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ゲーム業界各社決算まとめ – 2013年秋

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今回はりくぜんさんのブログ『当たり判定ゼロ』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/459969をごらんください。

ゲーム業界各社決算まとめ – 2013年秋

ここだけの話、10年前、うちの冷蔵庫から織田信長と名乗るおじさんが出てきたんですよ。
本当にあの織田信長なのか、証拠もなく私も正直初めは信じていませんでした。信長さんは妙に時代がかった話し方をする人でしたが、私の遊んでいるゲームを見ると「わしにもやらせい!」とコントローラーを奪い、その後は順調なゲーマー人生を歩んでいかれました。特に自分の名を冠したコーエーの信長の野望がお気に入りで、何度も何度もプレイしていました。ところがある日、いつものように信長の野望をプレイ中、突然「佐久間ァ!てめぇこの野郎ふざけんじゃねぇぎゃあ!」と叫び、冷蔵庫の中に姿を消してしまったのです。

あれから10年。そんなことがあったことも忘れ、GTAでトレバーを使い、ロスサントスのコンビニからお金を徴求する仕事に勤しんでいたところ、再び冷蔵庫が勝手に開いたのです。中から寝間着で現れた信長さんは、私を認識すると「2年ぶりであるな」と言って笑いました。

信長さんに、スマホという新しいプラットフォームが現れたこと、買いきりじゃなく課金アイテムという新しい遊び方が現れたこと、変わってしまった現代のゲーム事情を説明しました。プラットフォームについては理解を示した信長さんですが、課金アイテムの存在には大層言葉を荒くされていました。
「のう、先にわしが来たとき、公共広告機構のコマーシャルメッセージで『時間はすべての人間に平等である』というフレーズを見た。これは、わしの好きな敦盛の『人間五十年』に通づるものがある。未来にも同じ考え方が息づいていると思い、安心したものだ。すべての人間は、天から与えられた時間の中で成すべきことを成さねばならん。わしがこの時代でゲームを愛したのは、時間の前にすべての人間は平等であったからだ。わしのような英雄も、お主のようなボンクラも同じ条件の元で競い、遊ぶ。これ以上素晴らしいものが他にあろうか。未来の者どもはそれを理解していると思ったのだが、そうでなかったのが残念であることだ」そう言い残して信長さんは、大判金を懐から取り出し、田中貴金属工業に駆け込んで100万円を手にすると、パワプロでオールAの選手を作る作業に取り掛かっていました。言っていることとやっていることがぜんぜん違うじゃねぇか……。この状況への適応力……。
このとき初めて私は、この人は本物の織田信長であると確信したのです。

信長さんは、その後もデッドライジングなどを遊びつつ、わりと現代を堪能してのんびりくつろいだ感じで、さすがに「いいのかなこれ」と私も心配したものですが、ある日ネットサーフィン中に「そうか、わしもそろそろ帰らねばなるまいな。キンカンも待っておろう」と寂しそうに言い残し、再び冷蔵庫の中に消えていきました。残されたPCの画面には、東京ガスのCMがYouTubeでリピートされて流れていました。それが信長さんを見た最後です。今でも、あの冷蔵庫が勝手に開く時があるのではないかと時々思うことがあります。

まるで作り話みたいな話で、実際全部作り話なんですが、読み飛ばしていただけましたでしょうか。

ここからはいつもの決算まとめです。
それぞれ企業ごとに決算期が違いますので、整理の基準をお伝えすると、2四半期以上経過したものについては、左から、2年前決算、1年前決算、今期直近期、昨年同期の4つを記載しています。
一方、半期が経過していない会社は、左から3期前決算、2期前決算、直近決算とし、最初の四半期が終わっていれば最初の四半期を、終わっていなければ来期予想を一番右に掲載しています。

バンダイナムコホールディングス(半期)


