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劇場版『銀魂』藤田陽一監督インタビュー「原作がむちゃくちゃやってくれるから刺激される」

テレビアニメ開始から7年、ついに「完結篇」と銘打たれ、満を持して原作者・空知英秋が自らストーリーとキャラクター原案を担当。アニメ銀魂の7年間を締めくくる完結の名にふさわしい、過去、現在、そして未来を巡る壮大な集大成を描きあげた『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』。

7月6日に公開されると連日多くの観客が劇場に訪れ、興行収入10.6億円と大ヒットを記録した『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』を越えています。本作の監督を務めたのが、藤田陽一監督。2008年に話数演出から監督に襲名し、アニメ『銀魂』の世界観を守る注目のアニメクリエイターです。今回は藤田監督に劇場版の苦労話から、アニメ『銀魂』への想いなどをインタビュー。色々なお話を伺ってきました。

――今回の劇場版は、原作者・空知先生の描きき下ろしですが、最初に物語を読んだ感想を教えていただけますか?

藤田陽一監督(以下、藤田):アニメ『銀魂』の完結篇という事もあり、描きき下ろしをお願いしたのですが、本当にサービス精神あふれるものが出来上がってきたなと。こちらから意見を出したのは「入場者プレゼントが本編に絡んできたら面白いよね」とか「今までやったことのない劇場でしかできないアクションシーンとかやってみますか」」そういうポイントポイントだけで、ストーリーはおまかせしました。

――という事は、オープニングの例の展開も。

藤田:そうですね、あれも空知さんですね。前作の劇場版「紅桜篇」というのはテレビの総集編で頭とお尻のギャグパートってアニメチームが作ったものだったんですけれども、今回はギャグパートも空知さんが考えたいという事で。あの仕掛けは劇場で観ないと分からない面白い挑戦ですよね。

――ストーリーを全部空知先生が考えられたという事は、キャラクター作りも?

藤田:空知さんに丸投げです。これお客さん戸惑うんじゃねえかなって思いましたね。見慣れた銀魂が始まらないと(笑)。空知さんの中には最初から未来の新八と神楽の構想はあったみたいで、こちらから何も言う事無く出てきました。

――そもそもなぜアニメ『銀魂』は“完結”する事になったのでしょう。

藤田:擦り減っていくより、美しいうちに終われれば(笑)。テレビシリーズもいつも「これで終わりだ!」っていうつもりでやってたら「もう1年やって」とかそれの繰り返しだったので。その都度その都度危ないネタとかも出し切って「もう次何していいかわかんねえよ」っていう。短距離走をやってるつもりがどんどんゴールテープが延びていくって感覚ですね。

今回の劇場版は「番外編」的なものにしたくないなあ、と思って。原作モノのアニメの宿命ですけれど、1本映画をオリジナルで作っても原作でストーリーが続いているから結局「番外編」にはなってしまうんですよね。その中でどれだけ意味の持てるお話に出来るのかな、というのはありました。

――「完結篇」と聞いて周りの反響は大きかったのでは無いですか?

藤田:意外に通っちゃったんですね(笑)。信じられてないのかもしれませんし、業界内からでもあんま信じられてなかったり……。コケたら本当終わりなんですけど(笑)。そこはシビアですから。

最終話のネームが上がってきて「万事屋よ永遠なれ」っていう劇中タイトルだけがあって、テレビでも長編は「○○篇」って見やすいように括っていたので、劇場版にもつけようという事になって、「完結編」以外にハマるタイトルが無かったんですよね。

――7年間のシリーズが本当に終わるのか(笑)、終わるとして、その最後の作品になるかもしれない絵を見たときに、監督としてはなにか感慨はありましたか?

藤田:ありましたよ、ちゃんと。美しく終わらしちゃったんで「うわ、これ、マジ次作れねえや」っていう(笑)。自分の中ではそれぐらい出し切った感じはあります。

――銀魂といえば時事ネタを巧みにパロディする事で有名ですが、今回もかなり笑えました。

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記者:

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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