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すねた子どものために母が編み出したスキンシップとは?

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 子どもにはありのままの姿で、健やかに育ってほしいというのが、親の願い。
 しかし、これは簡単ではありません。
 ありのままの姿でいるには、「自分は自分でいいんだ」という自己肯定感が必要です。幼少時に自分の存在をまるごと受け入れられた経験がないと、なかなかこの感覚を持つことができず、他人と自分を比べて落ち込んだりしてしまいがちになります。
 『おへそのさき』(入江富美子/著、のぶみ/イラスト、SHICHIDA BOOKS/刊)は、この「自己肯定感」を子どもの心に育むのに一役買ってくれる絵本です。
 今回は、作者の入江さんにお話を伺い、子育てで大切にすべきことについて語っていただきました。

―入江さんの著書『おへそのさき』について、まずはテーマを伺えればと思います。

入江「こういう感覚は日本ならではのものかもしれませんが、率直にいうと、“お天道様が見ているよ”ということを、この絵本を通して子どもたちに感じてほしかったというのがあります。

こういうことは、日本では昔からおばあちゃん、おじいちゃんが語り伝えてきたことだと思うんですけど、今はあまり語られなくなって、子どももそれを聞く機会がなくなってきています。

私自身、祖父母と一緒に暮らしていたので、そういった話を聞かされてきて、周りに誰も自分のことを見ている人がいなくても、お天道様はいつも自分のことを見守っていてくれているんだ、と感じて生きてこれたので、そういう感覚を今の子どもたちにも知ってもらえたらうれしいです」

―「お天道様とつながっている」と考えることで、気持ち的にどのように変わるのでしょうか。

入江「たとえば、親に“あんたはダメな子だ”って言われたらすごく傷つくと思うんです。でも、もっともっと大きなものとつながっていて、愛されていると感じられれば、自分が思っている以上に自分は大事な存在だと信じることができるはずです。そういう風に、いいも悪いも超えてただ存在しているということだけですごいことなんだ、という感覚が伝わってくれたらなと思っています」

―この絵本では、新しい家族ができてみんなの注目がその赤ちゃんに集まってしまったことですねてしまった「大ちゃん」への、お母さんの素敵な対応が描かれています。中でも、お母さんがTシャツのお腹の部分に「大ちゃん」を入れてあげる、というのが印象に残ったのですが、これは入江さんの実体験でもあるのでしょうか。

入江「そうですね。Tシャツの中に大ちゃんを入れるというのは、自分がやっていたことでもあります。

うちも下の子が生まれた時に、お姉ちゃんがちょっとひねくれるというか、それこそ「大ちゃん」みたいにいじけてしまったことがあったんです。そういう時に、今言ったTシャツに入れてあげるとか、赤ちゃんを寝かしつけてからもう一度起きて、今度はお姉ちゃんを抱っこしながら寝るとか、赤ちゃんを抱きながらもお姉ちゃんと手をつないでおくというようなスキンシップをしていました。そうすることでお姉ちゃんは明らかに気持ちが安定してきたんです。

どちらかが愛されていて、もう片方は愛されていないということで姉弟が揉めると、大人になってからも引きずるパターンがあります。そうはなってほしくなかったということでやったことなんですけど、うまくいったのかなと思っています」

―そういったスキンシップは本で読んだことを実践してみた、というのでなく、自然に頭に浮かんだことだったのでしょうか。

入江「Tシャツの中に入れたのは、子どもが自分から入ってきたんですね。その時に思い出したんです。お腹の中に赤ちゃんがいる間、お母さんはかわいいなあと思ってお腹をなでたりするじゃないですか。子どもをTシャツの中に入れて、お腹にいた時と同じようになでていると、子どもも幸せなのはもちろんですけど、親の自分もその時期のことを思い出せて、初心に帰れるんです」

―お父さんというか、男性には思いつかないやり方ですよね。

入江「そうかもしれないですね(笑)“Tシャツの中に入れるのは思いつかない”とこの絵本を読んでくださった方からも言われるので、ちょっと変わった対応だったのかもしれません」

―子どもと上手にスキンシップをとっていくために、どのようなことが必要だとお考えですか?

入江「“こういうのがいい”というのはそんなに考えていないんですけど、私が子どもの時、祖母が、なんでもないときに、ずーっと手をなでてくれたり、頭をなでてくれたりっていうのをよくしてくれていたんです。何かいい事をした時にだけ、そうするのではなく、祖母が孫の私に無条件に愛情を注いでくれたように、私も子どもを育ててることができたら、と思っています」

―子育てにおいて、スキンシップの大切さは言うまでもありませんが、ある年齢に達したら上手に親離れさせてあげるのも親の大事な仕事です。この「親離れ」について、何かされていることがあれば教えていただければと思います。

入江「今、上の子が中学2年生で、下の子が小学6年生なんですけど、自然にすっかり親離れしてきています。私は、子どもたちが幼い時期にしっかりスキンシップをしていると、向こうからお腹いっぱいになって、満足して離れていく。そして、人とスキンシップを取れる人になると思っているんです。うちの場合はどちらかというと私の方が子離れできないので、自分のことを心配しています(笑)」
(後編につづく)



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