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シューカツで企業が掲げる「求める人物像」は無視していい理由

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「発想力があって、責任感があって、目標達成能力が高くて、コミュニケーション能力もあって、志も高く持ち続ける…」

企業の採用サイトやナビサイトの「求める人物像」には、このようなハイスペックな言葉が並んでいることも少なくありません。社会人ならこれを読みながら「そんな会社員、滅多にいないぞ」と苦笑することでしょう。

しかし就活生の中には、素直過ぎるがゆえに「そこまでならなきゃ社会人になれないのか…」と思い悩んでしまう人もいるようです。ご安心ください。ここに書かれていることは、あっさり無視して全く問題ありません。(河合浩司)

そもそも意味はなく「媚びすぎる」のは逆効果
こんな人材いるのかよっ!

採用担当者の本音ですが、「求める人物像」通りの人に会えるなんて思っていません。サイトに人物像を書くスペースがあるから書いている程度ですから、重要度は低いものなのです。

しかし、就活生の中には「自分を求める人物像に近づけなくては内定が出ない!」と焦る人がいます。こうなると、かわいそうなことが起こってきます。その人らしさがどんどん消えていってしまうのです。

例えば、志望企業の採用サイトに「チャレンジャーな人を求む」と書いてあると、チャレンジャーな人に見えそうなエピソードをひねり出したり、ひどい時には創作したりします。こうなると、本来の「その人らしさ」が見えなくなってしまいます。

加えて、面接時にこんな質問をし出すこともあります。

「私は自己分析では、行動的な人間だと出ました。御社のウェブサイトには”チャレンジャーな人を求める”とありましたが、私の理解する行動的とは”挑戦”だと考えています。御社が望む人材とは”行動的な挑戦”と考えてもよろしいのでしょうか?」

あまりにめちゃくちゃ過ぎて意味が分からず、答えるのに困りました……。自己分析を根拠にして求める人材像を確認すること自体がおかしな話ですが、「そこまで媚びてすり寄らなくていいのに」と思わざるをえませんでした。

企業に「様々なタイプの人」が必要

とはいえ、この事態は就活生が一方的に悪いとは思っていません。就活生からすると、「求められているなら、自分をそう演出しなくては!」と考えるのは致し方ありません。

存在すら怪しい「求める人物像」をサイトで公開し、発信している企業側にも明らかに責任があります。また、「求める人物像を明記すると欲しい人材が採用できますよ!」などと喧伝するナビサイト業者も問題です。あのようなスペースは、本来必要ありません。

このように存在もしない人物像を掲げることは、何かと弊害が多いので、弊社では以前から「求める人物像」は採用サイトに掲載をしていません。

企業はチームですから、様々なタイプの人が必要なのです。自分がやりたいことや自分の特徴を活かして、志望企業へのお手伝いの仕方を具体的に考えてください。

挑戦することが好きな人は「入社後、どんな挑戦をして力になりたいのか?」、バックアップが好きな人は「どんなバックアップをして力になりたいのか?」を具体的に考えてください。自分を曲げて、相手の望みだけに合わせ続けるようなことはせず、自然体の自分を貫いてください。

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【プロフィール】河合 浩司(かわい・こうじ)
上場企業のメーカーで人事課長を務める、採用業務15年超のベテラン。学生たちの不安を煽って金を儲ける最近の就活ビジネスを批判し、ペンネームでのツイッター(@k_kouzi7)やウェブコラムを通じて「自然体の就活」を回復するよう呼びかけている。

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