は、本当に素晴らしくて感動したわ。

――確かに、壮大な宇宙空間を舞台に展開するストーリーにはハラハラしました。脚本をご覧になった時はどのような感想でしたか?

ジェシカ:クリスが私に興味を持ってくれていると聞いてすぐに、それは私が関わりたいと思う映画だと理解したの。私は、彼と仕事をしたかったのよ。私には、もし電話をもらったら「イエス」と即答する監督のリストがあるの(笑)。クリストファー・ノーランは彼らのうちの1人だったわ。脚本をもらった時、規模が壮大で、ビジュアル的に素晴らしいということは分かっていた。私が驚いたのは、それがどれほどパーソナルなストーリーかということ。彼はこの映画を、彼の子どもたちのために作ったの。ワクワクするスペース・アドベンチャーよ。でも、映画の核は、パワフルな愛の絆(きずな)について。私のキャラクターは、ストーリーのエモーショナルな側面に参加することができる。それがとてもうれしかったわ。

――脚本を読んだときには想像が及ばなかったけれど、完成した映像で見せられ驚いたシーンはありますか?

ジェシカ:エンディングよ。ネタバレになるから話せないけど……。でも、最後のシーンのマシュー、あのシーンのビジュアルは本当にすごいわ。これについて話すことは本当に不可能だけど、あの場面にもっとも圧倒されたわ。

――日本ではまだ詳細が伏せられていますが、今作では予想外の役柄に驚きました。かつ物語のカギを握る重要なキャラクターですよね?

ジェシカ:(ネタバレになるから)それについて話すのは難しいけど、そうね。私が演じているこの女性がとても素晴らしいと感じるのは、彼女が自分の周囲の世界に積極的に参加しているところよ。彼女は男性のキャラクターに仕えるためにそこにいるわけじゃない。時々映画の中で、女性のキャラクターは、少し見失われたりするものよ。特に、私はこの映画で主役じゃないし、私が画面に登場する時間はそれほど多いわけでもない。でも、彼女がスクリーンに出ている時、彼女は重要な役割を果たすの。彼女はそこにいて、彼女は彼女の世界で、そしてこのストーリーで、しっかりと足跡を残している。それは私にとってエキサイティングなことだったわ。

――これまでも強い女性(『ゼロ・ダーク・サーティ』)や、前向きな女性(『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』)を演じる姿を拝見してきましたが、似ているようでまた異なる女性像だったと思います。

ジェシカ:個人的な体験を演技に利用したところが、これまでとは違ったわ。初めて脚本を読んだ時、私は彼女を理解することができた。彼女が折り合いをつけようとしている心の傷や、彼女自身についての疑問とかを理解できたの。私自身の個人的な経験のおかげでね。私はとても引っ込み思案なの。私は普段、取材陣の人たちと話す時は、映画についてだけ話すわ。私の家族や、私のパーソナル・ライフをすごく守ろうとしていたから。今作で私が演技をしている時、「いろんなクレイジーなことをやるかわりに、私自身について何かを分かち合ったり、外に向けてさらさないといけないんだ」と初めて思ったわ。それはとても難しかったけどね。


――クリストファー・ノーラン作品へは初出演となりましたが、ほかの監督とは違うと思った点はありましたか?

ジェシカ:彼は素晴らしいわ。私は、巨大なセットで大作映画に出演するのはいつも怖いの。時に、演技も人間関係も途中で抜け落ちてしまうような気がするから。でも彼は、演技をとても楽にしてくれる。すべて現実的なセットだわ。彼は、私が車で通り過ぎる500エイカーのコーン畑をセットで作ったの。私の顔めがけてバケツ何杯もの砂ぼこりを浴びせたわ。宇宙船もシャトルもグリーンスクリーンを使わなかった。それがとても演じやすくしてくれる。それに、演技する時になったら、彼は俳優をひとりにしてくれる。何度か自分でトライさせてくれるの。そして時々、小さなメモをくれるけれど、それが俳優の演技を完璧に解放してくれる。私にとっては大きな喜びだったわ。

――本作を含めたノーラン作品の魅力とはどのようなものでしょう?

