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ゲーム業界各社決算まとめ – 2013年春

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今回はりくぜんさんのブログ『当たり判定ゼロ』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/346553をごらんください。

ゲーム業界各社決算まとめ – 2013年春

プレイ動画を見てゲームを遊んだ気になる問題というものがあります。「自分で遊ばないゲームなんてゲームやってるとは言えねぇ!」と断じるのは簡単ですが、実はこの解釈を認めてしまったほうが我々の益になることが多いのです。たとえばテレビ欄を見ただけでテレビを見た気になれれば、わざわざテレビを見なくて良いのでお得ですし、蟹工船を読んでいるだけで辛い労働をした気になれれば会社に行かずに済むのです。我々には観測を体験に変える力があります。
男の子なら誰しも「自分のゲーム会社を持ちたい」という夢を抱いたことがあると思います。この場合、わざわざ資本金やスタッフを集めて会社を立ち上げなくとも、企業の決算を眺めることで会社を経営している気分になることができるのではないでしょうか。事件は現場で起こっているのではなく、六畳の狭い部屋の中ですべて完結することができるのです。そう考えた私は企業の決算を集め、眺め、数字を舐めまわしました。なるほど、確かにこれは会社を経営していなくとも、あたかも経営しているような気分になれるかもしれない。しかしそもそも自分の脳内だけで完結することを是とするならば、今目の前にあるものはすべて自分の脳が生み出した産物ではないのか。プレイ動画を見てゲームをやった気になっているのも、蟹工船を見て会社に行った気になってるのも、決算をみて経営をわかった気になっているのもすべて偽物ではないのか。本当の我々は脳を培養液の中に沈められていて夢を見ているだけではないと誰が断言できるのだ。
なんということだ、ゲームのプレイ動画を見ているだけで世界の真実に辿り着いてしまうなんて…。
早く! 早く誰かに真実を伝えなければ…! しかしこの部屋の外も結局は自分の脳内でシミュレーションされた世界であることは明白だし、隣人も私の脳内の創造物にしか過ぎないのです。ではどうすれば良いのか。考えた結果、とりあえず死ぬことにしました。死んで、私の脳内にいない誰かに真実を伝えに行くことにします。それでは、さようなら。

「警部、この書き置きがガイシャの死体のそばに」
「……セカイ系をこじらせたのか。かわいそうに。……この資料は?」
「ガイシャが生前集めた資料と思われます。書き置きによるとゲーム会社の決算だとか」
「ほう、どれどれ……」

さて、慣れている方はここまで読み飛ばしていただけたことかと思いますが、ここからいつもの定点観測です。
左側は、期毎の収益の推移。右側は直近の決算における財務の状況になります。たとえ一時の収益が悪くともそれを耐えられるほど資産状況が良ければ倒産等は発生しないわけで、財政状況は企業の体力を表しているものと言えますね。RPG的に言うと、資産がHPで、収支がダメージとか回復って感じ。まぁこれは個人のお財布に置き換えても同じ話ですけど。
会計知っている人には今更の話ですが、会計やってない人はだいたいそういう風に理解してもらってれば大丈夫です。

バンダイナムコホールディングス


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前期まではわりと全事業がバランスよく伸びてたんですが、今期はアイカツおじさんのお布施も届かずトイホビー事業が減速する一方、コンテンツ事業が営業利益ベースで前期比114.3%増の364億円と躍進。そしてついに決算短信にも、増収要因として「機動戦士ガンダム」シリーズ、「ワンピースグランドコレクション」に続いて「アイドルマスターシンデレラガールズ」が挙げられるようになりました。ちひろさんのお働きに本社も満足のご様子…。
バランスシートも借金少なく、自己資本厚く、資産の流動性が高いと老舗だけあって文句のつけようのない安定感。今や完全無欠のスーパーアイドル状態ですが、来期の見通しはやや固め。もっとも今期も株主から「来期予想が固め過ぎないか」と指摘されながらも保守的な業績予想を立て続けて、何回か上方修正しています。
来期予想ってのは、集金したい会社は強めに記載しますし、あとで下方修正するのが嫌な会社は保守的な数字を作りますし、そのときそのときの会社の状況によってぜんぜん違う数字が出てくるので、真に受けることはないんですけどね。

