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テレビ東京系で「ブラック化するニッポン」放送 三連休の最終日に気が滅入る事例続出

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2014年9月15日、テレビ東京系で「ブラック化するニッポン~使い捨てられる若者たちを救え!!」という特集番組が放送された。三連休の最終日にもかかわらず、休み明けの勤労意欲を奪うような、気の滅入るケースが紹介されていた。

ブラック企業に悩む入社2年目の男性(25歳)は、都内にいくつもの系列店を構える大手飲食店に、調理場担当の正社員として採用された。寮と食事もついてくるという条件を示され、迷わずに入社を決めた。

しかし入社して初めて、本当の出勤時間は「早朝6時15分」であると聞かされた。1日の来客数は約800人。ランチとディナーのほか、午前と午後合わせて合計600食分の仕出しも作っていたが、調理人は4人しかいなかった。買い出しやまかないづくりなどは、休憩時間にやらされたという。(ライター:okei)
6万円の「固定残業代」で最低賃金下回る

翌日の準備に追われ、帰宅するのは毎日深夜。遅い時では午前2時という日もあったが、タイムカードは21時前半で記録されていた。最初は先輩が帰るときに「うちは残業代ないから」と勝手に押して帰ってしまうのだという。

たとえタイムカードに記載があっても、その残業代は支払われていない。自分でつけていた退職時間をもとに算出すると、1カ月の残業時間は150時間にも及んでいた。

さらに入社数日後、「年収見込通知書」にサインを求められた。そこには給料の1か月分の額面の下に、6万円ほどの「固定残業代」という項目が記されていた。時給は実質的に、最低賃金を下回っていた。

「固定残業代」とは、あらかじめ毎月の残業代を決めておくことで集計がラクという事務処理上の都合だけでなく、「固定額でいくらでも働かせられる」という会社側の思惑がある。男性は、「(サインしなければ)クビでしょうね。そういう決まりですから」と言われ、結局サインせざるを得なかったという。

この男性は、早朝から深夜まで働かされたうえ、上司からのパワハラを受け続けた挙句、ついに仕事帰りに倒れて救急車で運ばれた。「過重労働によるうつ病と椎間板ヘルニア」と診断されたが、上司には「忙しい時に迷惑だ」と言われた。
働いている人から聞きたい「正直なナマの声」

現在は休職扱いになっているが、今後は別の職場を探す予定だ。こんな職場をなぜすぐに辞めなかったのか。男性は次のようにその理由を語った。

「職場では、辞めていく人間を『人間的におかしい』と、十何時間も悪口を聞かされ続けていた。おかしいと思う自分が、おかしいと思わされていく」

番組に出演していた本村健太郎弁護士は、こういった会社に入らないようにするために、「その企業で働いていたり、働いている人から正直なナマの声が聞ければ一番いい」と話す。しかし実際には、なかなかそういう人とは出会えず、情報がないまま入社してから騙されたと気づくケースがすごく多いという。

社会経験の少ない若者たちは、働くためには劣悪な環境でも仕方がないと考えがちだが、そうなれば企業側の思うツボだ。先の飲食店勤務の男性は、幸いにして実際の労働時間を毎日記録したり、パワハラの証拠となる録音を行ったりして戦える材料を揃えておくなど、自分を守るための行動を取っていた。

これを基に弁護士やNPOスタッフと相談を重ね、うつ病とヘルニアの労災申請をして、その後は民事訴訟という形で会社に不払い賃金や慰謝料の請求を行っていく方針だという。

もちろん、飲食店勤務の経験のある人たちからは、「覚悟が足りない、辛抱が足りない」「自分が独立するまでの修行の場だろ」「その程度では甘いし、手に職もつけられない」といった反論もあるだろう。「自分のときはそんなもんじゃなかった」と言うかもしれない。

しかし、仕事の厳しさと「悪質なブラックさ」というのは分けて考えるべきだ。健全な労働環境の下で仕事が身につくのが理想であり、それを諦めなければならない理由はない。
「正社員」という肩書きが労働契約をあいまいに

このほか番組では、ある建築関係の会社に就職した女性が、27歳でやっと正社員なれたものの、監視カメラで職場を常時監視され、同期入社の人と連絡先を交換することもできず、やはり残業代が支払われないケースが紹介された。

前出の飲食店もそうだが、正社員という肩書きでは労働契約がかえっておろそかにされやすいこともあると感じた。

ただ、国もブラック企業を取り締まるべく動いている。番組では、労働基準監督署の「労働Gメン」と呼ばれる監督官が、通報や相談を元にタイムカードなどの情報を洗い出し、問題をとされれば是正勧告がなされる様子が紹介されていた。

それでも、ブラック企業の数は減らないのが現状だ。いまは相談窓口やネットの口コミ情報などもあるので、ブラック企業の被害にあっても泣き寝入りせず、しかるべきところに告発をしながら前向きに次の職場を探してもらいたいと思った。

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