忘れらんねえよ柴田、楽しすぎてカランコロンいちろーに求愛――OTOTOYつぼ伝レポ

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忘れらんねえよ柴田、楽しすぎてカランコロンいちろーに求愛――OTOTOYつぼ伝レポ

4月21日、東京・新宿にある「つぼ八歌舞伎町店」で忘れらんねえよのボーカル・柴田隆浩と東京カランコロン・いちろーによる〈つぼ八×ツレ伝『つぼ伝』~弾き語りツーマン in つぼ八~〉がおこなわれ、超満員の観客を前に贅沢な弾き語りを披露。楽しさのあまり柴田が思わずいちろーに求愛するほどの幸福な一夜となった。

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居酒屋「つぼ八」は忘れらんねえよファンにとってはおなじみの性痴、いや聖地であり心の拠所。つぼ八が登場する楽曲「CからはじまるABC」を聴きながらテンションを上げて会場に向かうものの、ここは日本一の歓楽街・新宿歌舞伎町。アガり過ぎると誘惑に負けて寄り道してしまう可能性もあるので「ギラギラガールズ」の看板から目を逸らしつつ会場へと急いだ。

昨年末は忘れらんねえよの3人による飲み会と柴田の弾き語りとしておこなわれたイベントだったが、今日のライヴは現在開催中の「ツレ伝ツアー」のひとつ〈つぼ八×ツレ伝『つぼ伝』〉として柴田が東京カランコロンのいちろーを迎える弾き語りツーマン・ライヴだ。チケットは発売と同時にソールドアウト。3,300円で貴重な2人のライヴが観れて飲み放題、つぼ八おつまみプレート付きというのだから当然だ。はとバスツアーに組み込まれてもおかしくないプランといえなくもない。

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開場時間の19時になると、あいにくの雨降りにも関わらず新宿・歌舞伎町のビル7階にあるつぼ八には大勢のファンが列をなしていた。続々と詰めかけるファンで用意されたテーブルはあっという間に満席に。ゆるゆると各々がビールやジュースを飲み出し歓談が始まった。筆者がお邪魔したテーブルに座ったお客さんは忘れらんねえよに最近興味を持って見に来た様子。各自が好きなアーティスト等を話しつつ飲んでいると、東京カランコロン・いちろーがアコギを手に登場。大きな拍手で迎えた観客に一礼して椅子に腰かけマイクに向かう。

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「みなさん飲んでますか~!? 今日は割と何でもありらしいんで俺も起きてそのまま来た感じ」と笑わせる。「みんな未成年じゃないってことだよね?じゃあ下ネタ大丈夫だよね?いつもは横に女性がいて言えないからさ(笑)」とのMCに爆笑する観客たち。「こんなこと言いながら1曲目は真面目な曲を“×ゲーム”」とタイトルを告げると嬌声が挙がり、いよいよ『つぼ伝』がスタート。皆真剣にステージを見つめて歌声に聴き入っている。ライヴハウス・つぼ八の懐の深さにいちろーの澄んだボーカルが折り重なり、いきなり感動的なムードがつぼ八に充満している。続いて「てのひら」を熱唱してMCへ。

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「柴田君と仲良くなったのはね、なんでだっけ!?」と本人に問いかける。どうやら座敷の入口付近で立って観ていたようだ。普通に会話し出した柴田はふと我に返ったのか「あ、こんばんは柴田です」と、姿は見えないものの改めて挨拶。もったいぶらずにあっさり登場するあたりはさすが庶民派ロッカー。観客の存在を忘れたかのようにひとしきり会話を続けた後、「リリー・フランキー(Elvis Woodstock名義)さんに詩を書いてもらった曲です」と「サヨナラ バイバイ マルチーズ」へ。

歌い終わると「お酒取りに行かなくて大丈夫ですか?」と気を遣ういちろー。しかしお酒を取りに行って見逃すのはもったいないという気持ちと「やっぱ気まずいよね(笑)」という気持ちで今の所みんな着席したままだ。今レコーディング中の曲を、というと観客からどよめきにも似た歓声があがり新曲が披露された。「カランコロンのスーサイドソング(仮)」と題された楽曲は「売れるわけね~よ」と連呼する、自虐的な言葉で綴られた激しく毒気のある内容だった。発表されるのが楽しみだ。

