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頭のつぶれたネジを簡単に外せる工具「ネジザウルス」 開発元が開発と営業の要員を募集中

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「日本のモノづくり中小企業」を紹介する連載の第3回で紹介するのは、ニッパーやドライバー、計測機器や光学機器など1000を超える作業工具を開発する大阪のメーカー、株式会社エンジニアだ。

現在の主力商品は、錆びたネジや頭のつぶれたネジを簡単に外せる「ネジザウルス」。ペンチに似たプライヤー型をしており、特許を取得したオリジナルの専用工具のため類似製品はなく、国内外のシェア率はほぼ100%だという。
顧客カードの山から「大ヒットのタネ」を発見

一般的なプライヤー工具には、ネジをつかむ部分にヨコの溝が入っているが、ネジザウルスにはタテに溝が入っているのが特徴だ。ヨコ溝だと滑ってしまうネジの頭も、タテ溝だとガッチリとつかむことができる。

タテ溝のアイデア自体は昔からあったが、回すときにネジ頭にかかる力が弱くなる欠点があった。そこで同社がタテ溝に角度を設けたところ、高い摩擦力でネジを確実に回すことが可能になった。この技術で国際特許も取得している。

シリーズの4代目にあたる「ネジザウルスGT」は、国内ではグッドデザイン賞、海外では世界的権威の工業デザイン賞iF product design awardを受賞している。

この商品が開発された2009年は、前年のリーマンショックの影響で売上が落ち込み、社員に満額の賞与が出せなかった時期だった。苦境を打開する新商品の開発に乗り出したとき、注目したのが過去のネジザウルス3機種に付けていた「愛用者カード」だった。

1000枚を超えるカードの山の中に、「頭の低いトラスネジも外せるようにしてほしい」という要望が7枚あった。これを見た開発者は「隠れたニーズにこそサプライズがあるのでは?」と、新製品でこの要望に応えることにした。

あわせて、それまで要望の多かったグリップやバネ、カッターを付けるなどの改良も実施した結果、ネジザウルスGTは一般的なヒット商品の20倍となる大ヒット商品となった。いまではシリーズ累計で200万本超を売り上げている。
新入社員は「チャレンジ精神に惚れた」

ネジザウルスGTがヒットした理由を考えた高崎充弘社長は、この製品がマーケティングで顧客のニーズを掴み、特許(パテント)を取得し、デザインに力を入れ、適切なプロモーションを行ったからではないかと考えた。

そして、それぞれの要素の頭文字を取って「MPDP理論」を体系化。この理論を初めて応用し2010年に開発した「鉄腕ハサミGT」もヒット商品となった。

現在では、人材育成と知的財産活用戦略の側面から、国家資格である「知的財産管理技能士」を従業員が取得することをバックアップしており、会社が受験費用を全額負担する。現在は従業員30名中12名が保有しており、過半数を資格保有者にすることが目標だ。

同社には、高崎氏の講演をきっかけに入社する社員も少なくない。2014年入社の福田真優さんは、大学時代に工業デザインを専攻。ゼミで高崎氏の話を聴いて同社でアルバイトを始め、いまでは社員として新製品の開発・設計・デザインに携わっている。入社に至った決め手について、福田さんはこう明かしている。

「中小企業でデザインの本腰を入れる企業が少ない中で、デザインを取り入れ企業力をさらに高めていこうというチャレンジ精神に惚れました」

ネジザウルスGTのプロジェクトには、随所に遊び心が見られる。製品が恐竜に見えるよう、わざわざレーザーで「目」のような飾りを入れた。若手社員も加わりネジザウルスを元にしたキャラクター「ウルスくん」を作り、「ゆるキャラグランプリ」にも出場している。
営業希望なら「MPDP理論のマーケティング」を担当

自らブログも執筆する高崎社長は、「日本の中小企業は、技術はあるけれど伝え方が下手。情報発信のツールとして、もっとネットを利用していくべき」という。欧州の中堅企業のようにグローバルなブランドを確立することを目指し、YouTubeには「ウルスくん」を用いたPR動画を、英・仏・独・西語の翻訳付きでアップしている。

ネジザウルスGTは、DIYが盛んなアメリカやデザイン賞を受賞したドイツでの売上が伸びているが、さらに海外アジアでの市場開拓を視野に、展示会などへの出展を始めている。

海外営業を担当する経験者を募集中で、何らかの強みと協調性がある人材を求める。ただし採用人数などは細かく決まってはおらず「入社は縁だ」と高崎氏は話すが、営業希望者であれば「MPDP理論のマーケティングとプロモーション」を、開発希望者であれば「パテントとデザイン」を担って欲しいということだ。

特に工具好きの人を歓迎する。新卒・中途採用希望者は、本社財務部の那須さん(nasu[アットマーク]engineer.jp)に直接連絡して欲しい。(取材・執筆:早稲田大学大学院ジャーナリズムコース修士2年・林佑香)

※本記事は読者の就職先選びに資する情報として、経済産業省「グローバルニッチトップ企業100選」からキャリコネ編集部が独自に選定した企業を取材したものです。

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