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女子一人でもここまでできる! プロと楽しむDIYの現場に潜入

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賃貸でもDIY(Do It Yourself)で自分好みにカスタマイズできる物件が増えている。工賃が安く済む、自分のこだわりを自由に表現できるなど、メリットも多いDIY。でも、DIYに挑戦したくても、DIYって面倒、難しそう、何から始めればいいのか分からない、と思っている人は多いのでは? そこでプロが傍らでサポートしてくれるサービスを利用してDIYが楽しくできたという現場を取材した。したい暮らしを叶えるDIY。それを支えるプロの技

初夏の2カ月間、築40年を超える賃貸マンションの一室をDIYするワークショップが開催された。主催は、改修後の入居者(30代女性)。工務店に一切の工事を任せるよりも、「自分が住む家の改修には少しでも関わりたい」との気持ちからDIYでつくり直すことを決断した。ただ、DIYといっても、畳を剥がして床に張り替え、壁紙を張り直し、押入れを壊す、などはとても女子一人ではできるものではない。

そこで登場したのが「自分でつくった愛着のある家で暮らす」をテーマに、ワークショップ形式での家づくりを実践するHandiHouse projectのメンバーだ。HandiHouse projectは、建築や建設の経験をもった30歳前後の男性5人で構成されたチーム。それぞれ、独立した製作所やスタジオを構える傍ら、一つのプロジェクトチームとして活動している。施主自らが家づくりの工程に関われるように、施主の希望や経験値を見ながら工事に携わる機会を提供する姿勢が人気を呼び、関東各地を飛び回る日々を送っている多忙なチームだ。

HandiHouse projectの中田さんの「始めます!」とのかけ声が響き、ワークショップに集った施主(借主)の友人10名弱が一斉に動き出した。ぼろぼろの畳を剝がし、壁紙を自由に剝いでいく。窓を取り外し、長年の塵を雑巾で拭う。最初はこわごわ指示をあおぎながら動いていた参加者も、30分も経つと「面白い!」との声があがり、自由に動きだす。「こんな風になってるんだー」と、興味津々で家をスケルトンの状態にまで戻していく。

初回ワークショップの一番のヤマは押入れを壊すこと。押入れの壁に杭を打ち込み、壁を壊していく。少しでも広い空間を確保するため、不要な押入れは取り払うことにしたのだ。「ここで構造と接着しているから、その近くに杭を打ち込んで…」と、プロの中田さんの細やかな指示に沿って施主が動く。二人で力を合わせて壁が落ちた瞬間には歓声があがった。

【画像1】「せーの!」のかけ声で壁を落とす施主と中田さん。テコの指しポイントなど知らない技術を学びながらの工事(写真撮影:藤本和成)

集まったのは素人ばかりだが、それなりの人数がいると、思った以上の早さで工事は進む。あっという間に畳の下の基礎は打ち直され、壁も皆の力で真っ白に塗り直された。数回のワークショップを経て、部屋は当初の状態を思い出せないほどに見違えた。最後のワークショップでは床張りを実施することに。「床張りは難しいと思って敬遠しがちですが、一度でも試してみるとその思いは変わります」(中田さん)と言うだけあって、床を張り終えるとグンと部屋らしさが増す。

【画像2】床フローリング張り。接着剤を塗った床にフローリング材を敷き、隙間が出来ないように横から叩く。想像した以上に単純な作業である分、精密さが問われる作業だ(写真撮影:小野有理)

【画像3】当日の成果「押入れ撤去後のブロック塀」と記念撮影。過程の思い出を残しながら住むと、部屋への愛着が増す(写真撮影:小野有理)

ワークショップに参加したメンバーに、参加のきっかけを聞いてみると「家を変えることに携わってみたかった。今の家か、いずれ引越ししたときにカスタマイズしてみたい」との答えが多い。今の暮らしを少しでも心地よくするため、自分でできることは自分でマスターしておきたいとの気持ちが強いようだ。「大学では住宅より大きな建物の構造を学ぶことがメイン。自分の家の床や窓がどうなっているか、実は知らなかったりする」との思いから、今回のワークショップに参加した建築学を学ぶ学生もいた。

