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朝日新聞に登場した新キャラ「こゝろちゃん」とは一体ナニモノ?

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 道尾秀介、林真理子、片岡義男……これらの作家には、ある共通点があります。それは、『朝日新聞』で現在、小説を連載しているという点。豪華な顔ぶれですが、同紙の連載陣は過去に遡ってみても、中上健次、三浦綾子、そして川端康成と、錚々たる面々が並びます。

 日本近代文学を代表する文豪・夏目漱石もその1人。高校現代文の教科書にも採用されている代表作『こゝろ』は、1914年に朝日新聞で連載されていたものでした。今年9月には、連載100周年を記念して同紙に再連載。購読者からは「心の葛藤に共感した」「現代の希薄になった家族関係や子どもたちの未来を考えるきっかけになった」など、メールや手紙で100件以上の反響があったそうです。

 乃木希典大将の殉死が描かれているように『こゝろ』は明治の終焉期を背景としていますが、漱石の人間描写は時代を超えて現代に生きる人びとにも訴えかけるものがあるということでしょう。朝日新聞は『こゝろ』の再連載終了後、同じく漱石作品である『三四郎』の再連載を開始しました。

 そして、『純文学少女こゝろちゃん』の不定期連載も、11月8日(名古屋本社版は11月10日)から同紙夕刊でスタート。

 こゝろちゃんは、本や読書が何よりも大好きな「純文学少女」を表したキャラクターです。そんな彼女がイチ推しの本「オシボン」を、毎回1冊ずつ紹介していくコーナー。第1回は樋口一葉の『たけくらべ』でしたが、その中で、こゝろちゃんならではの分かりやすい解説を、一部引用したいと思います。

「物語のクライマックスは、内気な少年である信如が、美登利の家の前で鼻緒を切るシーンでしょう。長吉側についた信如に文句を言おうとしながらも口をつぐみ、しかし門を出て助けることはしないで、友禅の布の端切れをぱっと投げる美登利。そっけなく、でも親切。まるでツンデレですが、ここで彼に惹かれる自分の気持ちに気づくのです!」

 『たけくらべ』は文語体で書かれたものなので、古典が苦手な人は敬遠しがち。しかしこの解説を読めば、現代の中高生でも共感を得られる内容だということがわかります。こゝろちゃんは最後に「原文で読むもよし。読みやすい現代語訳にたよるもよし。この王道的名作には、特別な女の子の特別な哀しみがつまっているのです」と結んでいます。読書を面白くしてくれる案内役的なキャラクターとして、今後、取り上げられる本も非常に楽しみです。

 なお、紙面だけでなくウェブやSNS、イベントなどさまざまなメディアに、こゝろちゃんのキャラクターを展開していくとのこと。次回の連載は11月中旬を予定しているそうなので、こゝろちゃんの「動向」に注目したいところです。

【関連リンク】
本に出あう/こゝろちゃん
http://book.asahi.com/book/cocoro/index.html#20141108

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