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ただ業績好調を続けるだけでなく、「無料で遊べちまうんだ!」という笑いを隙あらばとねじ込んでくるあたり、さすがエンタメ業界の老舗といった貫禄を漂わせます。遊べちまうんだの何が悪かったって、宣伝なしにジョジョファンにぶつけてきたところでしょうね。そりゃ金払ってゲームを買って、好きなだけ遊べると思ったら更に金を払えなんて誰だって怒りますよ。いつもどおり訓練されたプロデューサーたちに投げつけてきたなら、当たり前のように金を払ったというのに。まったく。

時間があれば書こうと思ってるんですが、スタドリの流通量から見てもモゲマスの課金量も減ってる感ありますし、無料で遊べちまうんだでいくら稼いだかわかりませんが、男塾には警戒する人も少なからず出てくるでしょうし、期末以降の材料はどうかなーといったところ。
無料でちょっと遊ばせてもらった感想としては、一撃の攻撃力が低い感があって一戦一戦が間延びした印象。上手い人だと全然違うんですかね。ジョイヤーからしゃがみで小パン擦ってきてワンチャンで持っていく感じですかね。格ゲー下手なんで、うちのワムウはかなり挙動不審な動きをしていて、どこか精神的に病んでいる感があって見てて辛いところがありました。

セガサミーホールディングス(半期)


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セガサミーが好調なときはサミーが好調なんだなと思っておけばだいたい間違いないです。中長期の展望として、サミー700億、セガ200億、その他100億で計1,000億の営業利益を目標に掲げているのですが、サミー700億のほうがいけそうな気がするのが不思議。とはいえ、決算発表資料の中に警察庁と矢野総研の調査資料があるのですが、それによればパチスロの1台あたり年間回転数もここ3年ほど毎年20%前後の下落を続けており、結構な落ち込みがあるように見えます。ゲーセンですらせいぜい5%とかですからね。それでもこれだけの利益を未だに計上できるのだから、我が国の伝統的搾取商売としての力強さを感じます。凋落著しい今のソシャゲ搾取モデルも、パチスロの例を見ると、利益率を落としつつも粘り強く生き残っていくんじゃないかなと思うんですよね。

そして忘れちゃいけない上期最大のトピックス、インデックスの事業譲受。200億というインデックスの負債額から考えて、どうしても規模が100億円に届くようなレベルになってしまいますので、買収好きのコーエーでも金額面で手が出ない。とすると、資金の余剰があり、かつ目玉タイトルが喉から出るほど欲しい任天堂が本命かと思っていましたが、蓋を開ければセガでした。しかしかなり多くの人が、買収後の社名を「アトラス」にする予定調和を期待していたと思うのですが、まさかこの期に及んで「インデックス」が地獄の底から帰ってくるとは誰が思ったことでしょう。「アトラス」にしてたら収まりの良いストーリーになって多くのファンが喜ぶと思ったんですけどね。社名にそれだけで付加価値があるって、結構すごいで。

ちなみに6月にセガサミークリエイションというカジノ機器の製造メーカーを子会社として設立しており、いよいよお台場カジノに向けて本腰といったところ。
あ、それと初芝さんセガサミーの監督就任おめでとうございます。

コナミ(半期)


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申し訳ないでやんす。前年度より業績を良くする機能はついてないでやんす。ご要望は経営陣には伝えておくでやんすよ。

2年連続で減収減益。数年前、「ゲーム業界の鳥谷」と表現したように、毎年2割8分を安定して打つ機械みたいな決算が魅力的だったのですが、ドラコレで波に乗ってそのまま転げ落ちてしまいました。

去年の秋の短信からだと思うのですが、デジタルエンターテイメント事業の報告には真っ先にソーシャルの文字が踊るようになりました。それまではコンシュマーをまず記載し、それからソーシャルという順番だったんですけど。この手のIR資料の記載順って経営層もわりと気にしますから、ちゃんと考えて作られていて、会社が力を入れている順、対外的にアピールしたい順に構成されているわけで、ソーシャルの成功に味をしめてパワプロまで課金ゲー化した会社の姿勢と見事に一致しているわけです。そういう意味では、「課金で儲けるぜ~!」という経営層の意思がちゃんとゲーム作りの現場まで浸透しており、大変素晴らしいガバナンスではないかと思います。結局パワプロ2013買って遊んでるんですけど、感覚としてはわりと課金する人いるんじゃないかな、と思うくらい課金に手が出したくなる感はありました。肝心のゲーム部分が案外しっかりしてたのが大きい。
余談ですが、セガサミーと並んでカジノ銘柄の一つでもあります。最近パッとしない業績を改善するためにも、お台場カジノの実現を手ぐすね引いて待ち望んでいることでしょう。