セガサミーホールディングス


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近年好調が続いてきたのですが、直近の決算ではちょっと一服といったところ。原因としては、いわゆるぱちんこ遊技機事業の落ち込みが挙げられます。というかセガの方は元々儲かってないから減りようがなくて安心ですね!基本的にセガサミーの決算見るときは、業績良ければ「パチスロ台売れたんだなー」、業績悪ければ「パチスロ台の数が出なかったんだなー」で、だいたい合ってるから困る。
コンシュマー事業は前期の151億円の赤字から7億円の赤字への大幅な業績改善。といっても、セガのゲームの去年のヒット作なんて「龍が如く」くらいしか印象にないのですが、欧米でソニックやらエイリアンやらがミリオン行ったらしく、海外主体で業績が改善している傾向にあります。というかエイリアンは画像だけ見ると*1迫力があってすげえ面白そうなんですけど。

*1:「『Aliens: Colonial Marines』海外レビュー」 2013年02月13日 『Choke Point』
http://www.choke-point.com/?p=13098

来期は売上1.5倍、営業利益が約4倍という、おいおいソシャゲで一発当てるのかみたいな計画になっていますが、当然あんまりゲームは関係なくてサミー側のほうで売上をもとに戻しますよ、みたいな話。ついでにセガも黒字化を予定。ところで先般のNitendoダイレクトでセガのゲームが発表されていましたけど、決算資料の計画にも掲載されていて、WiiU向けには今年度で7本のリリースが予定されているそうです。

コナミ


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上の表以前のH20年~H22年頃は売上3000億、営業利益300億前後で安定している企業でしたが(メタルギアがあれば300を超えて、なければ300を切る感じ)ドラコレバブルに湧いたH24年に大きく利益を伸ばしたほかは、基本的に売上・売上とも減少傾向にあります。営業利益率については、ドラコレバブルのH24期を除くと10%前後で安定しており、売上の減少が利益の絶対値を押し下げている構造になっていますね。
コナミは、安定した施設事業(スポーツクラブ)と、変動要因の大きいゲーム事業、カジノ機器事業に分けられるのですが、近年売上が落ち込んでいる要因としては、ゲームソフトの販売本数が落ちている点が大きいですね(H23期:2,194万本 → H24期:1,830万本 → H25期:1,361万本)。
特に野球ゲームがパッとしない数字が続いていますが、プロスピ2013はかなり出来がよくてオススメなんですけどね。パワプロもこの時期まできて未だに今年分の新作が発表されていないけど、ちゃんと出るんですよねぇ…。前にも言ったかもしれないけど、私はパワプロのサクセスをやる時間を作るために野球部を辞めました。そのようなゲームと現実の区別が全くついていない立派な人間をこれからも育てていくためにも、良質なサクセスを作り続けていただきたいと切に願います。

スクウェア・エニックス・ホールディングス


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業績が悪すぎて和田のおじさんがクビになってしまったでござるの巻。売上高が上がっているのですが、それ以上に原価が伸びています。ゆえに利益率が大幅に悪化しているのが赤字の要因ですが、決算短信には「欧米における家庭用ゲーム機向けの大型ソフト販売が伸び悩み」と記載があることから、例えばカプコンのバイオハザード5みたいに膨大な開発費をかける一方で、大量の販売本数を捌いてペイする方針だったソフトがあるんでしょうねぇ。前の半期の記事の時にも書いたんですが、どうもスリーピングドッグスがやらかしたくさい気がする…。
ともあれ、「過去のFFをリメイク!あの感動がスマホでよみがえる!」だの「待望のファイナルファンタジー新作!仲間たちと協力してMobageの舞台で冒険だ!」みたいなズコー展開がスクエニのお約束となっている昨今ですが、一方でコンシュマー向け新作の方はライトニングさんが変なカッコして真顔で電車にガタンゴトン揺られており完全に芸人さんと化しているところを見ると、日本の小学生のコモンセンスであったFFの復活はもう少し未来のことになりそうなんじゃ。

