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日本の起業家が米国起業家よりリスクテイカーである件について

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今回は田村耕太郎さんのブログ『田村耕太郎のblog』からご寄稿いただきました。

日本の起業家が米国起業家よりリスクテイカーである件について

NYでは若き起業家たちと交流できた。私が交流している日本の起業家との違いを感じだ。今日本でIT起業家として取り上げられる日本の起業家たちは、ざっくり言えば、インターネットを使って新しい商流を作ろうとしている人たち。基本的はネットを使った直販モデルの延長にある。それが野菜であったり、生命保険であったり、薬であったり、メガネであったり、靴であったりする。これは今までの業界慣行にインパクトを与え日本社会をよい方向に変えようとしている。素晴らしいチャレンジである。よって、日本の起業家はビジネススクール→経営コンサル→起業という感じの人が多い。

一方、上記のようなネットを使った直販モデルがアマゾン等の浸透により、ひと段落したアメリカでは起業はさらに先を行っている。スカイプのようにネット上でテクノロジーによる新たな価値を作ったり、ソーシャルな交流を通じて新たな価値を生み出すものである。基本的に私が出会った、アメリカで「起業家」として注目浴びる者は、エンジニアでありデザイナー。まずほとんどの起業家が自分でコードが書ける。多種多様なデザインもできる。

宇宙開発やエネルギー事業といった国家レベルの事業にスタートアップとして挑戦するものもいるし、教育にITの力で大きな変化を起こしている連中もいる。政府顔負けの挑戦がアメリカでは起こっており、それらは慈善事業ではなく、収益事業として成り立ち始めている。もちろん、政府よりずっと安いコストで社会に貢献している。

日本の起業家はコンサルタントの延長的な人物で、アメリカの起業家で注目を集める者は、デザイナー、エンジニア、発明家、思想家といった感じの人物だ。15年くらいの時差があるのではないか?これはどちらが優れているということではく、制度的な要因でこの差がついているのだと思う。日本の起業家はこの制度ももと、私はアメリカの起業家に勝るとも劣らないくらい奮闘していると思う。理由は後で述べる。

彼らとの交流の場所は少し前からワクワクスポットになりつつあるミートパッキング地区。食肉加工業の倉庫が集まっていたエリアである。私の知人の家系はここの大地主だったそうで、ここでさらに顔が効くようだ。招待されたのは会員制レストラン。NY広しといえども屋上のオープンテラスにプールがあるのがここと隣接する話題のデザインホテルのみ。厳しい会員制で、一度出ると必ず会員パスをチェックされる。私の知人は顔パスだが、会員でない私をゲストと迎え入れるのに一口論あった。なんとか私も特別ゲストといれてもらう。これだけセキュリティが厳しいのも理由がわかる。出入りしているのはNYを代表するスター起業家のほかにはスポーツスターや芸能人。店内での写真撮影も禁止である。(無知な私は勝手に撮ってしまったが汗)

隣の席ではアメリカ人にしては身体もフィットもセンスもいい感じのグループが、タブレットで大物スター出演の見知らぬ映画を見ている。知人に聞くと「あれはまだ製作の事実も世に知られていないだいぶ先に公開される予定の話題作。ああいいのにアクセスできる連中が来ているんだよ」と。

東京ファンでよく日本に行き、日本の起業家とも交流している彼らとは、起業の話で盛り上がった。「日本にも素晴らしい起業家がいるが、日本の制度のせいで、絶対数がまだまだ少なく、層が薄い気がする。僕のような外国人が知っている起業家で日本のイケている起業家は全てという感じ。」と。「日本の起業家は早くここ(米国)に来た方がいい。いいアイデアやリーダーシップを持っている日本人も多い。ここならお金へのアクセスも世界にスケールする可能性も法律もすべてが、日本より、起業家の味方をするんだ」と。

「一番違うのは雇用法制。簡単に解雇できるからいろんなチャレンジができる。その前提で社員も応募してきている。起業は起業家にもそこで働く社員にも、どちらにとってもチャレンジなんだ。日本のように一度雇ったら簡単に首にできないなら誰も簡単に起業できない。そういう意味で、厳しい解雇規制がありながら起業している日本の起業家はすごい。リスペクトしている。アメリカであんな法律があったらシリコンバレーも壊滅するだろう(笑)」

私もそう思う。極論すれば、日本の起業家はアメリカの起業家に比してリスクを恐れているのではなく、よりリスクテーカーだと思う。この解雇規制で人を雇って挑戦するのだから、日本の起業家の勇気と情熱はアメリカよりすごい!

「そして英語。日本語でのビジネスは上限が1億2千万人に限られている。一方英語で市場を考えたらこれは何倍にもスケールする。そして、東京に行って感じたが、アメリカのインフラや社会やファッションやグルメやメディアを改善できる技術やサービスが日本にはあると思う。それらが英語で展開できたら成功間違いなしだよ」

逆にカルチャー、ファッション、メディア、グルメとIT等のテクノロジーが融合するNYでこそあらたな起業がどんどん生まれている。金融センター・ウォール街に近いのも強みだ。ただ、サンフランシスコにも拠点を持つ起業家にいわせれば、「NYのキャピタルはクラッシック。保守的でリスク取らない。すぐに利益を出せという。サンフランシスコは”利益はいいからスケールしろ”という感じ。まだ金融カルチャーはバレー(シリコンバレー)には追いついてはいないようだ」

そして彼らは東京に焦点を当てている。「われわれNYのHipな感覚が唯一理解される場所はTokyoじゃないかな?Tokyoはイケてる。本当にファッショナブルでカルチャーを感じさせる場所だ。そして情報もある。ヨーロッパもいいが、ヨーロッパ全体が今はチャンスという状況にない。メトロポリタンエリアは3,000万人というメガシティだし。」と。

彼らが東京に来たらおもしろいだろう。近いうちに来そうなので、さっそくお手伝い喜んでしたい。

執筆:この記事は田村耕太郎さんのブログ『田村耕太郎のblog』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年06月05日時点のものです。

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