体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

ものづくりで被災地の産業をつむぐ、陸前高田発「KUMIKI プロジェクト」が始動

ものづくりで被災地の産業をつむぐ、陸前高田発「KUMIKI プロジェクト」が始動

玩具のブロックを組み立てるように、木と木を組み合わせてつくる。そんな家具が評判を呼んでいる「KUMIKI(組み木)」と銘打たれたそのプロジェクトの仕掛け人は、岩手県陸前高田市に拠点を置く株式会社紬(つむぎ)の桑原憂貴さん。東北の山から切り出した国産杉を使い、被災地でつくる「KUMIKI」のプロダクトで、復興の地に新たな活力を生み出そうと模索している。
ものづくりを通じて地元の産業や絆をつむぐ、プロジェクトの展望を取材した。組み立て、組み換える。まったく新しい家具キット

「KUMIKI」は、既製品にはない“つくる楽しみ”が味わえる組み立て式の家具キットだ。あらかじめちょうどいいサイズにカットされた木材パーツ同士をはめ込むだけなので、DIYの心得がなくても簡単に組み立てられる。今年6月にモニター販売した製品第一弾のローテーブル(1万9800円)と、スツール(1万6500円)は完売(現在は数量限定で予約販売中)。いずれもシンプルで飽きのこないデザインがウケている。

ものづくりで被災地の産業をつむぐ、陸前高田発「KUMIKI プロジェクト」が始動

【画像1】KUMIKIローテーブル(1万5000円 ※送料込・税別)。凹凸になったジョイントをはめ込むだけでOK。特別な工具も不要で簡単につくれる(画像提供:株式会社紬)

「各パーツにはある程度の汎用性を持たせているので、将来的には組みかえることで別の家具にリメイクすることも可能です。例えば、スツールの天板を長い板に交換すれば子ども用の小さな机にもなります。
現在はシンプルなアイテムのみですが、今後はデザインのバリエーションも増やしていく予定。ゆくゆくは、例えば『ベビーベッド』から『お絵かき机』や『勉強机』にリメイクできるような、“子どもの成長に合わせて組み変えられる”製品も展開していきたいですね。組み換え用のパーツ類や、組み換えの事例を紹介するレシピみたいなものも提案していくつもりです」(桑原さん)

不要になったら捨てるのではなく、組み換えて、あるいはパーツを継ぎ足して使い続ける。傷がついても自分で修繕する。家族の歴史とともに変化しながら時を重ねる家具は、モノを大切に使うことの尊さを改めて思い出させてくれる。

ものづくりで被災地の産業をつむぐ、陸前高田発「KUMIKI プロジェクト」が始動

【画像2】木のしつらえを活かしたシンプルなスツール(1万3000円 ※送料込・税別)。接着剤を使わないため、パーツを組みかえて他の家具に変形することもできる(画像提供:株式会社紬)

今後はベッドなどの大型家具、さらにはリビングの枠を超え「小屋」や「スモールハウス」といった“建物”もラインナップに加えていく予定だという。

「じつは被災地には、KUMIKIの仕組みを使った集会所がすでに建っています。昨年6月には陸前高田市に、今年2月には石巻市に、地元住民にご参加いただきみんなでつくり上げたものです。基本的には基礎の上から木材ブロックを積み上げるだけなので、特別な技術は必要ありません。組み上げた後は外から防腐塗料を塗れば完成です。この仕組みをさらにブラッシュアップし、いずれは自分で組み立てられる『DIY型スモールハウス』のキットをつくりたいと思っています。法律や安全性など越えるべき壁は多々ありますが、最終的にはハンマーが一本あれば誰でもつくれるものを目指したいですね」

ものづくりで被災地の産業をつむぐ、陸前高田発「KUMIKI プロジェクト」が始動
1 2次のページ
SUUMOジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。