カプコン


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モンハン4が3月から夏に発売延期になったのが惜しかった。3月に発売していれば、初の売上1000億の達成はまず間違いなかったことでしょう。今期の新規IPとしては「ドラゴンズドグマ」が計画以上に売れたらしく、採算性も良かったと触れられています。大手メーカーが安定した販売本数を求めてシリーズシリーズの繰り返しになっている中、カプコンはわりと単発モノの良作を定期的に出してくれるのが古き良きゲームメーカーの側面を残していて良いと思います。ちょっと古い話ですけど、デッドライジングとかロストプラネットとかポンポンと出してきたときは、おおっと思いましたもんね。
ところでカプコンもパチスロ事業を持っているんですけど、コンテンツ事業が売上636億、営業利益70億で営業利益率が11.0%である一方、パチスロ事業が売上167億、営業利益48億で、営業利益率が28.7%だったりして、未だにパチスロってのは儲かるんだなぁと改めて感じてしまいます。
パチスロもなんだかんだ言って生き残っているのだから、似たような搾取系商売であるソシャゲもこの先生きのこることができるのでしょう。利益率の良い商売はやっぱり強いです。

コーエーテクモ


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信長の野望30周年ということで期待はしていたところ、ついに新作の「信長の野望 創造」が発表されました。個人的に、シリーズ最高傑作は「信長の野望 革新」と思っており未だに遊んでいるのですが、革新を超える名作であることを期待します。
ところでついにウイニングポストの新作も出ましたね!「WinningPost 7」「WinningPost 7 PK」「WinningPost 7 2006」「WinningPost 7 2007」「WinningPost 7 2008」「WinningPost 7 2009」「WinningPost 7 2010」「WinningPost 7 2012」に続くファン待望の新作!
その名も「WinningPost 7 2013」!!!!
なんということだ……。なんということだ……。
信長の野望は通して30週年となりますが、ウイニングポスト7は2004年発売ですから、来年でとうとうめでたく10周年を迎えてしまう始末。ウイニングポストじゃなくてウイニングポスト7が。我々人類は一体あと何回「シービーはどこだ!シービーが来た!」を見せられたら許しを得られるのか。
決算をみてみると利益率の改善により減収増益となっています。コーエーは家庭用ゲームメーカーの中で屈指の利益率を誇り、無双の新作発売やガスト系の好調により今期も18%弱と高水準にありますが、焼き直し無双で荒稼ぎしていた2008年、2009年ごろは22%前後をウロウロしていましたし、短信でもさらなる収益力の向上をテーマに掲げていますので「胡麻の油と百姓は絞るほど出る…」みたいな神尾春央的な感じで怖いです。できれば織田・アンジェリーク・信長みたいな遊び心をいつまでも持っていただきたいと願う次第。

インデックス(アトラス)(半期)


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ここ数年壊滅的だった利益が昨年度の決算では最終黒字になり、どうもその後ペルソナも好調っぽい。世界樹の迷宮の新作も発売する。風…なんだろう吹いてきてる確実に、着実に、業績改善のほうに。中途半端はやめよう。とにかく上方修正が来るから一儲けしてやろうじゃん。ネット証券の画面の向こうにはたくさんの仲間がいる。決して一人じゃない。信じよう。そしてともに買おう。空売りやデマが流されたりするだろうけど、絶対に流されるなよ。
…という流れが実際ありまして、中間決算が出る前日までは上方修正期待で連日ストップ高だったんですけどね。
ところがいざ中間決算になると、そもそも期限までに決算書が出てこなくてストップ高からそのまま監理銘柄送りになるわ、実際に出てきた決算はまさかの大幅下方修正で最終赤字になってるわ、その赤字を受けて自己資本がスッカラカンになり債務超過になってるわと、花畑だーと思ってウキウキしながら調べたら毒吹きアゲハ3体の開幕鱗粉でhageました!みたいな話。
決算を細かく見ていくと、本業の赤字もさることながら何らかの不良債権に対して11億円の引当金を積んだ(損失処理した)ことが火に油を注ぐ形になっています。また、資産構成の問題は相変わらず改善しておらず手許現金が8億円の一方で、1年以内に返済期限の来る借金が193億円あるなど、銀行に命綱を預けたままの状態は全く変わっておらず、これに債務超過に伴う上場廃止危機の問題が加わった形。
そこで問題だ! この債務超過のバランスシートでどうやって上場廃止をかわすか?
3択 一つだけ選びなさい
答え(1) ハンサムのインデックスは突如世界樹がバカ売れして救われる。
答え(2) スポンサーが金を出して助けてくれる。
答え(3) 上場廃止 現実は非情である。
インデックスが○を付けたいのは答え(2)ですが、期待はできません。
ちらほら「む、娘だけは見逃してくれ…!」的な、せめてアトラスだけ救出というご意見を目にすることがありますが、今のインデックスが収益の生命線たるアトラスをそう安値で事業売却するはずもなく、仮に成立するとしても価格はインデックス本体が生き残れるレベルの金額が最低限となるでしょうが、そんな太っ腹なスポンサーが都合よく現れてアメリカンコミック・ヒーローのように「待ってました!」と間一髪助けてくれるってわけにはいきません。
一方、銀行側に助けを求めるならば、債権カット、債権の劣後債化、あるいは債権の資本化とかまぁ手段はいくつかあるにはあるのですが、それをするには銀行も身を切ることになるため、可能性としては薄い。
やはり答えは…………(1)しかねぇようだ!
しかし世界樹新作は1のリメイクかー。正直2周もしてしまったのでもう1回やる気にはならない…。3から入ったとかで、1をやったことない人にはオススメすることはできますけどね。