【画像4】工事の前には屋上でラジオ体操。気持ちが引き締まる。中田さん曰く「どの現場でも必ずラジオ体操をやります」とのこと(写真撮影:小野有理)

【画像5】仕上げ行程に集まったメンバーたち。各自、持参した作業着を着て始まりのかけ声。部活動のようなノリでなかなかに楽しい(写真撮影:小野有理)自分で家をつくると、愛着が生まれ大切にする

HandiHouse projectの合言葉は「妄想から打ち上げまで」。夢を描くスタート時から竣工後の打ち上げまで、施主の傍らに立ってサポートする。今回も、施主の「こんな部屋にしたい」との夢に、実際の部屋を見ながら「できる・できない」を判断し、「スムーズにするには」「費用を下げるには」とアドバイスからスタート。工事が始まると、施主が「やってみたい!」と手を挙げた工事は、可能な限り施主と一緒に施工する。そして、頼まれれば、施主の友人も巻き込んだワークショップの講師にもなる。最後の引き渡しまで一貫して、担当が変わらないことも特長だ。

彼らの施主との向き合い方は、業界のなかでは画期的だ。一般的な部屋の改修(建設)工事は、大きく分けて二つに流れが分かれている。施主が暮らしの希望を伝えるのは営業担当者や設計者で、その後の工事は建設会社や工務店が行う。いざ工事が始まると、素人である施主が工事現場に立ち入ることは難しく、実際に家づくりに携わる人間と施主の関係は断絶している。施主から見ると、自分が実際に住む家の工事現場は、「部外者」として見るほか無い。

HandiHouse projectは、家ができるまでのプロセス全てに施主を参加させ、「主役」にする。そして、施主と一緒になって自分たちもとことん楽しむ。それこそが「家への愛着」を深めるきっかけとなる。人は、完成までのプロセスに関わるほど、対象に愛着をもち、大切に扱うようになる。家ができあがるプロセスから施主を排除しない。簡単なように思えて、今の住宅業界が回る仕組みのなかでは、なかなか難しいことだったりもする。やってみたい、をサポートできるシステムが必要

国交省は今年の3月に「借主負担DIY型」という新しい指針を提示した。相場よりも安く賃料設定された部屋で、借主は自己負担で修繕や模様替えを行うことができ、退去時には原状回復義務を負わない、新しい形の賃貸契約だ。既に一部では「DIY可能」な物件も増えてきたが、この指針により更に増えると考えられる。

しかし、程度によってはいくら自分で試してみたいと思っても、素人なので何から始めていいのか分からない工事も多いはずだ。HandiHouse projectのように、ちょっとした工事でも相談・依頼でき、DIYの伴走もしてくれるプロがより必要となってくる。リクルート住まいカンパニーの調査(今年4月)で、賃貸居住者の約2割が「部屋のカスタマイズ・リフォームをやってみたいと思ったが諦めたことがある」(http://www.recruit-sumai.co.jp/press/140623_chintai-DIY.pdf)と答えたことからも分かるように、部屋を変えたいという潜在ニーズは確実にある。今回の事例のように、プロに楽しく教えてもらいつつDIYできる世界になればと思う。

【画像6】工事現場を見学に来た隣室の内見者に、改修プランを説明する施主。部屋をこんな風にカスタマイズできるなら!とその場で、彼らの引越しが決定した。人が人を呼ぶ瞬間(写真撮影:小野有理)●HandiHouse project
HP:http://handihouse-project.jp/about/
●『住人の「好き」を大切にしたら、長く愛される家になった』
HP:http://suumo.jp/journal/2014/09/05/68770/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/09/01/68444/

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