「次で最後の曲です」と告げると「えぇ~!? 嘘でしょ!? もう?」と一斉に声が挙がったが確かに5曲では短かい。最後は「16のbeat」でグッと観客を惹きつけてライヴを終えると惜しまれながらも大きな拍手に送られてステージを降りた。再び酒盛りが開始され、ライヴが始まる前はなんとなく慣れない雰囲気に戸惑い気味だったお客さんも開始当初よりもテーブルは盛り上がっている。1人で来たというお客さんも多いようだが、すぐに打ち解けてわきあいあいと会話は弾んでいるようだ。忘れらんねえよと東京カロンコロン以外にも爆弾ジョニーやCzecho No Republicといったバンドの名前が飛び交っていた。

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20:30になると柴田がビールジョッキとアコギを手にステージに登場。「かんぱ~い!」とジョッキを掲げるとみんな一斉にコップを高く持ち上げて乾杯。「完全に飲み会、サークルの飲み会だよね(笑)。俺もう完全に酔っ払ってます(笑)」見ると座敷の後ろには廊下の席からいちろーがステージを眺めている。出演者もお客さんもみんな楽しそうだ。

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「大好きなつぼ八にいちろー君がいて、良い顔をしたあんた方がいて、本当嬉しいよありがとう!」本当に酔っているのか、今日の柴田は最初からセンチメンタルなムードだ。歌い出した1曲目は「北極星」。普段はバンドで高速プレイの曲だけにゆっくり歌い込むとメロディの良さが際立つ。2曲目のリフをアコギで刻み出すと歓声が挙がる。早くも「この高鳴りをなんと呼ぶ」だ。間奏のダウンピッキングをいつも以上にリズミカルに丁寧に、一音一音を1人ひとりに伝えるように弾いて行く柴田。後半に進むにつれて切なさを増す歌声が叫んだキラー・フレーズ「最後の言葉を探してる それが見つかりゃいなくなる」にまたしてもやられてしまった。

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「今日、めっちゃ喉の調子良いわ~。いかに普段バンドの2人のプレッシャーが大きいかわかるね。」と柴田、トークの方も舌好調。新曲「体内ラブ」をアコースティックで初めて聴いたが、こういう歌詞を歌っていたのか、と改めて柴田の「下ネタ×純愛ソング」の世界に感服してしまった。バンドアレンジではこの曲でめちゃめちゃ踊れるのだから素晴らしい。「夜間飛行」を「ハッピーバースデイ! とはいえ俺は誕生会に呼ばれていない」というタイトルで“原型の歌詞”で披露。そのあまりにも下世話な内容に観客は大爆笑! あちらこちらで「あんな歌詞だったんだ!? サイテー!」「あれじゃ絶対タイアップ取れなかったよね(笑)」とガヤガヤし出した。確かにあの歌詞では『はじめの一歩 Rising』OPテーマにはなっていないはず。ギターの弦を切ってしまったようで張り替えながらしばしトークした後は最近ライヴでも披露している「運動が出来ない君へ」。バンドがいくら有名になっても劣等感を共有して感情移入できる曲を作る柴田の優しさが感じられる一曲だ。

続けて歌われた「俺たちの日々」。世の中のルールからはみ出して生きて行こうと誓う、熱い曲だ。続いていちろーへの想いを語りながら、「少女でもなければジャンプでもない」といいながら「中年シャウト」として東京カランコロンの「少女ジャンプ」をカバー! しかし、女性メンバー・せんせいのキーそのままで歌う為、高すぎて声が出ない。「全然歌えねえ!」ということで後ろで眺めていたいちろーを呼び込みステージでデュエット。「あとですげぇキスするから!」といちろーに宣言。いちろー逃げて!