日本ファルコム(半期)


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ファルコムみたいな小さなソフトメーカーは、年がら年中ソフトを発売するわけではないので、人件費等の固定費だけ先に積み上がってしまうことがあるんですね。ファルコムは毎年、決算期の前くらいにソフトを発売するので、いつも中間決算の数字がものすごく悪くて、決算で黒字に転換する傾向があるのですが、今期は中間の時点で既に黒字という絶好調さ。中間決算の状態なので、見かけ上右肩下がりに見えますが、9月にはまたしっかりした数字が出ていることでしょう。中間時点で黒字になっているのは、空の軌跡のリマスターが売れているのが要因ですが、こうも世の中にリメイク・リマスターが氾濫するところを見ると、やっぱり採算いいんでしょうね。新作発売のインパクトをもう一度与えて、店頭の新作欄に置いてもらえるわけですから、マーケティング的にもおいしい。
バランスシートは相変わらず特に金を使っていることもないため、流動資産(ほぼ現金)と純資産の色以外ほぼ見えないような状況が続いており、引き続き歩く現預金。この余剰資金の使い道ってのが経営者によって大きく変わるところで、きっとシブサワ・コウを経営者にしたら株でも買っていることでしょう。

ケイブ(第3四半期)


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収支芳しくないケイブ。最近のグラフだけを見ると右肩下がり用に見えますが、以前はわりと安定的な利益計上を続けていくタイプの企業でした。業績下落の要因としては、ソーシャルゲーム事業の売上減少が挙げられます。ソシャゲが成長ジャンルと見て、経営リソースをソシャゲに振り分けたところパッとしないという悲しい事態。決算説明資料で、ケイブとしては既存のゲーム性の低いソーシャルに飽きてきたユーザーを拾い上げていく戦略で行くらしく、その結果がスマホ版怒首領蜂大復活やらデススマイルズやらという話なんでしょうね。
ところで短信に面白い部分があったので引用。

PC向けオンラインゲーム「真・女神転生IMAGINE」における、有効期限の過ぎたゲーム内専用通貨の償却に伴う前受金償却益31百万円を営業外収益として計上し、

つまるところ、ゲーム内通貨を売り上げると前受金にしてバランスシートの負債に計上して、ゲーム内通貨が実際に使用された際に前受金から落として売上計上するという会計処理となります。ただし、中には前受金として計上されたまま売上に移行せず期限が到来するゲーム内通貨も発生するわけで、今回はそれを営業外収益として利益計上したというわけですね。まさに埋蔵金ビジネス!
改めて償却すると女神転生IMAGINEクラスでも結構な金額になるもんですねぇ。言い換えると、それだけ金入れっぱで死んでるユーザーが多いということでしょうか。ちなみにモバコインの有効期限は、最後に取得または使用した時から数えて1年。気をつけましょう。
そして今月ようやく怒首領蜂最大往生の360版が出ますね。忘れずに買うようにしましょう。

