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ローソン、病院、タクシー運転手も… 激戦区で生き残り図る「接客革命」

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いまコンビニ大手のローソンでは、コーヒーの知識や接客マナーなどの厳しい社内試験に合格した「ファンタジスタ」なる人たちが活躍している。ファンタジスタ店員がいる店舗では、リピーターも増えて売り上げが大きく増すという。

2014年7月22日の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)は、ローソンはじめ病院やタクシー業界など、いままであまり接客に力を入れてこなかった業種が、差別化を図るため接客を強化する現場を紹介していた。

「自動販売機の管理人」を脱却し笑顔
(画像はイメージ)

今年5月にローソンの社長に就任した玉塚元一氏が、副社長時代に仕掛けたのが「ファンタジスタ制度」。接客をもう一段レベルアップすることで、乱立するコンビニの中で勝ち上がっていくねらいだ。

今までは本社からの基本マニュアルだけだった接客方法も、各店舗での創意工夫を促している。玉塚社長は、その背景をこう語る。

「『笑顔でお客様を迎えよう』といくら言っても、短期的には効くかもしれないけれど、いかにオーナーや店長やクルーみんなが主体的にそれに取り組むか。『真のお客様視点』というのを、企業そして各エリアに根付かせていこうと」

さっそくある店舗では、明るい店舗づくりのため、黄色と白の風船で装飾したり、試食を行ったりしていた。お客と目を合わせないなど接客態度が悪かった店舗では、本社からの地域担当がファンタジスタのいる店舗に連れて行き、見学や実地訓練を行っていた。

自らを「非常に大きな自動販売機、そこの管理人に過ぎないと思っていた。誰でもできる店番」と漏らしていた店員も、明るい接客態度やセールスの掛け声などを出すことで、以前より楽しく働いているように見えた。

事務長が医師の「上から目線」に疑問

兵庫県姫路市の広畑センチュリー病院では、正面玄関でスーツ姿の女性コンシェルジュが笑顔で出迎える。「保険証をお預かりしてよろしいでしょうか」とあくまで丁寧な言葉づかいで、外来患者の代わりに受付をしてくれる。

予約を徹底し、待ち時間は平均7分。入院患者には買い物を無料で代行し、誕生日には手作りケーキでお祝いしてくれる。こうした接客サービスを推進するのは、父親から病院を引き継いだ事務長の石橋正子さん。幼いころから病院で医師たちの態度をみるにつけ、ある思いを抱き続けてきた。

「お医者さんというのは上から目線で、『患者は自分についてきて当たり前』という体質。患者の病気は診ているけど、気持ちとか患者自体を診ているのかというと、そうではないのかしらと思う」

医者や看護師を含む全職員が、接客や身だしなみ、言葉遣いなどの訓練を受け、外資系ホテルでの3日間の研修に参加する。

本格的なホテルマンの厳しい研修で、正直、医師や薬剤師がここまでの訓練を受けさせられて不満ではないのかと思うが、この研修に参加した女性医師は、「医者と患者の関係という今までの(遠い)イメージを縮めていけるのではないか」と語る。

ベテランドライバーが「観光案内」

神戸市にある近畿タクシーは、「神戸スイーツタクシー」「神戸ビーフタクシー」など30種、時間制の貸し切りで神戸の観光地や名店をテーマごとに巡る。ドライバーは事前に様々な店の情報を頭に入れておき、乗客の要望に応えて各店に案内するのだ。

森崎社長は生き残りをかけて、このサービスを考案した。同じ営業エリアに103社のタクシー会社がある激戦区。なのに、ドライバーの平均年齢は65歳以上と高齢で、稼ぎ時の夜6時半にはほとんどの運転手が帰宅してしまう。売り上げは最盛期の半分だ。

「流しをやっている方が精神的には楽」

と、とまどいを見せていたドライバーの戸川さん(60)は、新企画の「ブレッドタクシー」を初めて任された。パン屋をめぐり試食だけでなく、写真を撮ったり手製のイラストで案内書を手作りしたりと、徐々に楽しそうな様子に変わってきた。案内後には、「おもてなしのできるドライバーになっていきたい」と今後の展望を語っていた。

これが売り上げにつながり成果が出れば、接客を頑張った人にも給与面でちゃんと還元されるのだろうか。企業が生き残り成長しつつ、従業員も潤うというのが理想だと思うが…。ともあれ手厚い接客を改めて学ぶうちに、多くの働く人たちが自分も楽しくなり、やりがいを見出していったように見えたのは確かだ。(ライター:okei)

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カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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