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日本人は「ギャンブル依存症」になりやすい?

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数字上は突出している日本人の「ギャンブル依存症」の割合

日本人の各種依存について調査している厚生労働省の研究班が、日本の成人の「ギャンブル依存」の割合が国際的に見て極めて高いとの結果を発表しました。この結果は、現在、政府が進めているカジノ解禁の是非にも引用されるなど政治的な波紋も呼んでいます。

調査結果によると、日本人の成人に占める「ギャンブル依存症」の割合が4.8%であるのに対し、フランスでは1.2%、米国(ルイジアナ州)では1.6%、韓国では0.8%などであり、数字上は確かに日本は突出しているといえます。

国際比較研究では、社会の価値観や文化が少なからず影響する

しかしながら、国際比較研究において常に考慮する必要があるのは、質問そのものを正確に翻訳し実施しても、反応において、必ずしも同じように受け取られるとは限らないということです。つまり、回答においては、その人のいる社会の価値観や文化が少なからず影響するということです。

たとえば、この調査の場合、(ギャンブルについて)「罪悪感を感じたことがある」が一つの質問項目となっていますが、ギャンブルを「悪」と考える文化の中では、当然罪悪感を持つ人が増えるといえます。ちなみに日本語では、一般的にギャンブルは「賭博」や「ばくち」と訳されていますが、それは明らかに否定的な意味を持っています。したがって、日本人はギャンブルに対して強い罪悪感を持ってしまうことは十分考えられます。その背景には、その時その時の権力者が富を独占しようとして公認以外のものを違法・犯罪とみなしてきたことも考えられるでしょう。しかしながら、英語のギャンブルの語源は「ゲーム」から来ているとされるように、ギャンブルに対して許容的な文化もあります。

薬物依存やインターネット依存こそ、今すぐ取り組むべき課題

また、精神医学の分野でも、ギャンブルそのものは異常とはとらえていません。国際的な2大診断基準であるDSM5(米国精神医学会)でもICD9(WHO)でも、「抑制できずに日常生活に大きく支障をもたらすギャンブル行為」だけを病的で異常と考えています。そして、最近、日本各地で公営競馬・競輪の廃止が続き、麻雀やパチンコも一時ほどの人気がないという現状を見れば、実態は日本人のギャンブル熱は冷めつつあるのではないかと思います。

このように、依存として社会の文化や価値観と深く結びつき、個人の資質の問題だけには還元できないギャンブル依存よりも、今すぐ取り組むべきなのは、危険ドラッグの蔓延に見られる薬物依存や、インターネット依存だと考えます。

幸いなことに、これらの依存は日本は諸外国に比べまだかなり低い段階にありますが、今回の調査でもインターネット依存は前回調査(2008年)に比べて約1.5倍に増えていることが指摘されています。社会的な施策として優先順位として今手を付けるべきはこれらの課題と考えます。

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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