日本一ソフトウェア


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日本一の短信読んでると「ディスガイア」の文字がゲシュタルト崩壊してくるのが特徴です。なかなかディスガイア以外の柱が見つかりませんね。
3月20日にディスガイアD2を発売することで決算に間に合わせたにもかかわらず赤字というのは、さすがにうっという感じなんですが、特に決算短信に原因の記載がなく何ともコメントしづらい。「~を発売しました。~を行いました。その結果営業損失~となりました」とナチュラルに流されており、ちょっと他社と比べると全体的に書類の情報不足感が強い。6月末くらいに決算説明資料がアップされるんで、原因分析とかの詳細はそれ待ちってとこですかねー。

任天堂


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「ヒャッハー!久々のコンシュマー機だー!ゲームをたくさん出すぜー!」「そ、それだけは…いかん…クリスマス商戦に間に合わなくなる…」「ヒャッハー!なおさら発売延期にしてやりたくなったぜー!」「た、頼む…明日より、今日なんじゃ!」だいたいこんな感じ。
いよいよ発売したWiiUでしたが、(アップデートで改善されましたが)読み込みが異様に遅かったり、メイン画面に表示されているプリインストールの吉本ネットワークや出前館を起動しても「配信予定です」みたいな表示が出るのはさすがに作りかけ感が強かった。ただ、作りかけ感ってのは、反面「進化がありそう感」みたいなところもあって、機器が特殊なのもあいまって将来性みたいなのは感じられるんですよね。なんというか、MAX146km/hのストレートと長身から投げ下ろすカーブが特徴的な大型高卒左腕みたいなイメージ。この、化ければとんでもないぞみたいなロマン枠ね。
収支をみてみると、案の定円安で400億近い為替差益が出ており、営業利益は赤字ですが最終利益は黒字。ずっと円高に苦しんでいたので、この急激に進行した円安は恵みの雨みたいなもんですね。とはいえ「外国においてた貯金が円に直したら利益が出ましたー」で満足してるのは完全に老後の資産運用みたいな発想なので、岩田さんの言うとおり本業の利益である営業利益で数字を確保できるかが今期の大きなテーマとなります。
ところでヒャッハーで思い出しましたが、北斗の拳でスペードが「なおさらその種モミを食いたくなったぜー!」とか発言しますけど、言うほど種もみって食いたいか?

ソニー


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銀行や生保の金融事業が相変わらず一番儲かっているのですが、円安効果もあり製造業系事業も全般的に好転。ここに出ている中では任天堂と並んで最も円安の受益があった企業の一つと言えそうです。まぁテレビ事業とかを見るのは主旨ではないんで、ゲームのところを見ていくとこちらは売上高(8060億円→7071億円)、営業利益(293億円→17億円)とも減少。Vitaちゃん助かりませんでした。やっぱり神様なんていなかったね。目標売上数量1000万はさすがにハードすぎたというか、営業マンがストレスで死んじゃう!
ところでソニーに関しては、やはりPS4について気になるところですが、来期見通しの中にPS4の販売開始による大幅な増収と広告宣伝費等の増加による費用増が織り込まれており、今期中の発売は報道どおりほぼ間違いなさそう。利益としては、今期とトントンで見ているとのこと。
任天堂が変化球路線で来ているので、ソニーは直球路線で来てもらえると住み分けができてありがたいっちゃありがたいです。Kinnect買って思ったんですけど、テレビに手のひらかざしたり踊ったりするのは恥ずかしくて死ぬのでぜひ普通のコントローラーだと嬉しい。
いつの間にかスクエニがどこかに行ってしまってポッカリ開いてしまったJRPGの穴をファルコムがコンシュマーに進出して埋めたように、家電の一環でも何でもない余計な機能のついてない普通のゲーム機のポジションは日本だとソニーにしか埋められないでしょう。あー、やっぱセガでも埋められる気がするのでセガが作ってくれてもいいです。

