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「岩盤規制」は新たなビジネスチャンスの宝庫[連載:岩盤規制(2)]

役人の掟

「岩盤規制」は新たなビジネスチャンスの宝庫

 農業、医療、福祉、教育、エネルギーなど、さまざまな分野の「岩盤規制」で、「特定利権」の利益が守られ、一方、多くの「消費者」の利益が害されている……ということを前回の記事でお話ししました。

 例えば、参入規制によって新たな事業者の参入が抑制されれば、すでに参入している事業者(既得権者)は、新規参入による競争に直面することなく、ビジネスを続けることができます。競争がなければ、事業者が値段をつりあげたり、商品・サービスの質を低下させたりといったことが起きても、消費者には選択の余地がありません。このため、消費者の利益が害されるのです。

 これは、別の見方をすれば、新たなビジネスチャンスが害されている、ということでもあります。

 新たな事業者が、独自のアイディアや技術を持ち込んで、参入する可能性が奪われているのです。

 日本では新規開業が少ない、と指摘されることがあります。

 たしかに、OECDの”Measuring Innovation”というレポートで、2000-2007年の開業率(新規開業した企業数÷企業総数)の国際比較がなされているのをみれば、

・主要先進国の開業率は、概ね10~15%程度であるのに対し、
・我が国は約4%で、比較されている各国の中で最下位です。
http://www.oecd.org/site/innovationstrategy/45188031.pdf [リンク]

 なぜ日本では、新規開業がこんなに少ないのでしょうか?
 「日本人は安定志向でベンチャー精神に乏しい」といったことが言われることもあります。たしかに、一面で正しいかもしれません。しばらく前にホリエモンが登場した頃、伝統的日本社会になじまない異人種のように扱われたのも、その表れだったでしょう。
しかし、これが日本人の伝統的気質であるかのように説明するのは、大きな間違いです。

 例えば、昭和初期には、松下電器(昭和10年創業)、トヨタ自動車(昭和12年創業)、ブリジストン(昭和6年創業)など、のちの世界的な大企業が次々に創業されました。また、戦後も、ソニー(昭和21年創業)、本田技研(昭和23年創業)などが創業されました。

 決して、日本人が伝統的にベンチャー精神を持っていなかったわけではありません。

 それでは、なぜ最近になって、ベンチャー精神が乏しくなったのか……というと、大きな理由は「岩盤規制」の存在だと思います。

 「岩盤規制」のある分野は、ベンチャー精神のある人にとっては、ちょっと垣間見るだけでも、大きなチャンスと映るはずです。なぜなら、限られた既得権業者が、新たな工夫を施すこともなく、昔ながらのやり方でビジネスを続けているからです。「こんな工夫をしたら、大きなチャンスがあるはずだ」といったことを考えついた人は、決して少なくなかったと思います。

しかし、そういう人たちはどうなったでしょうか? 結局、「岩盤規制」によって行く手を阻まれ、撤退を与儀なくされてきたのです。

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記者:

株式会社政策工房代表取締役、特定非営利活動法人「万年野党」理事。

ウェブサイト: http://yatoojp.com/

TwitterID: HaraEiji

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