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近畿で唯一人口が増加している滋賀県、その理由とは?

大津市の琵琶湖湖岸に立ち並ぶマンション(写真撮影:井村幸治)

総務省が発表した人口推計によると、全国の総人口は前年比で21万7000人の減少。47都道府県のうち人口が増えたのは8都県にとどまった。東京都、愛知県、神奈川県、福岡県などの大都市と共に、近畿圏で唯一人口増加を示したのが滋賀県だ(平成25年10月1日時点)。また、14歳以下の年少人口の割合が沖縄県に次ぎ第2位と高い数値を示したのも滋賀県。なぜ滋賀県なのか?県南部を中心にして人口が増加、14歳以下の人口比率も高い

まず、市町村別に人口増加率をみると、上位から守山市(1.04ポイント増)、草津市(0.92ポイント増)、栗東市(0.77ポイント増)、愛荘町(0.66ポイント増)、近江八幡市(0.36ポイント増)、大津市(0.28ポイント増)と続く。地理的にみると、滋賀県南部エリアが中心となって人口が増加していることが分かる。また「14歳以下の人口比率」が高いのがマップにあるエリアで、人口増加率上位ともほぼ重なっている。

【図1】市町村別年少人口(14歳以下)の割合。平成26年4月1日現在(滋賀県調べ)

【図1】市町村別年少人口(14歳以下)の割合。平成26年4月1日現在(滋賀県調べ)

では、なぜ滋賀県だけが人口が増加するのか、理由を探るべく滋賀県庁のある大津市を訪ねてみた。大津駅は京都駅へも東海道本線の新快速で約9分と非常に便利なエリアで、琵琶湖湖岸に迫るようにマンションが建ち並び大阪や京都へ通勤する人も多い。

京都市内は景観保護のためにマンションの高さが制限されるなど、住宅の供給数自体が限られて価格も高額となりがち。そのため京都に通勤する子育て世帯でも、価格的にもお手ごろ感のある大津市やその周辺エリアでマイホームを購入するケースが多いそうだ。確かにそれは人口増加の一因といえそう。

しかし、人口が増えているのは大津市だけではない。そこに浮かびあがるのが「ドーナツ化」というキーワード。どうやら、大津市を中心にJR東海道本線に沿い、琵琶湖に波紋が広がるように都市の拡大や人口の増加が進んでいるようなのだ。その象徴的な街をいくつか実際に訪ねてみた。

【図2】JR東海道本線(琵琶湖線)の駅。太字は記事内で紹介(編集部作成)

【図2】JR東海道本線(琵琶湖線)の駅。太字は記事内で紹介(編集部作成)人口増加の象徴「南草津駅」は1994年に開設された新駅

まず、県南部の発展と人口増加を理解するための象徴的な街「南草津駅」(京都駅まで約20分、新大阪駅まで1時間強)を訪ねた。南草津駅周辺は田畑の広がる土地であったが、区画整理事業によって街づくりが進められ1994年には新駅が開業、その後立命館大学のキャンパスや大手メーカーの工場などが続々と周辺に進出した新しい街だ。

駅近辺には大型ショッピングセンターや駅直結のテナントビルなどが連なり、駅に隣接するように高層マンションが林立している。少し周辺を歩けば一戸建ての住宅地も広がっている。さらに2011年3月からは新快速が停車することとなり、大阪などへの利便性も一気に高まった。新駅の設置と計画的な街づくりによって、若い世代が数多く移り住んできたということがよく分かる。

この街は、首都圏で例えると東海道線東戸塚駅のイメージに近いかもしれない。東戸塚駅も1980年に開業した比較的新しい駅。良好なアクセスをもつ東京都心へのベッドタウンとして、マンション群や商業施設が集積する姿がダブってみえる。

【画像1】南草津駅の周辺には真新しいマンション群。アクセスはとても良好で、ベランダから駅のホームへ手を振れるほどだ(写真撮影:井村幸治)
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