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ライブ会場の写真撮影、SNS掲載で違法に?

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動画や静止画をSNSに掲載すれば、著作権や公衆送信権の侵害に

ライブ会場での写真撮影、SNS掲載で違法?ポール・マッカートニーのライブでスマホ撮影が解禁されたことを機に、ライブでの撮影の是非が話題になっています。

アーティストのライブを観客が撮影する場合、いくつかの問題が発生します。まずは、著作権の問題。例えば、楽曲の演奏中に動画撮影をすれば、その曲が観客のカメラ(の中の記憶媒体)に複製されることになります。自分が撮った動画を自分で観たり聴いたりしている限りは私的複製として許されるでしょうが(著作権法30条1項)、これをYouTube等で公開すれば、その楽曲の著作権者(作詞家・作曲家)の複製権や公衆送信権を侵害することになります。静止画の撮影であっても、例えば、舞台美術にも著作権はありますので、ステージを勝手に撮影してFacebookに載せれば著作権侵害になるかもしれません。

写真撮影に関しては、そもそも肖像権や契約上の問題も

また、そもそも肖像権の問題があります。著作権は著作物についての権利なので、キャラクターではなく、人間のアーティストの場合、その容姿は著作権の対象ではありません。ただ、勝手に撮影されない権利はあります。これが肖像権です。アーティストの写真等では経済的価値を重く見た性格付け(パブリシティー権という)もあります。ライブ会場にはアーティストだけでなく観客もいますが、肖像権は一般人にもある権利です。

そして、契約上の問題です。例えば、ライブ会場で観客がスマホを振り上げて撮影していたとしたら、後ろの観客は視野を妨げられて十分にライブを楽しめません。また、アーティストを撮るために観客が殺到したら危険です。ライブの主催者には常識的な範囲で観客にサービスを安全に提供する義務があり、そのため、観客が一定の規律に服することは、明示的にせよ、黙示的にせよ、主催者と観客の契約の一部です。

ライブ開始前でも無断撮影を行ってSNSに流せば違法の可能性

では、ライブ開始前に場内を撮影する場合はどうでしょう。この場合、BGM的に楽曲が流されていたり、ステージが舞台美術と言えるものであれば、無断撮影を行ってSNS等で流すと著作権侵害になる恐れがあります。そうでなければ、著作権上の問題はないでしょう。

ただ、肖像権は一般人にもありますので、他の観客の容貌をはっきりと撮ったりするのは問題です。そして、契約上の問題に関しては主催者がどこまで規制するかによります。「場内撮影一切禁止」とチケット等に書いてあったり入場条件にそう規定されていたりするのであれば、やはり従うべきでしょう。

ライブ撮影の禁止については、現状で日本は特に厳しいようです。SNSでの宣伝効果を考えて、それほど高画質には撮れないスマホ撮影等は日本でも許される方向に進むと思いますが、常に法的問題が潜んでいることは注意すべきでしょう。

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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