元スタバCEOが考える“リーダーの資質”とは?

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元スタバCEOが考える“リーダーの資質”とは?
 リーダーというと、どんな人を思い浮かべるだろうか。強いリーダーシップを持っていて、プレゼンテーションも見事。オレについてこい、というカリスマ的な雰囲気を漂わせているというイメージを持つ人は多いのではないか。
 しかし、リーダーだからといって、決してリーダーシップが必要とは限らないのだ。

 『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』(サンマーク出版/刊)では、ザ・ボディショップ、スターバックスでCEOを務めた著者の岩田松雄氏がリーダーになった経緯、リーダーとして経験した苦労ややりがいを振り返り、独自のリーダー論を紹介する。

 岩田氏は、誰でも頑張ればリーダーになれるし、社長にもなれると語る。
 43歳で初めて上場会社の社長になり、47歳でザ・ボディショップの社長に、51歳でスターバックス コーヒー ジャパンのCEOに就任。この経歴だけを見ると、さぞかしカリスマ性があって、強烈なリーダーシップで社員を引っ張る社長を想像するかもしれないが、実際の岩田氏は「普通のおじさん」だ。講演会を開催すると、参加者から寄せられる感想の多くは「ごく普通のおじさんだった!」というものだという。

 高校時代、岩田氏は野球部のキャプテンを務めていた。しかし、エースで4番というわけでもなく、野球を始めたのは高校からで、2年生までは球拾いやブルペンキャッチャーを務めたりと裏方ばかりだった。それでも、練習は一生懸命やっていた。下級生たちとグラウンド整備も当たり前にしていた。そんな一生懸命な先輩の姿を見ていた下級生たちは、3年生になった岩田氏をキャプテンにするよう強く推薦したのだ。リーダーになろうと思ったわけではまったくなく、まわりの人から押し上げられて、補欠だった岩田氏はチームのリーダーとなった。
 見てくれている人は必ずいる。頑張っていれば、まわりの人が押し上げてくれるということを体感した出来事だったそうだ。

 また、岩田氏がスターバックスのCEOに就任したとき、「お店を訪問すること」という項目をこれだけは絶対に強化したいと決めていた。なぜなら、売り上げ高のほとんどすべてはお店で生まれているからだ。お店の従業員が、心をこめておいしいコーヒーを差し出すことが、1年に2億回積み重なって、売り上げができる。その最前線を重視せずして、何を重視するのかということだ。
 高校時代に万年控え選手だったことや、新卒で入社した日産自動車でソリの合わない上司によって、非自動車部門に異動させられ、そこで納得のいかない評価をされたという苦い経験が岩田氏にはある。こうした苦しい体験や挫折体験があるからこそ、人の痛みや苦しみが理解でき、それを理解した上で行動できるようになるのだろう。
 組織の中では、本社より現場が弱い立場に置かれることが多い。現場に与えられている権限も限られている。しかし、ポジションが上になればなるほど、特に大きな会社では現場は遠くなってしまうもの。それまでの経験でこのことを痛感していた岩田氏は、CEOという立場になったからこそ、お店を訪問することに重きを置いたのだ。
 現場、そして組織の中で立場の強くない人たちに目を向けるという意識を持つことが大事なのだ。

 自分の思いとは裏腹にリーダーになってしまうこともあるかもしれない。自分はリーダーに向いていないと嘆く前に、努力や普段の態度で、ついていきたいと思われるリーダーになれることを本書から知っておいて損はない。
(新刊JP編集部)



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