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「もう二度と来ない!」と帰るクレーマー 実は「ツンデレ?」だったという話

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「もう二度と来ない!」と帰るクレーマー 実は「ツンデレ?」だったという話

ビジネスホテルには、本当に様々なお客様がいらっしゃいます。中には、少しクセがあり、「苦手だな」と感じてしまうお客様もいらっしゃいます。

そんな中、最初は苦手意識を抱いていたものの、最終的にはとても仲良くなることができたお客様の話を、今日はしたいと思います。名前はNさん。見た目は普通のビジネスマンでしたが、スタッフの間では有名な常連プチクレーマーでした。(ユズモト)

「自腹」を切って泊まり続けるのを見て
(イラスト:ユズモト)

Nさんは怒鳴り散らすわけではないのですが、宿泊する度に「チェックインがモタモタしている」「部屋が狭い」など、愚痴のようなことを言ってきます。そして、チェックアウトする時にはいつも「こんなホテルもう二度と来ない」と言い残して帰っていかれるのです。

それでもなぜか月に2~3回はいらっしゃる常連のお客様だったので、いやでも関わる頻度も高く、Nさんに苦手意識を持っているホテルスタッフは沢山いました。

正直、私も最初はNさんが本当に苦手でした。精一杯心をこめて対応しても、いつも何かしら文句をつけられる。正直、どう対応すれば良いのか分からない。失礼な話ですが、

「本当にもう二度と来なくていいのに…」

そう思っていました。しかし、ある時、私はあることに気付いたのです。

Nさんは、お仕事の出張でうちのホテルを利用していたのですが、「会社から出るのは8000円までだから」という理由で、たとえ9500円で宿泊しても、8000円分だけ領収書を出させて、残りの1500円は自腹を切っていました。

ということは、実は、Nさんはうちのホテルが好きなんじゃないか。毎回何かしら文句は言ってくるが、何だかんだでいつも利用してくれる。周りには8000円以内で泊まれるビジネスホテルも沢山あるのに…。

うちのホテルが好きだからこそ、細かいところまで気になって指摘してしまうのではないか。もしくは、少し古い言葉になりますが、いわゆる「ツンデレ」なのではないか。

「相手に歩み寄ろう」という姿勢が功を奏する

そのことに気付いてからは、私はNさんが何だか大好きになりました。そしてその気持ちは、接客態度にも顕著に表れました。

Nさんがフロントに何か言いに来られた際には、どのスタッフよりも真っ先に対応しにいくようになったのです。チェックアウトの際に「もう二度と来たくない」と言われても、

「でも、私はまたお会いできる日を楽しみにしています!」

と笑顔で返せるようにもなりました。

Nさんも、そんな私の変化を読み取って下さったようで、フロントに文句を言いに来る回数が徐々に減り、その代わり「今日は仕事大変だったよー」などと雑談をしに来る回数が増えました。

そしてその何か月後かに、私が別の事業所に転勤になった際には、他のどの常連のお客様よりも寂しがってくれたのです。

私がもし「Nさんは嫌いだ」という気持ちを持ち続けていたら、Nさんとこんなに良い関係を築くことはできなかったでしょう。相手を理解しよう、歩み寄ろうとすることの大切さを、私はNさんに教えてもらいました。

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【プロフィール】ユズモト
20代半ばの現役OL。就活中に内定をもらったブラック企業に入るのがどうしてもイヤで、何の予備知識もない「ビジネスホテル業界」に新卒で飛び込む。社会人1年目から日本各地を転々とし、接客から営業、経理、調理まで、さまざまな業務を経験する。その後、一般企業に転職し、初めて描いたマンガを2ちゃんねる「ホテルの裏側(?)のマンガかいてみたwww」にアップして一躍時の人に。

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