「評判の悪い企業」4位にソニー それでも「就活」してみる価値があるワケ
ワタミは「ブラック企業疑惑」、東京電力は「原発事故」、楽天は「二重価格問題」が影響したようだ。昨今のニュースがイメージに影響しているのだろう。これらの会社に続いて4位に食い込んだのが、世界的にも高いブランド力で知られる有名企業ソニー(2.5%)である。
ブランドに対する高い期待がアダ?
ソニーは、前回実施された同じ調査の2009年版でもトップ10(7位、1.9%)に入っている。回答者に占める割合は高くはないが、有名企業がこのようなランキングの上位に食い込んでいるのは意外ではある。
最近は韓国勢など海外メーカーに押されているものの、ソニーを知らない日本国民はごく少数だろう。先日、リスクモンスターが発表した「世界に誇れる日本企業」調査でも、トヨタ自動車(64.5%)に次いで2位(40.6%)に輝き、好感度でホンダやパナソニック、日産、キヤノン、任天堂などを上回っている。
今回の調査で「評判の悪い企業」としてソニーを挙げた人は、どのような理由でそう考えたのか。調査元のノルドによると、ここ数年の経営不振とそれに伴う人員削減、リストラを主な理由にする声が多かったという。
確かにソニーは、2014年3月期決算について約1300億円の赤字になると発表。金融分野がグループを牽引しているが、伝統のエレキ分野は復活の兆しが見られない。国内外で数万人規模の人員削減を行なってきたが、今後もリストラを継続していくと見られている。
コメントには、看板商品であるVAIO事業の売却への批判もあった。2009年の調査でも、ウォークマンやアイボなど先進的で魅力的な商品で知られた「ソニーらしさ」が同社から失われてきているとの指摘があり、ソニーブランドへの高い期待が逆に厳しい評価へとつながっているという側面もあるようだ。
今なら「再生の経験」を得られるかも
このような状況を見ると、就活生の中には「ソニーは終わった」「いまさらソニーなんてありえない」と考える人もいるかもしれない。
実際、文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所の「2015年卒学生が選ぶ人気企業300社ランキング」でも、ソニーは100位圏外に落ちてしまった。2003年と2004年でトップを獲得し、その後も上位を占めていた企業の面影はない。
しかし東大と慶大で教授を務める鈴木寛氏はダイヤモンド・オンラインのコラムで、20代は「修行の身」としつつ、その場として「最大のおすすめ」の会社は、いわゆるメガベンチャーよりもソニーだと断言している。
「こうした動乱期のなかで20代の大事なスタートを切るというのは、ベンチャーよりエキサイティングかもしれませんし、勉強になります。同期生のなかで、頭角をあらわせるチャンスは、他の企業よりもかなりあるのではないでしょうか。これからは、日本で仕事をする限り、再生の経験をもっているというのは、長い目で見れば強みになります」
キャリコネにも20代後半でソフトウェア関連職に就くソニー社員から以下の口コミがあった。
「グローバルカンパニーであるため、アメリカやインド、中国といった国々のエンジニアと力を合わせて一つの製品を作り上げることも多く、グローバル思考の強い方はよりやりがいを感じることができる会社だと思う」
評判が悪いとされる時期に入社することを、カッコ悪いと思う人は多いだろう。しかし長いキャリアを考えて「逆張り」をするのも、ひとつの選択肢ではないだろうか。
ウェブサイト: http://careerconnection.jp/biz/
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