スクウェア・エニックス・ホールディングス(半期)


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1年くらい前にドラクエとFFのオンライン2本柱が収益の柱になるでこれ、みたいな話をしていたのですが、春の決算はこんなに悪いと思わなかったし、あの名作がスマホで蘇ってばかりだし、ライトニングさんはν速のぼっさんみたいな扱いになってる始末で、こりゃ認識改めんとイカンわと思っていたところ、新生FF14の売上とゲーセン事業の好調により業績が見事なV字回復で手首クルー。収益機会が継続的となるMMOに軸ができたことは収益の安定化に資するのでデカイです。しかしFF14は、発売時凄まじい売れ行きでしたね。私も実際一回買いに行ったことがあるのですが、売り切れてて買えず何となくそのまま今に至ります。

マビノギでは作曲と演奏ばかりやって、ダンジョンで信長の野望のテーマをかき鳴らして戦わずに走り回ったり、MoEでは「落下耐性がスキル扱いのゲームすげえ!」と謎の感動をして毎日高いところから落ちて落下耐性を上げる作業を繰り返した結果、フォーリングロードという落下耐性だけが高くて何の役にも立たないジョブで遊んでいたタチなので、ぜひFF14でも戦闘以外の何かに楽しみを見いだせるような遊び方をしてみたいもんですけどね。MMOの良い所は、自分で見つけた通常でない遊び方で、誰かに影響を与えて楽しめるところだと思います。私の場合、主に迷惑扱いされて罵られますので、ログアウトしたあと布団で泣いています。

そしてライトニングさんはいつの間にか自アンでの瀬川おんぷみたいな扱いになっていたんですけど、この人は最終的にどこに向かおうとしているんですかね。

カプコン(半期)


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「やっぱりモンハンはすげえや」みたいな業績の回復具合ですが、逆に言うとモンハンの数字って本来前期に入るべき数字が発売延期で今期に流れてきているだけなので、素直に喜んでいいいものかは微妙なところ。また、B/Sの136億円という仕掛品勘定の少なさ(前期は189億)からみても、後期のリリースは少なめになりそうで、前期ほどの利益を期待するのは難しそうです。

ソシャゲについては、具体的な数字は挙げられませんでしたが軟調という表現。確かにバイオとかモンハンのタイトルを冠したソシャゲが出ていましたけど、何というか、芸能人を題材にしたゲームのクソゲー臭と同じタイプの香りを放っていました。

ところで、コンテンツ事業(ソシャゲ含む)が売上375億、営業利益53億なのに対して、アミューズメント機器事業が売上89億、営業利益25億とかなりの高利益率。要因として上げられるのが、パチスロ「デビルメイクライ」の販売好調なのですが、パチスロ機の高収益性がここでも目立つ形に。あとはメダルゲームのマリオとモンハンが良いようで、ゲーセンのメダルコーナーでも、子どもを中心にいつも人が多いのを目にします。

コーエーテクモ(半期)


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ソシャゲ勢の利益率を見て「イカれてんな」と思うことはままありますが、無双の焼き直しを連発しているときのコーエーの利益率もそれに近いところがありました。というか少し前までゲーム業界で高利益率といえばコーエーの代名詞だったんですけどね。
そのおかげで資産は貯まる一方で現在でも無借金なのですが、同じ高自己資本比率勢のファルコムと違うところは、稼いだ金で積極的に投資をしている点です。そのため資産は固定資産の比率高め。借金がなくて黒字なのでキャッシュフロー的には全然困らないのですね。さすがはシブサワ・コウ。経営シミュレーションゲームはお手のもの。

