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新ポスティング制度、日本はなめられてる?

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移籍金の上限は2000万ドル。日本の球団にとってメリット少ない

従来の「ポスティングシステム」(入札制度)に代わる新しい「移籍制度」が、日本野球機構(NPB)と米国メジャーリーグ機構(MLB)の間で発効しました。これまでの「入札制度」では、最高額で落札したメジャー球団しか移籍希望選手と交渉できませんでした。しかし、新しい「移籍制度」のもとでは、日本球団が提示する「移籍金」(上限2000万ドル=約20億5千万円)を応諾したすべてのメジャー球団に移籍希望選手との交渉権が与えられます。

そのうえで、交渉により最終的に選手を獲得したメジャー球団が日本球団に「移籍金」を支払うことになります。従来の制度に比べ、移籍希望選手にとっては、数多くのメジャー球団と交渉できるメリットがあり、FA(フリーエージェント)に近い制度だといえるでしょう。しかし、他方で、日本の球団にとっては、これまでのような「巨額の落札金」を得るチャンスが無くなってしまいました。

100億円とも騒がれていただけに三木谷オーナーのテンションも…

今季24連勝した楽天の田中将大投手のメジャー移籍問題が、ずっと話題にのぼっています。球団オーナーである三木谷浩史氏も、当初は「若者が米国へ挑戦するのは良いこと」などと発言していました。しかし、新しい「移籍制度」における移籍金の上限が明らかになった段階で、掌を返すように「行かせるつもりはない」と方針転換した経緯があります。

当初は、「ポスティングと田中投手の複数年年俸で100億円の大型契約!」とマスメディアに騒がれ、さらには「ポスティングだけでも100億円か?」などと盛り上がりましたから、その上限が20億円に引き下げられたことで、三木谷オーナーのテンションまで下がったとしても仕方がないと思います。

そもそもメジャー球団が選手を獲得する際の金額には制限がないにもかかわらず、日本からメジャーリーグに選手が移籍する際の「移籍金」にだけ上限が設定されたのが問題で、「まるで不平等条約」とか「日本はなめられている」などと怒りをあらわにする向きもあります。確かに楽天の田中投手のように、2000万ドルをはるかに上回る「値打ち」がある選手を擁する球団にとって、今回の新しい「移籍制度」はまったくメリットがありません。

メジャーが「日本のスター選手」を獲得できるチャンスは大幅減

逆から見れば、メジャー球団が日本の「大物スター選手」を獲得することは、従来の「ポスティングシステム」より難しくなったといえるでしょう。たかが20億円程度で、日本の球団にとって大切な「宝物」を手放せるかどうかという問題に帰着するからです。「20億円ではメジャーに出せない」との球団判断は当然にあり得るわけで、今後、メジャーリーグが「日本の大物スター選手」を獲得できるチャンスは大幅に減ると思われます。「FA宣言」まで待つか、その時期との兼ね合いで「たとえ20億でも、売れるうちに売ろう」と球団が考えるのを待つしかないからです。

移籍希望選手が数多くのメジャー球団と交渉できるメリットを持つ新制度が発効したにもかかわらず、その恩恵にあずかれる選手の「ストライクゾーン」は思ったより「狭き門」になりそうです。

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