本屋をやっている理由? <この日のガケ書房(5月8日)>
ガケ書房という無謀な本屋が始まって、10年経ってしまいました。
最初に、『ガケ書房様』という荷物が届いたときは大笑いしました。
「こんな冗談みたいな感じで考えた名前に<様>がついてる!
しかも、宅配便の宛名にちゃんと印字されて送られてきてる!」
・・・あれから10年。毎日、良い意味でも悪い意味でも奇跡のような日が続き、
なんとかかんとか、その場所は続いてきました。僕は、店主の山下賢二と言いまして、
その場所を切り盛りしている張本人です。書店業界は考えるのも億劫な位、下降線を
辿っています。書店業界というよりも、本という物体へのニーズが著しく低下しています。「読書離れ」という言葉も薄ら寒いほど、元々少なかった読書人口に更に拍車をかけるように、スマートフォンが普及し、ちょっとした待ち時間から通勤・通学時間、暇つぶしや余暇の時間まで、文庫本や漫画、新聞など印刷物を持ち歩く人々がどんどん減ってきています。
本屋を営むということは、現代社会においてなんとも非効率な仕事のひとつです。
「なんのためにやってるんだろう?」「こんなに儲からない仕事って・・・」
好きで始めたのだからとか、文化を担ってるんだとか、なんとなく格好良い?とか、
いろいろ始める動機というものはありますが、やっぱり始める時より続けている時のほうがそのやっている理由というものを真正面から突きつけられます。それも定期的に。
たとえば、生活といううすのろ(copylight by 佐野元春)から。
または、やる気という輪郭のない心の着地点から。
2月13日の金曜日にガケ書房はオープンしたのですが(バレンタインデーをかわす
ところが偉い!)、そろそろリニューアルをしていこうと思っています。
本屋をやっている理由を自分自身の中で明確にするために。
まず、ガケ書房を入って左のゾーンにあった2つの大きなCD棚を無くしました。
視界が開けました。今は、机が入ってホホホ座というグループのフェアをしています。
http://www.facebook.com/pages/%E3%83%9B%E3%83%9B%E3%83%9B%E5%BA%A7/386588224756913 [リンク]
予定では、ここのエリアは何ヶ月かの月替わりでのショップコラボゾーンにしようと思っています。
それから今月24日に和歌山県新宮市にある元小学校の教室を使って、本屋をオープン
する予定です。ほかの教室では、自家製窯焼きパン屋さんとカフェが営業しています。
コンビニも何もありませんが、山・川・天然温泉・星・農作物などが豊富です。
店内の本棚は、村に元々あった本棚を使って展開する予定です。
こちらに詳しく → http://gakekuju.tumblr.com/ [リンク]
昨日までずっと、そこに並べる本の発注をしていました。
<この日のガケ書房>では、そういった日記的な裏側をチラ見せしていく所存です。
次回更新は、ある日突然の<この日>に!
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