ところで巷では艦これブームですが、そろそろ提督の決断5とか出さないですかね。子供の頃、父親とよく遊んだ大好きなシリーズなんで今でも続編待っています。「陸軍としては海軍の提案に反対である」のアレをキャッチコピーに、陸軍と海軍の内紛ができるシステム組み込めば絶対売れますって!陸軍と仲悪かったら部品とかが別の規格になっちゃって必要経費が高くなるけど、逆に上手く付き合えると部品が共通化できてコスト削減できたり。そのかわりアッツ島に輸送艦を出すよう要請されたりして、戦略の自由が効かなくなるとか。負け戦の責任の押し付けあいとかできるとなお良し。

そんな時代じゃないんだし、素直に艦これやっとけって?それもいいけど、重厚長大な戦略ゲームの期待に対して、和メーカーでやってくれるのは最後はやっぱりコーエーだと、父親との思い出が今でもそう言っております。

日本ファルコム


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ファルコムは9月決算なのですが、高い確率で中間期は赤字で、夏から秋にかけて大型タイトルを投入し、一気に黒字に持っていく夏休みの小学生の宿題みたいな収支の片付け方をしているのがいつものパターンです。ところが、PSPに軌跡シリーズのプラットフォームを持ってきてから絶好調で、今期も3月の中間期から黒字。となると閃の軌跡のリリースを9月に控えた期末の数字は、約束された勝利の剣みたいなもんでした。というわけで、創業以来の過去最高益達成。短信も赤字やら太字やらで書いててお祭りのビラみたいな書きぶりになっています。言っても、パッケージソフトでソシャゲ勢を上回る利益率をたたき出しているのだからそれだけのものはあります。来期もさらなる増収増益を見込むようですが、閃の軌跡をリリースしたばかりだというのに、まだ変身を残しているというのでしょうか。

B/Sの方は期末に閃の軌跡の売上があったことから売掛金が一時的に膨らんでいます。今頃この回収が進んでいることでしょうから、現金に化けているわけです。現金の塊みたいな会社です。毎年言っていますが、どうすんでしょうねこれ。シブサワ・コウに預けて適当な買い物をしてもらってはいかがでしょうか。
あと、短信読んでて知ったんですけど、来年って軌跡シリーズ10周年ですって。この前、空の軌跡遊んでて「うげええええ中途半端なところで終わるんじゃねぇええ」と思ったばかりのような気がするのに10年前とか言われても怖すぎます。やめてください。しかし、ウィニングポスト7の10周年に引き続きナンバリングタイトルが10周年とか言われても、ミルコ・クロコップでさえ何を言っているのか理解できない時代。まぁこの2つは全く違って、軌跡は実質スピンオフで別シリーズみたいなもんですが、ウィポは10年間ほとんど何も変わってなくて、ファンを恐怖のズンドコに叩き落としている恐るべきタイトルです。

ケイブ


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H23/5期の残影がまだチラッとだけ見えていますが、ケイブってだいたい毎年これくらい安定して利益を計上する会社だったんですけどね。地味に優良企業だった。ところがパイ全体としてのソーシャルが伸びる中、逆に昔からソーシャルやってるくせに最近コケるとかいうよくわからない会社です。
STGについては、以前からゲーム性の低いソーシャルに飽きてきた客を拾い上げる武器として位置づけているらしく、今後はスマホでの展開となることが短信にも記載されています。
同戦略に沿ってスマホ向けで怒首領蜂シリーズとかがリリースされており、最近もスマホ向け新作「ドン★パッチン*1」のリリースが発表されましたけど、案の定ガチャとか書いてて二周くらい時間が遅れてる気がするんだけど大丈夫かなと思う次第。やっぱこういうのあんまり得意じゃないんじゃなかろうか。
かつてファルコムはJRPGとイースを作り続ける道を選択し、発売するプラットフォームを変えることで大成功を収めました。ケイブも実は似たようなもんで、STGを作り続ける道を選択してプラットフォームをアーケードからスマホに変えただけなのに、何か違う感じがするのは一体なんなのだぜ…。

