住宅ローン金利、変動型が減少し全期間固定型が増加。その理由は?

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住宅ローン金利、変動型が減少し全期間固定型が増加。その理由は?

【今週の住活トピック】
「2013年度民間住宅ローン利用者の実態調査第3回【民間住宅ローン利用者編】」の結果を公表/住宅金融支援機構
http://www.jhf.go.jp/files/300183105.pdf住宅金融支援機構は、「2013年度民間住宅ローン利用者の実態調査(第3回)」(調査対象期間:2013年11月~2014年2月)の結果を公表した。この調査結果によると、住宅ローンの利用者の選ぶ金利タイプで、変動型が減少し、全期間固定型が増加する傾向が強まっているという。

住宅ローンの金利タイプは、変動型が減少し、全期間固定型が増加銀行などの民間住宅ローンの金利タイプには、市況に応じて金利が変動する「変動型」、3年、5年、10年など当初一定期間、金利を固定する「固定期間選択型」、返済終了まで金利を固定する「全期間固定型」がある。

今回の調査結果では、変動型の利用割合は37.1%と最も多かったものの、2013年度第1回の43.5%、第2回の41.3%と減少傾向が続いている。一方、全期間固定型の利用割合は、31.7%で、逆に2013年第1回の25.4%、第2回の25.3%に比べると大きく増加している。

住宅ローン金利、変動型が減少し全期間固定型が増加。その理由は?

【図1】住宅ローンの金利タイプ(調査回次別構成比の推移)/出典:「2013年度民間住宅ローン利用者の実態調査第3回【民間住宅ローン利用者編】」住宅金融支援機構

この傾向は、民間金融機関の中でも都市銀行・信託銀行で顕著。変動型は前回調査の48.3%から38.4%に減少し、全期間固定型は27.7%から37.1%に増加している。また、借り入れた人の年齢別に見ると、50歳代を除き同様の傾向がみられるが、50歳代については変動型の利用割合が前回調査の33.3%から39.0%に増加し、全期間固定型が36.3%から33.1%に減少している。

住宅ローン金利、変動型が減少し全期間固定型が増加。その理由は?

【図2】住宅ローンの金利タイプ(調査回次別構成比の推移)/出典:「2013年度民間住宅ローン利用者の実態調査第3回【民間住宅ローン利用者編】」住宅金融支援機構

適用金利と今後の金利動向の見方によって選択肢は変わる変動型が減少し、全期間固定型が増加している理由を考えてみよう。
変動型の金利を見ると、多くの金融機関で基準となる店頭金利が2.475%の状態が続いている。この店頭金利から、実際には金利が優遇されることも多く、最大で0.775%にまで下がる。この圧倒的な低金利が変動型の利用割合が最も多い要因になっている。

一方、全期間固定型の代表格は「フラット35」(住宅金融支援機構と民間金融機関との提携ローン)だ。フラット35の金利は金融機関によって異なるが、最近では最低金利が最も多くの金融機関で適用されており、調査対象期間となる2013年11月で1.81%だったものが、12月に1.80%と史上最低金利に並び、2014年2月の1.79%まで史上最低金利が更新されている状況だ。

返済終了まで金利が固定され、ローンの返済額が確定する上に、史上まれにみる低金利という点が大きな魅力になって、全期間固定型が増加していると見てよいだろう。さらには、アベノミクス効果で金利の先高感が強まり、低金利の今のうちに金利を固定するタイプを選ぼうというニーズも強まったと考えられる。

ただし、50代では住宅ローンの返済期間を短く組むことが多く、より低金利な変動型を短めに組むことで、元金を早く減らそうというニーズもあったものと推察される。金利は元金に対してかかるので、元金が早く減るほど金利上昇リスクも軽減できるというわけだ。

変動型、全期間固定型、どちらを選ぶのがよい?では、これから住宅ローンを選ぶ場合は、どの金利タイプを選んだらよいのだろう?
実は、これには正解はない。

変動型には、金利が上昇した場合に利息が増えて、返済額に影響するリスクがある。このことから一般的には、返済額が増額された場合に家計に余裕がなくなる可能性が高い、年収が少ない人や年収に対して借入額が多い人には不向きといわれている。

逆に、年収が高い人や年収に対して借入額が少ない人は、変動型の低金利のメリットを活かしやすいと考えられる。しかし、金利の動向を予測して、借り換えなどを検討する必要もあることから、あらかじめ金利を固定してしまうほうがよいと考えて、敢えて全期間固定型を選ぶ人もいる。

また、金融機関によっては、借入額を変動型と全期間固定型に振り分けることができる場合もある。例えば、1000万円を変動型、2000万円を全期間固定型にして、合わせて3000万円借りるといったことだ。それぞれの金利タイプの持つリスクを分散させたい人にはメリットがある方法だ。(ただし、手数料がそれぞれに発生して、諸費用が増えることなども考慮しておきたい)

このように、家計の事情や金利リスクに対する考え方などによって、選ぶべき金利タイプは異なってくるので、よく考えて選択をしよう。

元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/06/18/64349/

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