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「会社を8日で辞めました」 新人女子社員に降りかかった「過酷すぎるセクハラ攻撃」

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4月も半分が過ぎ、そろそろ「自分が入ったのはブラック企業だった!」と気づく新入社員もいるかもしれない。いまはフリーライターとして活動している小林リズムさん(23)も、1年前はそんな若者のひとりだった。

内定をもらった直後は、「ここに入れてホントに良かった」と思っていた。しかし新人研修が始まって分かったのは、そこが社会の常識の通用しないトンデモない世界だったことだ。
「会社の期待の星」と胸膨らませたのも束の間…

「正社員こそ正義だと思っていました。早く『新卒レア切符』を使って、正社員にならなきゃ!と思っていたんです」

小林さんは、キャリコネ編集部の取材にこう話す。3年の秋になって周囲がどんどん就職を決めていく様子を見ても、なぜか就活する意欲が沸かなかった。なんとなく、バイト先の編プロが雇ってくれるような気もしていた。

そんなアテも外れ、ようやく新卒という一度しか使えない「レアな切符」を使って正社員になろうと決めたのは、大学4年の1月になってからだった。

それから「極寒のなか、やめてやると何度も思った」という短い就活を経て、志望する広告会社の内定をゲット。黒字経営、右肩上がりのベンチャー企業の新卒1期生。月給25万円+インセンティブと、条件も悪くなかった。

「この会社の条件だったら、プライベートと仕事を充実させるのも夢じゃないはず――。仕事に打ち込み、アフターシックスは恋人(つくる予定)とデートする……」

そんな妄想も、2月の入社前研修から雲行きが怪しくなる。朝礼前に部屋をのぞくと、社員全員が代表を囲んで立っていた。代表は「お前も発達障害や」「この会社から出たら破滅するで!」と怒号を飛ばしていた。

一方で代表は新入社員には優しく、「この会社を変えていけるんは、お前らだけや」としきりにおだててくる。リズムさんも「私はこの会社の期待の星なんだ」と自分に言い聞かせていた。
代表が「お前らをヤリ捨てしたい」と絶叫

疑念が確信に変わったのは4月1日、正社員になったときだった。研修中の始業時間は8時半だったが、代表は突然「朝6時半に来てもらおうと思うとる」と言い放った。

始業時間までは「真理を学ぶための講義」の時間だという。しかし、代表が語る真理とは「男は穴に入れることしか考えてへん」という、仕事と何の関係があるのか分からないエロネタだった。

「お前たちは全員エロいんや」
「男が結婚するのは、穴に入れる相手と、家事するやつが欲しいだけや」
「要は精子をばらまきたいと思っとるんや」
「ワシはお前らを片っ端からヤリ捨てしたいんや!」

代表は唾を飛ばして絶叫し、社員はそれを黙って聞いて「代表の言われることは正しいです」と答えさせられる。これが毎日続く。少しでも口ごたえと取られると、「お前は破滅するで!」「地獄に落ちるで!」と真っ赤になって叱責された。

代表の浮気のススメを否定しただけで、40代の先輩女性社員から呼び出され、「代表に対して失礼な発言をしているよね」と冷たく睨みつけられた。

この会社はヤバい。そう思った小林さんがついに取った行動とは…。それをまとめたのが、「どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった8日で辞めた話」(リンダブックス)である。
「生き方って、ひとつじゃないんだ」と気づく
通称「辞め8」

著書では、このセクハラ講義の様子や周囲を取り巻く人々の、異常とも思える行動が克明に描かれている。小林さんは正社員生活を振り返って、気づいたことがあるという。

「私はすごい他力本願でした。誰かが、会社がなんとかしてくれるだろう、みたいな。結局、ホントはぜんぶ自己責任なんですよね」

会社に入ったのも、その会社を8日で辞めたのも、その後の生活も、すべて自分が選んだことだ。しかし、その「地獄」のような会社から抜けだしてみて、こう思えたのだ。

「生き方とかって、ひとつじゃないんだな、と気づきました。就活は『これが幸せだ』というテンプレートに、自分を無理やり押し込めていく作業だったので、当時は疑問を感じなかったのですが…」

小林さんは会社を辞めたあと、たくさんの「夢を追っている系の若者」に出会った。いつか起業をする、アイドルになる、俳優を目指す…。そういう人たちと接しているうちに、無職になったくらい、何てことないということに気づいた。

退職後は派遣会社に登録しにいって「君はただの負け犬だ」と蔑まれたり、場末のスナックの体験入店でみじめな目にもあった。しかし、いまはアルバイトで食いつなぎながら「まぁ、なんとかなります」と気楽に生きているという。

「人生って、みんな死ぬっていうオチがついているでしょう? そのオチを面白くするための壮大なネタづくりだと思って、日々楽しく生きていくことにしています」

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