*1:「ドン★パッチン」
http://www.cave-world.com/jp/sp/donpaccin/

日本一ソフトウェア(半期)


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いつも内訳資料の開示が細かくないので詳細は把握しづらいのですが、売上が跳ね上がっており利益の改善につながった形。リリースしているタイトル数は変わっていないので、「魔女と百騎兵」が予想以上に売れたのが原因かもしれません。当社そのものというよりも、この手の利益の急激変動を見た時の対応についてお話すると、上場企業の決算だと監査法人からの監査を経た上で開示されますので、一応は安心して見て良く、基本的には粉飾等の照査コストをかける必要は低いのですが、非上場企業だとB/Sの方も確認しておいたほうが良いですね。すなわち、利益の行き先は必ずB/Sの方にハネてきますので、B/Sの方で不自然に数字が増加していれば、不自然に増えた利益の源泉がそこである可能性が高くなります。建設業や製造業なんかだと費用化すべきものが仕掛品勘定で残っていて、そこだけ異様に膨らんでいたりするパターンが典型ですね。
ちなみに当社の場合は、利益の行き先が短期借入金の減少になっています。相手先の会社(特に銀行である可能性が高いですし)のある勘定ですので、安心というわけですね。こうやって利益の行き先をB/Sでチラッと見ておくことで、大まかな粉飾の確認ならすぐにできますので、時間対効果の高いチェックとしては良いと思います。逆にインデックスのやらかした循環取引については、先にも解説記事書きましたが*2、相手先のある勘定で操作をしたが故に発覚しづらいテクニックでした。

*2:「インなんとかさんに学ぶ循環取引」 2013年06月13日 『当たり判定ゼロ』
http://siusiu.blog.shinobi.jp/Entry/565/

ちなみに日本一は単純な開発だけじゃなくて、ライセンス事業もやっています。ビックリマンのソーシャルという話なのでたぶんこれ*3だと思うのですが、売上高63百万、営業利益57百万円と定期収益としてかなりおいしいものとなっています。こういうの見ると、くまモンとかはばタンとかふなっしーとかのゆるキャラビジネスで一発当てて遊んで暮らしてぇなぁと思います。憎い!一発当てやがったくまモンが憎い!

*3:「日本一ソフトウェア、『ビックリマン』のソーシャルゲームを配信」 2011年4月19日 『インサイド』
http://www.inside-games.jp/article/2011/04/19/48612.html

任天堂(半期)


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今期も短信の真っ先に「ゲーム人口の拡大」を社の基本方針とする旨が記載されていました。いつも確認するようにしているのですが、ぜひ長く続けてほしいものですね。しかし、利益としての問題はWiiU。WiiUの数字を見ていると、やはりエンタメ業界は山っ気のある商売だと改めて思わされます。Wiiのときは飛ぶ鳥を落とす勢いで利益をあげていた任天堂があっという間にこれですから。

しかしWiiUなんで売れへんかったんや…。こういうときに外野が何を言っても「それがわかれば苦労しねぇよ」という結論にしかならないのですが、個人的に気になった点は広報戦略でしょうか。

この間、知り合いとゲーム屋行ったところ「WiiUはソフトが少ないから買えないですよね」みたいなことを言われたので「いや次世代機の最初なんて大体こんなもんだよ。PS3だって最初は少なかったし」と返しておきましたが、感覚として「WiiU=ソフトが少ない」と認識している人は多いのではないかと思います。任天堂がやっているNintendoDirectで直接ユーザーに情報を伝えるというのは面白い試みで、NintendoDirect自体の品質はすごく高いと思いますが、どうしても従来からゲームに興味を持っている層にしかリーチしませんので、「ゲーム人口の拡大」を社是とする任天堂が本当に情報を届けたい人々でなく、私らゲームファンだけが喜んでいるような気もします。最近随分と仲が良いと思ってたら、ドワンゴの株式を1.5%取得したみたいなので、ドワンゴのマスコミ力を借りた、NintendoDirect以外のアプローチもあってもいいかもしれませんね。

