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今週の永田町(2014.10.21~28)

 先週21日、経済産業大臣に宮沢・自民党政調会長代理(参議院議員)が、法務大臣に上川・自民党女性活躍推進本部長が就任した。政府・与党は、「政治とカネ」をめぐる問題で女性2閣僚のダブル辞任で受けた打撃から立て直すべく、新たな態勢のもと引き続き「経済再生」「地方創生」「女性活躍推進」などの看板政策に取り組み、信頼回復に全力を挙げる方針だ。

 

【新たな「政治とカネ」問題も浮上】

 一方、民主党や維新の党など野党側は、安倍総理の任命責任や、閣僚の資質や疑惑を追及する構えで、攻勢を強めている。資金管理団体による政治資金収支報告書の記載ミスを訂正した江渡防衛大臣に続き、就任したばかりの宮沢大臣にも「政治とカネ」をめぐる問題が明らかとなった。

 

宮沢大臣の資金管理団体による不適切な政治活動費支出が過去にみつかったほか、電力会社への監督を所管する経済産業省のトップである宮沢大臣が東京電力株600株(時価約20万円)を保有していることは利益相反の恐れがあり、中立・適正な判断が担保されるのかなどと問題視されている。

 宮沢大臣は、不適切な交際費計上があったことを認めたうえで、事務所秘書にその代金を弁済させ、政治資金収支報告書を訂正する考えを明らかにした。東電株をめぐっては、菅官房長官が、政務三役在任中の株式などの取引を自粛し、保有株などを就任時に信託銀行の管理下に置くよう定めている大臣規範にのっとって、「宮沢氏はすでに信託の手続きに入ったので、全く問題ない」と擁護した。27日には、宮沢大臣が信託手続きを完了したと発表した。

 

また、宮沢大臣が衆議院議員時代に代表を務めていた政党支部に、外国人が過半数の株式を所有する広島県の企業から計40万円の献金を受けていたことも判明した。宮沢大臣は、「先週末にその事実を把握した」「(当時は)外国人が過半数を持っていると知らなかった」と説明し、26日付で全額を返却したことも明らかにした。野党側は、外国人や外国企業からの寄付を禁じる政治資金規正法に抵触する可能性もあるとして問題視しているが、菅官房長官は「事実が判明した後、すぐに返金した。適切な処理だ」と強調し、辞任する必要はないとの考えを示した。

 さらに、有村女性活躍担当大臣が代表を務める自民党の参院比例支部が、脱税で罰金判決を受けた企業から計60万円の寄付を受けていた。有村大臣の事務所は、返金手続きを取ったという。この件に関して、菅官房長官は「企業から献金を受ける時点では脱税していなかった。後に脱税が分かったことが原因で、問題ない」と擁護した。このほか、望月環境大臣に関係政治団体の政治資金収支報告書で交際費計約660万円分の記載漏れが指摘されている。

 

ただ、野党側は、こうした説明にいまだ疑問が残るとして、30日に安倍総理出席のもと開催する衆議院予算委員会での集中審議などで、「政治とカネ」をめぐる閣僚の疑惑を徹底追及し、安倍総理の任命責任を問い質す方針でいる。特に、民主党は、政権時代に同様の「政治とカネ」をめぐる問題で閣僚辞任に追い込まれた経緯もあるだけに、閣僚辞任をも求めていくようだ。

 

 

【法案審議入りにも影響】

女性2閣僚のダブル辞任や、第二次安倍改造内閣の閣僚の「政治とカネ」をめぐる問題で、国会運営の主導権をめぐる与野党の駆け引きが活発となっている。

 

当初、与野党の合意にもとづき、土石流や地滑りで住民の命に危険が生じる場所を土砂災害警戒区域に指定に先立って基礎調査を実施し、その結果公表を都道府県に義務付ける「土砂災害防止法改正案」が21日の衆議院本会議で審議入りすることとなっていた。

しかし、野党7党が「極めて異常な事態で、本会議開会には応じられない」「新任閣僚の所信表明を優先すべき」などと審議入りを拒否した。断続的に協議した結果、与党が衆議院科学技術特別委員長ポストを野党に譲るとともに、新たに就任した2閣僚の所信聴取を行うことで、同法案の趣旨説明と質疑を23日の本会議で行うと合意するに至った。

また、派遣労働者の柔軟な働き方を認め、3年経過した後に派遣先での直接雇用の依頼を派遣会社に義務づける「労働者派遣法改正案」の審議入りも、与党が想定していた23日の衆議院本会議から、28日の衆議院本会議へとずれ込むことが決まった。

 

 23日、「土砂災害防止法改正案」の趣旨説明と質疑が衆議院本会議で行われ、審議入りとなった。基礎調査にもとづき土砂災害警戒区域の指定予定区域を公表することで、住民に土砂災害の危険性を認識してもらい、災害発生時の早期避難につなげることを目的としている。同法案には、自治体を援助するよう国の努力義務を定めているほか、国土交通大臣が基礎調査の遅れている都道府県に是正を要求できる規定も盛り込まれている。野党側も同法改正に反対する動きはないことから、臨時国会中に成立する見通しだ。

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霞が関と永田町でつくられる“政策”“法律”“予算”。 その裏側にどのような問題がひそみ、本当の論点とは何なのか―。 高橋洋一会長、原英史社長はじめとする株式会社政策工房スタッフが、 直面する政策課題のポイント、一般メディアが報じない政策の真相、 国会動向などについての解説レポートを配信中!

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