インターネットを活用した、ひきこもりのための株式会社の創り方(その1)

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グニャラくんのグニャグニャ備忘録@はてな

今回は末永匡さんのブログ『グニャラくんのグニャグニャ備忘録@はてな』からご寄稿いただきました。

インターネットを活用した、ひきこもりのための株式会社の創り方(その1)
この度、株式会社wktk(ワクテカ)という法人を設立いたしました。

30歳の誕生日に何か面白いコトをやろう!と思い立って、2週間くらいで法人設立にこぎつけました。あ、会社勤めは辞めてないし、辞めるつもりもないですよ、念のため。僕の勤め先は、そういうところに融通が利くところなのです。起業を促進してます。うんうん。

株式会社の作り方と、基本的な開業準備について、“ひきこもり気質でインターネット大好きな人”向けに情報を公開します。

世の中には、会社設立のガイドがあふれかえっています。重複することを書いても仕方ないので、本や他のサイトに載っていない情報を主に書いていきます。情報は2010年4月現在のものです。

前提条件
 ・一人発起で、代表取締役のみの株式会社を東京都xx区に設立する。
 ・.co.jpドメインを取得する。
 ・公告方法を官報にしつつ、財務諸表のみをウェブページに載せて官報掲載代を節約する。
 ・役員報酬は0円とする。
 ・設立日を確定させたい。
 ・極力お外に出ない。インターネット>郵便>対面の順番で手段を選択する。

事前準備
 ・Windows XP以降が動作するパソコン。
 ・住民基本台帳カード。
 ・住民基本台帳カードを読むことができるカードリーダ。
 ・スキャナー。
 ・クレジットカード。

定款作成
定款とは、会社の法律みたいなものです。事業目的などが書いてあり、法人設立の際に必要となります。定款は、公証人と呼ばれる人に認証してもらう必要があります。法律なので、あんまりいいかげんなことは書けないわけですね。

定款は通常は紙として認証を受けるわけですが、実はPDFファイルを認証してもらうこともできます。このPDFファイルとして認証される定款を、電子定款と呼びます。実は、電子定款を使うと、設立費用を4万円節約できます。

紙ベースの定款の原本は、“印紙税法”と呼ばれる法律で「課税物件」とされており、収入印紙をはる必要があります。電子定款の場合には、紙じゃないので上記の法律にあてはまらない、というわけです。

電子定款の認証を受ける場合には、行政書士にお願いしました。「自分で電子定款の認証はできないの?」とツッコミを受けるかもしれません。電子定款の認証を受けるためには、そのためのソフトウェア購入などの初期費用がかかるんです。初期費用は4万円をゆうに超えます。

僕は、以下の“日本電子定款作成センター”にて電子定款の認証をお願いしました。費用は6000円。

http://e-teikan.org/

東京都・神奈川県の場合には、行政書士の方が公証役場にまで行ってくれます。

上記“日本電子定款作成センター”からリンクされている、『自分でできる会社設立』というサイトの「株式会社設立ナビゲーション」という項目に、株式会社の設立についてひととおりの手続が書いてあります。

http://kaisya-tsukuro.net/

本エントリでは重複した記述を避け、上記サイトに書いていない情報を記します。

.co.jpドメインの取得
会社を作るんだったら、.co.jpドメインを取得したいですよね。『VALUE-DOMAIN』で安くかつ手軽に.co.jpドメインを取得することができます。

http://www.value-domain.com/

なぜここでドメインの話が出るのか、その理由は次の項目で明らかになります。

.co.jpドメインは、設立登記の前に取得することができます。

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/09/16/461.html

しかし、『VALUE-DOMAIN』では設立日が現在の日付以降でないと、申し込みを受け付けてくれません。

よって、設立に必要な書類をすべて準備し終わり、実際に法務局に書類を提出する日の朝に登録を行いましょう。

ドメイン取得代金について、厳密には定款で定めておかなければ法人の負担とすることができません。が、『VALUE-DOMAIN』でのドメイン代程度だったら、法人が負担することで問題ないと考えます。面倒なので、僕は個人負担としました。

公告方法を官報にしつつ、財務諸表のみをウェブページに載せて官報掲載代を節約する
先ほどの『自分でできる会社設立』のテンプレートのまま法人を設立すると、公告を行う際に官報を通じなければいけません。株式会社は、その公共性から毎年決算の内容について公告を行わなければいけません。官報での決算公告にかかる費用は、1回およそ6万円です。

定款で、公告方法を「電子公告」とすることもできます。電子公告では、自社のウェブページに公告する内容を掲示するだけでOKです。んじゃ、公告方法を電子公告にしたほうがいい、と思いますよね。

実は、「電子公告をちゃんとしているかどうかチェックする機関」というものがありまして、そこにお金を払ってチェックしてもらわないと、電子公告をしたことにならないのです。これはこれで結構いいお値段がします。

たとえば、日本公告調査という会社では、1件7万5000円にて“チェック”をしてくれます。

http://www.n-koukoku.com/

公告する内容の長さが長い場合には電子公告のほうが有利ですが、短い内容であれば官報のほうが安くなります。やはり、官報で決算公告したほうがよいのでしょうか。

実は、決算公告だけに限り、上記のチェックが必要ないのです。ラッキー。よって、「チェックが必要な通常の公告は官報でいいけど、決算公告だけ電子公告したい」ということになります。

決算公告だけ電子公告を行うためには、決算公告を行うためのURLを登記する必要があります。この登記、設立登記とは別に行うと、なんと3万円もの費用がかかります。.co.jpドメインも取得できたことですし、設立時にURLも登記してしまいましょう。

URLを登記する場合には、「発起人の決定書」と「登記すべき事項のTXTファイル」の両方にURLなどを記載する必要があります。以下のような記述をしましょう。「登記すべき事項のTXTファイル」での制約から、URLは全角でなければなりません。

——
1.貸借対照表に係る情報の提供を受けるために必要な事項を次のとおりとする。

http://wktk.co.jp/
——

実は、多くの株式会社が決算公告をシカト(無視)しています。“NPO決算公告推進協議会”ってのがあるくらいです。シカトすると「100万円以下の過料」を取られる可能性があります。気をつけましょう。

また、電子公告の場合には、貸借対照表とその注記を全文掲載しなければなりません。官報の場合は、貸借対照表の要旨のみを掲載すればOKです。紙面に限りがあるからです。貸借対照表の公開に耐えない会社は、官報で決算公告をしたほうがよいでしょう。

(その2へつづく)

執筆: この記事は末永匡さんのブログ『グニャラくんのグニャグニャ備忘録@はてな』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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