その点、かつてセガの湯川専務が笑っていいともに出演した際は、完全にセガの客層以外の人々にまで届いた瞬間で、そのとき確かにセガは向こう側に渡りかけたと思うんですけどね。自社ではなく、自社とは全く関係のない他分野で権威を持った存在に紹介してもらえるというのは、客層を一気に拡大するチャンスとなります。まぁこれやり過ぎるとステマ問題につながってくるんですけど。ステマやるならマエケンのエンブリーみたいな感じで、唐突に「ところで」から開始すると露骨芸的な面白さが出るし、閲覧者も「あぁステマだな」ってわかるのでお互い良いと思いますね。ところでWiiUのゲームパッドは、せっかくこんな変な商品が出ているのだから、現代に生きているものとしてとりあえず買って体験しておくのは悪くないと思いますよ。いつかいい思い出話にもなるでしょう。

あと21日にマリオの新作出ますね。マリオって2D路線と3D路線に別れるのはいいですけど、64マリオの続編って出ないんですかね。未だにあれがマリオの最高傑作だと思っているんですが。

ソニー(半期)


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家電が全体的に円安で復調気味の中、やや置いて行かれ気味のソニー。分野別の概況としては、金融好調、家電不調といういつものパターンに加えて、映画不調、それから前期加算されていたタイ洪水の保険収益がなくなったことが主要な変動要素に挙げられます。前回のコメント欄でも書いたんですけど、本来保険金収益って本業と関係なくて、単発要因ですから特別損益に入れるべきで、営業利益に影響があたえるような会計処理は本筋ではないと思うんですけどね。ソニーは金融が本業に含まれているから、定款的にも問題なく入れれるんでしょうけど。保険金で営業利益を増やすのは、本業自体が改善したように見えるので良くはないです。会計的には、営業利益はやはりそれを見ただけで本業の利益がひと目で把握できる指標にすべきかと。

そんなことより!いよいよPS4ですよ!PS4!次世代機が出てくる瞬間はいつもワクワクします。次世代機の箱を開けて初回起動する画面を見る瞬間が生きてて最高に楽しいので、毎日記憶を消して次世代機の箱を開け続けて死んでいきたいです。ところで、我々がこの手のキレイ系の次世代機を褒めるときはとりあえず「水面の表現力すげえ!」と言い続けて5000年くらい経ちますが、次は「砂塵の表現力すげえ!」と言っておけば鉄板っぽい感じがするので適当にそう言っておきましょう。

DeNA(半期)


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この利益率の数字を「悪い」だなんて口が裂けても言えない水準ではあるのですが、とりあえずの頭打ちは見せた形。どうしてもリピーターが付きづらく焼き畑感が強いので、早いうちから海外展開やベイスの買収による顧客年齢層の拡大にかかる手を打つべくして打っており、南場さんら経営陣は自社の商売道具をさすがによく把握しています。海外ならば、GREEだって結果ダメだったけど一応進出していたわけだし、モガベーだって海外赤字で株主からいつもネチネチ言われてるし、DeNAとGREE……一体なぜ差がついたのか、ちひろ、ラミレスの違い……。って半年前も言った気がするんですけど、なんだかんだで球団持つというのは知名度も好感度も跳ね上がるし、変なチケット売り出すたびにベイスだけじゃなくて親会社にまで興味持ってもらえるし、結果的に広告費としては格安もいいところだったかと思います。

ベイスって前の優勝の時のブームでもすごい集客だったように、ホームの人口も多いし、球場の立地もいいし、元々集客力のポテンシャルはかなり高いはずなんですよね。オリックスの元球団代表の井箟さんも著書で言っていましたが、優勝というのは想像以上に儲かるみたいなので、これでベイスが優勝までしようもんなら単体での収支も好転して、アヒルの子かと思ったら白鳥だったみたいな話は十分ありえると思うので、まずは投手陣の整備をしましょう。それと(省略されました。続きを読むにはセカンドベースに人を配置してください)
ところでもうすぐモゲマス2周年ですね。年の瀬から年始にかけてアイドル資産の大暴落が予想されますので、お手持ちのアイドルは飲み物と交換しておくことをオススメします。(ひどい日本語)