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「いやあ、バンドマンって良いなあ! 本当に」と呟いて歌い出したのはバンドマンへの愛に満ち溢れた「バンドワゴン」。バンドのメンバーの分の想いを込めて歌う柴田。ギターを止め手拍子を促し観客と共に感情を高めて行くと続いては「THANK YOU SEXありがとう! CからはじまるABC!」で盛り上がる。ライヴはクライマックスだ。「残された俺達は?みんな歌って!」というと観客は待ってましたとばかり「つぼ八で飲みました~!」と大合唱。聖地つぼ八でのこれ以上ないハイライトシーンだ。「この曲を作った時はまさかこんなに大勢とつぼ八で歌えるとは思わなかったよ(笑)。“残されたおまえたち”と。本当にありがとう! 最後につぼ八でウェーブ起こそうぜ!」と「忘れらんねえよ」でエンディングへ。

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観客のウェーブに乗って歌いながら「これ見ながら俺ビール飲んで良い?」とビールを注文すると美味しそうに飲み干す柴田。その姿を見まもりながら腕を振り大合唱する観客たち。なんて優しいファンに囲まれているんだ。一旦エンディングを迎えたが「一旦引っ込んだ体でしばしご歓談をお願いします」とステージにそのまま残った柴田の元にいちろーがギターを持って横に座る。

「いや~楽しい! 今後“つぼ伝フェス”とか、“つぼ伝in武道館”をやりたいね!」ともはや意味がわからない夢を語り出す始末。是非“無観客つぼ伝フェス”も企画してほしい。「今日見て思ったけど、これほどつぼ八が似合う人はいないと思ったよ(笑)」といちろー。アンコールは忘れらんねえよの曲を2人で歌い出した…かと思いきや、イントロが終わってもどちらも歌い出さない! 「ちょっと! 1番は柴田君が歌うんでしょ!? リハでやったじゃん!」といちろー。どうやら柴田が酔っ払って忘れてしまったらしい(終演後本人に確認するとガチハプニングとのこと。というか歌い出しを忘れた事も忘れていた)。気を取り直して再度正調な歌詞の「夜間飛行」を2人で交互に歌う。いちろーが歌う2番が新鮮だ。最後は2人でサビを熱唱して大団円。〈つぼ伝〉は幕を下ろした。

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帰り際お客さんに感想を聴いてみると「凄く良くて、最後ずっと余韻に浸ってて拍手が遅れちゃいました」(男性)「いつもと違って飲みながら観れたのが良かった。しかも知らない人とも仲良くなれたし」(女性)とみなさん一様に「凄く楽しかった!」と大満足の様子。

「楽しすぎて歌い出せない!」というほど心底嬉しそうだった柴田、「ほとんど初めて」という弾き語りに楽しそうないちろー、2人のユーモア溢れるやりとりが印象的だったが、とはいえお互いにアーティストとしての真摯な姿勢と鋭く尖る歌の世界はブレることなく存分に発揮したライヴだった。それにしてもこのペースでツーマン・ライヴを続けて行くと、いずれおこなわれるであろうワンマン・ライヴではとてつもなく経験値を積んだ忘れらんねえよの姿が観られそうな気がする。その日が今から待ち遠しい。(岡本貴之)

〈つぼ八×ツレ伝『つぼ伝』~弾き語りツーマン in つぼ八~〉
2014年4月21日(月) OPEN 19:00 / START 19:30
つぼ八 新宿歌舞伎町店7F
出演:柴田隆浩(忘れらんねえよ)/ いちろー(東京カランコロン)

〈いちろー セットリスト〉
1.×ゲーム
2.てのひら
3.サヨナラ バイバイ マルチーズ
4. カランコロンのスーサイドソング(仮)※新曲
5.16のbeat

〈柴田隆浩 セットリスト〉
1.北極星
2.この高鳴りをなんと呼ぶ
3.体内ラブ
4.ハッピーバースデイ! とはいえ俺は誕生会に呼ばれていない
5.運動ができない君へ
6.俺たちの日々
7.少女ジャンプ(東京カランコロンカバー・withいちろー)
8.バンドワゴン
9.CからはじまるABC
10.忘れらんねえよ
アンコール
EN1.夜間飛行(柴田隆浩&いちろー)

・忘れらんねえよの作品はOTOTOYでも配信中
http://ototoy.jp/them/index.php/81042
・東京カランコロンの作品はOTOTOYでも配信中
http://ototoy.jp/them/index.php/27136

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