ジェシカ:私はクリスの作品が大好きだわ。壮大なスケールだから。彼が創出する世界はとてつもなく大きい。それが観客の心に、感情に、そして脳に挑戦する。この映画を観ていると、物語に入り込み、ここで語られている理論すべてを理解したいと思うはずだわ。この映画で描かれる物理学についてね。もしそういう方向に進みたいと思えば、エグゼクティブ・プロデューサーで、世界的な理論物理学者であるキップ・ソーンがこの映画の公開に合わせて本を出版するわ。でも、あらゆる素晴らしい芸術同様、この映画は理解されるために作られているわけじゃなく、感じてもらうために作られている。観客は入り込み、自分の知性を探究し、挑戦する。あるいは自分の心に挑むのよ。

――科学については以前から興味があったんですか?

ジェシカ:正直に言って、そうではないの(笑)。私は間違いなくもっと芸術的なことに関心があるわ。私が好きだった科学は、“化学”ね。なぜなら、いろんな要素を混ぜるということで、どこかクリエイティブなところがあるから。でも今なら、もっとそういうことに興味があるわね。演技の素晴らしいところは、それまでまったく知らなかったことに触れることができることよ。私は、北カリフォルニアのパブリックスクールに通ったの。それほどいい学校じゃなかったわ。だから、科学を学ぶようにとインスパイアしてくれた先生には会わなかった。この映画に出演することで、クリストファー・ノーランは、物理学を学んだり、キップ・ソーンと話すようにインスパイアしてくれたわ。なんてクールなことかしら。子供の頃にそういうことがあれば良かったのにね。

――マシュー・マコノヒーとアン・ハサウェイについてもお話を伺えますか?

ジェシカ:彼らのことは大好きよ。彼らと一緒に時間を過ごすのは素晴らしいわ。マシューは堂々として自信に満ちている。どこか特別なところがあって、とてもいい人よ。彼のパブリックの人格とパーソナルな人格には違いがない。彼は、いつも彼なのよ。

そしてアンは……、私は彼女のことを守ってあげたいわ。彼女はすごく頭がいい。そしてとても優しいわ。でも私たち、少し話したことがあるの。オスカーの後で、(アンに)ちょっとしたいじめみたいなのがあったのよ……。インターネット上で、彼女に敵対する人がいたの。彼女はとても繊細で、美しい人よ。だから、とても守りたいの。なぜなら、彼女と知り合えたことをラッキーだと感じているから。

――最後に、この作品で観客にぜひ観てほしいところを教えてください。

ジェシカ:映画を観に行って、みなさんにエモーショナルな体験をしてもらいたいわ。絵を観るのと同じように、それを理解する必要はないの。ピカソが持っていたマインドを私は持っていない。なぜ彼がこのカーブをこういうふうに描いたのかということを理解する必要はないの。私にとって、映画はアートなの。映画を観に行って、それを分析したり、すべてを定義する必要はないわ。ただそれに浸ればいいの。この映画の核は、愛についてよ。愛は定義できない、ただ感じるものよ。だから、この映画には科学が出てくるけど、そのすべてを理解する必要はないの。もし重力や、ブラックホールが何を意味するのか理解できなくても、自分を解放すれば、きっと映画館でエモーショナルな体験ができるわ。

――「考えるな、感じろ」ということですね。本日はどうもありがとうございました!

<ストーリー>
劇的な環境変化によって、地球の寿命は尽きかけていた。生きて帰れるか分からない、重大な使命を担う壮大な旅に選ばれたのは、まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男と数少ないクルーのみ。彼らは、居住可能な新たな惑星を探すため、前人未到の未開の地へと旅立つ。人類の限界を超える不可能にも思える史上最大のミッション。果たして彼らは、自らの使命を全うし、愛する家族の元へと生還することが出来るのか!?

『インターステラー』公式サイト:
www.interstellar-movie.jp

(C) 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.
(C) Kaori Suzuki

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記者:

PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

TwitterID: stamina_taro

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