GREE


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時空を超えてあなたは一体何度――我々の前に立ちはだかってくるというのだ!! コンパイル!!! !じゃなかったGREEでした。ゲーム業界で一発ヤマ当てて、このまま戦線を拡大せんと大量採用したらコスト激増であらどうしましょうという、ぷよマンクライシスよ再び。もっともこれまでの数字が狂っていただけで、今でも利益自体は一般の会社が見たら涎が出るほど出ていますし、特に大きな買い物もしていないのでB/Sは健全。ですので、すぐにどうこうなる話ではありませんが。

労働集約型産業であるゲーム業界は、費用における人件費の割合が高く、すなわち固定比率が高いわけですから、損益分岐点を超えてしまえさえすれば一気にウハウハ。反対に売上が伸びないときは重い固定費負担がのしかかってきて経営が一気に苦しくなるという収益のブレが大きなタイプです。ガンホーの社長ですら「ヒットの法則、やっぱなし」なんて言う産業ですから、売上もバラつきがち。そういう意味では会計面において経営が比較的難しいタイプの産業であると思います。製造業なんかだと逆に変動費率が高いですから、ちょっと売上が落ちても粘り強く戦えたりするんですけどね。製造業は製造業でサプライチェーンの構築とかラインの最適化とかそれぞれ別のタイプの経営の難しさはありますけど。

それよりも一連の報道で、GREEというプラットフォームについて、過疎とか寂れてるとか、オレンジ色の会社みたいにユーザーからネガティブなイメージをもたれるのが今一番脅威となる点ではないかと。
ソシャゲにおける電子データの価値は、メーカー自身ではなくユーザー同士によって担保されています。人がいれば売れるし、いなけりゃ売れない。いくらメーカーが貴重なSRだと何度強弁したとしても、「本当にあった怖い話」の「SR【邪霊】日常に潜む寒慄」とか出ても申し訳ないけど要らない。あ、やっぱここまで来ると逆にいるような気がします。いるな、うん、やっぱいるわ。

退職した人の転職活動は大変みたいですけど、コンパイルだって武内崇を排出したことを思い出していつかビッグになれると思ってがんばってみてください。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント(第3四半期)


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短期間にこれだけの成長を遂げる企業を観察できる機会はそうそうないので、なんというか感想としては「イチローの全盛期を生で見れて良かったなぁ」と似たような感じに。近年最高の億り人銘柄じゃないですかね。見事売り抜けできた皆さまおめでとうございます。
ようやくパズドラの単月も頭打ちになったようで株価も下落。ゲームの寿命としては息が長かった方じゃないでしょうか。オタたるもの、時代を席巻したゲームには、ハマらずとも触れるくらいはしておいたほうが良いのだろうなぁと思いつつ、結局私は遊ぶことがなかったので「絵柄がポップでデッキ要素のあるパズルクエスト」みたいな認識のままお墓に入ることになりそうです。ポストパズドラって1年くらい前からずっと言われてる気がするんですが、コロプラの黒ウィズがそこにハマりそうな感じでしょうか。このゲーム、オクトバが「ポストパズドラ!」と長いこと推し続けてきているので、Airdroidみたいに「オクトバ発の大ヒット!」とそろそろ言い出さないかなぁと生暖かく見守っているところではあります。

タイトルは、ケリ姫とか他にもありますけど、規模的にはパズドラがこけたらそれまでというのは誰しもわかっていることなので、パズドラ資金でパスドラ後の投資をどうするのかというのが注目でしたが、スーパーセルの買収というのは読めた人いるんでしょうか。というか売ってくれるのかと。

