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「数字が苦手」な人が仕事で陥るワナ

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 社会人として、どんな形であれビジネスと関わる以上、会計や数字について勉強することは避けて通れません。
 しかし、何年も働いている人でも「数字は苦手」「会計は難しい」と苦手意識を持っている人は多いもの。そんな人は今さら難しい参考書を買う気にはならないでしょう。
 しかし、物語なら話は別。
 『江戸商人・勘助と学ぶ 一番やさしい儲けと会計の基本』(日本実業出版社/刊)は、公認会計士の眞山徳人さんが、数字が苦手な人に向けて、ビジネスに必要な「数字」や「計算」を教えてくれる一冊。今回はその眞山さんに、ビジネスマンが会計を身につけるメリットとそのポイントを伺いました。

―まず、この本の特徴として「やさしい」というものが挙げられると思います。「数字」や「会計」を難しいものとして苦手意識を持っている人でも理解できるためにどういった工夫をしましたか?

眞山:おっしゃる通り、会計の話は難しくなりがちなのですが、その原因としてビジネス自体が複雑になってきていることが挙げられます。会社がやっていることがややこしくなってきているから、それを表現する方法である会計もややこしくなってしまった、ということです。
だから、この本では、「会計」を説明する際の実例として取り上げる「ビジネス」自体をできるだけシンプルにしようと思っていました。
そのためにどんなビジネスを取り上げるかということを考えたのですが、ストーリーで親しみやすく読んでもらおうという狙いもあって、まだ会計において今のようなルールがない江戸時代を舞台にしました。そこで何も知らない見習いの少年がイチから商いに必要な会計を学んでいくと。そういった設定のところは工夫しましたね。

―ストーリーも眞山さんが作られたんですか?

眞山:私が作りました。元々作家になりたいという夢がありつつ、結果として会計士になったので、今でもストーリーを作るのが好きなんです。

―「ビジネスが複雑になった」とおっしゃっていましたが、どのように複雑になったのでしょうか。

眞山:ひとことで言えば「関係者がものすごく増えた」ということでしょうね。
例えば現代の株式会社の制度では、会社を「持っている人」つまり株主と「経営する人」は一緒であるとは限りません。そして、働いている人も契約の形態が何種類もあり、取引先との契約の仕方も多様です。
商品を仕入れるとか売るということについても、商社や流通業者を間に入れたり、ということが出てきますし、決済のやり方もいろいろです。
そういったことそれぞれを言葉にして表現するのが簿記の世界なのですが、これだけ各所が細分化すると、会計のルールもそれに応じてどうしても細かくなってしまいます。

―読者として特にどんな方を想定して書かれたというのはありますか?

眞山: 経理だけでなく、もっと広い範囲の人に会計を学んで欲しいと思ってこの本を書きました。なので、これまでそういった勉強をしてこなかった人、あるいは学生や新入社員にも読んでほしいと思っています。
この本の勘助という主人公は、最初は今でいう「営業マン」として商品を売るのですが、次の章では「バイヤー」の役割も経験して、その次には「販売戦略」を立てるようになります。そうやって様々に立場を変えていくわけですが、会計とかお金はどの立場でも絡んでくるわけです。
この物語を通じて、会計の知識があると、経理の担当でなくてもとても役立つのだということを伝えられたらいいなと思っています。

―社会人としてある程度キャリアがある方でも、「数字は苦手」という人は多いのでしょうか。

眞山:多いですね。会社で月次の報告資料を作る時に数字を使うけど、その資料の数字しかわからないとか。
最近はKPI(重要業績評価指標)といって、それさえ追いかけていれば業績が出るような数字があって、たとえば営業マンであれば、訪問件数がどれくらいでアポイントは何件で、成約が何件というような数字を追うことで、ある程度成績をあげられるようになりました。
ただ、その数字だけを見ても、どんな商品が売れ筋で、どれが値下がりして赤字の原因になっているかということは必ずしもわかりません。こういう状態になっている人や会社はものすごく多いのです。
だからこそ、会計をビジネスの全体像として見るために役立てていくというのは意味があることなんです。

―その会計を生業にされている眞山さんですが、数字や会計の面白さはどのようなところにあるとお考えですか?

眞山:その会社が持っている“イズム”というか、ドラマが見えるところだと思います。
例えば労働環境ひとつとっても、福利厚生にどれだけお金を使っているかとか、人件費の売上に占める割合、一人当たりの人件費など、数字から読み取れることは多いんです。そういうところが面白さだと思いますね。
(後編につづく)



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