“カイモクジショウ”は世界を震撼させるのか?ーーOTOTOY密着レポート第1回

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“カイモクジショウ”は世界を震撼させるのか?ーーOTOTOY密着レポート第1回

カイモクジショウというバンドを知っているだろうか。彼らは、西田夏海(Vo.)、高橋裕樹(Gt.)、上田哲也(Dr.)からなるベースレスの3人組だ。2010年に結成、都内を中心に活動する同バンドは、来月11月5日(水)に待望の1stフル・アルバム『JIDOU』をリリースする。

ベースレスを感じさせない厚みのある轟音サウンド、声色を使い分け、女性らしく高らかに、ときに凶暴さを見せるヴォーカル。彼らは、観たものの目を丸くするような演奏を日夜ライヴハウスで繰り広げ、今年4月には日本を飛び出し、オーストラリアでのライヴ・ツアーも行っている。どうやらその海外進出も、彼らの圧倒的な表現力の評判を聞きつけたプロモーター直々のオファーがきっかけで実現したものだという。

そんなバンドのライヴを観ないでどうする? ということで、今回OTOTOYではリリースまでの約1ヶ月間、彼らのライヴに密着させてもらい取材を行うことにした。どこかの一室を使った一回だけのインタヴューではわからない、強さも弱さもさらけだしたリアルなカイモクジショウの姿を伝えていきたいと思う。またアルバムリリースに先駆け、本日10月1日(水)より『Jidou』収録曲「封」の期間限定フル試聴もスタート。この記事とあわせて、ぜひとも聴いてみてほしい。

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9月26日、カイモクジショウのライヴが行われる三軒茶屋HEAVEN’S DOORへと向かった。これから約1ヶ月間彼らのライヴに足を運ぶことになるため、第1回目の取材となったこの日、まずはメンバーとご挨拶という意味も含め、ともに会場近くの居酒屋へ。彼らは僕を暖かく迎え、カイモクジショウ結成の経緯から、くだらない冗談までたっぷりと気さくに話してくれた。

ドラムの上田は、まだカイモクジショウが別のドラマーを擁してライヴを行っていた時代に、たまたま彼らのライヴを観て、その演奏に心を打たれ、自ら申し出る形で加入したという。そういった経緯や彼の性格も相まって、バンドを引っ張っていこうとする司令塔的な役割を担っているように感じられた。彼らの楽曲を聴いて感じるヘヴィな音楽性や狂気を感じるアルバムのトレイラー映像から、どんな人たちなんだろうと少々緊張していたけれど、ヴォーカルのなっちゃんこと西田も、高橋も普段激しいライヴ・パフォーマンスを繰り広げている彼らとは真逆の印象を受けた。いったいスイッチの切り替わる瞬間はどこにあるんだろう。また、この日は彼らにとっては1ヶ月ぶりのライヴということで、上田がしきりに「大丈夫かなぁ」と口にするどこか弱気な姿にも驚いたけれど、裏を返せば、ライヴの間隔を空けることを嫌うこの発言は、なにより彼らがライヴ・バンドであることの証左であるように思えた。

場所を移し、ライヴハウスへ。対バンの演奏をニコニコと眺めていたり、物販でお客さんと気さくに話をしていたカイモクジショウのメンバーだったが、セッティングが終わり、ふたりが音を鳴らし始めると、ガラリと空気が一変。白い衣装に身を包んだ西田が登場すると会場までもが緊張感に包まれていた。

ヘヴィなリフを刻み、または幽玄なフレーズで楽曲に色を付けていくギターと、轟音から静寂へと目まぐるしく展開が変わる曲の舵を取る、力強いドラム。そして、ベースレスであること疑うほど厚みのあるサウンドの上で、歌姫と呼ぶに足る歌声を聴かせたかと思えば、突然人が変わったようにダミ声で叫びまくるヴォーカル。西田はステージにあったガムテープをいきなり腕には装着してみたり、モニターに寄りかかったり、アドリブで酒井法子の「碧いうさぎ」を歌い始めたり(ライヴ後、彼女のルーツとして歌謡曲があると教えてもらった)、迷い込んでしまった少女のようにゆらゆらとステージを歩き回りながら、目に付いたものに思いつきで飛びつくといった感じで、その行動からは意図的なものは感じられない。だが、その激情的でドラマチックな展開をみせる楽曲とその動きが組み合わさると、まるで演劇を鑑賞しているように不思議と曲にストーリー性を感じてしまう。彼らの音楽は観客に特定のなにかを訴えるというよりも、その世界観にずっぽりとはめ込んでしまうような豪快さがあった。

この日、メンバーと話したなかで、僕が一番印象に残ったのは、上田が語ってくれた今後のバンドの展望だ。彼曰く、現在主なライヴの舞台となっている東京から関東、日本全土、と次第に輪を広げて行き、最終的にはアジアから世界へと活躍の場を広げていくのがバンドの目標であるという。これは理想論などではなく、実際に彼らが行った海外でのライヴで掴んだ手応えを経て、設定された目標だ。終演後、上田に話を訊くと、彼は納得のいくパフォーマンスができなかったようで肩を落としていた。僕にはまったくそんなふうには見えなかったけど、高い目標を掲げているだけあって人一倍気負うところがあるのだろう。

とにかくカイモクジショウは高い目標を掲げ、上へ上へと目指すバンドだ。今回の記事で少しでも彼らのことを知ってもらえたら嬉しい。これからも彼らのライヴ・レポートを中心に、新作についてバンドについてなど、さまざまなことを訊いてみたいと思う。そして興味を持った方は、ぜひ一度ライヴに足を運んでみてほしい。(鶯巣大介)

カイモクジショウ 1stAlbum『JIDOU』Trailer BUSKET ver.

http://youtu.be/uRlZIzLaNWg

・カイモクジショウの「封」フル試聴はこちらから
http://ototoy.jp/_/default/p/45735

・カイモクジショウ オフィシャル・サイト
http://kaimokujisho.com/

・ライヴ・スケジュール
10月3日(金)HEAVEN’S DOOR Sangendyaya
10月4日(土)LiveFreak Shinjuku
10月26日(日)GARRET Udagawa
10月29日(水) HEAVEN’S DOOR Sangendyaya

11月14日(金) Outbreak! Yotsuya (1MAN Live)
11月19日(水) GOLDENPIGS BLACK STAGE Niigata
11月23日(日)FANDANGO Juso
11月28日(金) BABEL Tachikawa
11月29日(土) VAROCK Kiryu

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