スーパーセルのクラッシュオブクランも、いわゆる「金を払えば有利になる」アイテム課金の典型みたいなゲームですね。低額の金額さえ払ってしまえば他のプレイヤーと概ね同じ土俵に立ててしまうけれど、一方廃課金プレイをすると建設にかかる時間を短縮して一気にゲームを進めてしまうことも可能、という点で課金形態としては艦これに近いですね。このタイプの課金形態は、昔のゲームの販売形態に置き換えると、基礎機能を体験版のように無償で提供して、標準機能を一定額の課金でパッケージのように販売し、チートをオプションで売ってるみたいな感じと認識しています。

国内ソシャゲのような、文字どおり札束で殴りあうゲームは海外じゃ初めからウケなかったみたいですけど、国内でも課金度合いのゲームシステムへのハネが小さいゲームに、ユーザーの志向がシフトしていっているように感じます。

でも、個人的な望みなんですけど、やはりチートをオプションで買えないゲームで遊びたいですね。

これ、好きな言葉でよく引用するんですけど、かつてフォン・ノイマンがこんなことを言っています。

「チェスはゲームじゃありませんよ。チェスというのは、明確に定義された計算の一形式なんです。実際に答えを出すことはできないかもしれないが、理論的には正しい「手」が存在するはずです。それに対して本当のゲームはというと、全然違います。現実の生活は、はったりやちょっとしたごまかしの駆け引きやこちらの動きを相手はどう読んでいるのだろうかと考えることからなっています。そして、それこそが私の理論で言うゲームなのです」
チートをオプションで買えるということは、「はったりやちょっとしたごまかしの駆け引き」をゲームから奪ってしまうことになり、それがただ悲しいと思うのです。(モゲマスに10万使った人間の発言)

【総括】

・大きく崩れているのは任天堂、コナミ、ケイブ。「次世代機の販売不振」「ブラウザソシャゲの不振」をそれぞれ要因とします。プラットフォームがゲーム機からスマホへ、ソフトが「ブラウザからネイティブへ」という昨今の潮流からすれば、その流れに置いて行かれた感じ。とはいえ、ブラウザゲーでも利益を出せている会社もありますし、やはり根幹はゲーム業界なのでコンテンツ次第と言ったところ。あくまで全体の潮流はパイの大きさについて話すものなので、その中での個別の勝ち負けはあります。

・「ブラウザからネイティブへ」の流れについては、DeNA・GREEとガンホーの数字がわかりやすいですね。ただ、何度も言うように、成長が止まったというだけで依然としてDeNAらの利益自体は高い水準にあります。ただ、株価は成長しないと上がらないですけどね。

・スクエニがMMOの月額課金ビジネスを復権させてきたように、ファルコムがパッケージで過去最高益を上げているように、課金方法としては、まだアイテム課金が勝ったわけじゃないと思います。昔、金融業界に「証券化」という技術が登場しまして、猫も杓子も証券化という時代がありました。なぜならばそれは、これまで存在しなかったビジネス手法で、儲かるから。その後米住宅ローンのデフォルト問題が顕在化し、証券化市場が壊滅的な状況に陥ったのは記憶に新しいですね。新しいビジネス手法は、成功しているうちは持て囃されますが失敗したあとに「なんであんなことに熱狂していたんだ」みたいな言われ方をすることがザラにあります。アイテム課金が今後も長期的に成功できるモデルかどうかを断定するのはまだ早いと思います。

・せっかくデカいテレビが安くで買えるようになったのだから、現代技術の結晶である据え置き次世代機をやらなきゃハドソン。とはいえ、PS2のときも3DSのときもそうだったように、最近のゲーム機が爆発的に普及するタイミングは、いつも値下げのタイミングだったように思います。今回はどうでしょうね。

・前回1万字もあったので短くしなきゃなぁと思っていたのですが、インデックスを落としたのにも関わらず文字数が20%増になっちゃいました。あまりにも長すぎて自分でも読めなかったので内容があっているか心配です。こんなときWikiならば気がついた人が直してくれるのに……!

相変わらずクソ感漂う感じですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

執筆: この記事はりくぜんさんのブログ『当たり判定ゼロ』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年11月21日時点のものです。

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記者:

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