DeNA


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財務担当ちひろさんのおかげでベイス絶好調やでぇ!我々Pはアイドルに投資しているのかとおもいきや、実態としてはブランコ、ラミレス、ソーサらの粒々とした筋肉を買っているわけで、すげえ可愛いコスプレイヤーかと思いきや化粧取ると男だったみたいな構図があります。まぁアイドルに投資するというのは元来そういう作りから逃げられない宿命なんでいいんですけどね(白目)。ベイスについては短信でも触れられていますが、エアーリンクの旅行代理店事業などと交えて「その他事業」として包括的に記載されており、88.2億円の売上、11.7億円の損失が計上されています。ベイス単体での収支報告はよ!
しかし今期のベイス調子いいですね。元々層が厚かった二遊間に加えて、多村が帰ってきて外野も充実。問題はピッチングスタッフなのは誰の目にも明らかで、ソトがもう少し計算できればAクラス待ったなしだったんですけどね。しかし層が厚くなりすぎてキャプテン・タケヒロの出番がますます怪しくなってきたのが気になるところ。(省略されました。続きを読むにはタケタケステップを踏みながらファーストに不自由な送球を行なってください)
ところで前期との比較で見ると相変わらずの増収増益に見えますが、足元では第3四半期から第4四半期にかけて売上の増加が止まっており、営業利益については減少に転じています。まぁ基本焼畑農業で、たとえば昔やめたユーザーが「そういやモガベー面白かったからまたやってみっか!」という発想になることが少ないのが継続性の点で苦しいところ。それを見越してベイス買ったり海外進出してまだ燃えてない森林を探してるのは施策的に至極適切な行動を行なっているものと思われます。
ただ、ベイスはともかくとして海外がパッとしない。そもそもモバゲーって要は絵画ビジネスじゃないですか。「我々はアイドルのカードを手に入れるために日々献金を続けているのであって、絵の質それ自体がサービスの成功を左右するのだ!」ということを、美少女競泳メドレーバトルが体を張って教えてくれたことじゃないですか。だから海外で成功するには、外人が何の絵を所有したがっているのかというリサーチが重要になってくるんじゃないですかね。んー、多くの外人が欲しがる絵……外人に人気の高い絵……。……ピカソ、あたりですかね…?ノーマルだと普通の絵だったのに、進化させると無駄に抽象画になってきてSR引くと完全にゲルニカ!これはヒットまちがいなしやで。あいつらピカソ好きやからな。
しかし同じ絵画ビジネスと考えるなら、紙と電子データの違いはあるにしろ、ピカソに100億円を払うのも神崎蘭子に10万円払うのも同じ行為なんだから、廃課金の人は履歴書の趣味欄に絵画鑑賞って書く権利を持っているような気がする(錯乱)

GREE(第3四半期)


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たとえばかつてのVIPなんて典型的だと思うんですけど、最初にいた連中が面白い場所を作ったとしても、後からやってきた人の数だけ同じように面白さが比例して増すのかと言えば、そうではないという話があるとかないとか。成長企業にしても同じ事で、社員が増加したとき、全員が当初いた社員と同じレベルの生産性が上げられるかといえばそうではありません。いや、後から来た人がコバンザメかって話かといえばそうではなくて、単純に母数の問題で。少人数だとたまたま優秀な人ばかり集まったり、あるいは全くダメな人ばかり集まったり、ゆらぎが大きい。企業の規模が拡大するにつれてハイパフォーマーの割合がある程度に収斂し、結果として生産性が落ち着いた数字になるのは、組織のメカニズム上やむを得ないところではあります。
というわけで、拡大した固定費を売上高の増加でカバーできず、大きく営業利益率が落ち込んでいる点が目立ちます。営業利益率が減少傾向にあるのは同業のDeNAも同様とはいえ、さすがに比べるとGREEの落ち込みが大きい。DeNAとGREEなぜ差がついたのか…ちひろ、ラミレスの違い…。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント(第1四半期)


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あ…ありのまま今起こった事を話すぜ…! この前株価が100万円を超えてそのまま上昇していったと思ったら、いつの間にかまた100万円に到達していた…! な… 何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何が起こっているのかわからなかった。頭がどうにかなりそうだった…。「ガンホー・がんばってます!」とかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…と、うちのポルナレフが言ってました。

利益の大幅増もさることながら、異常な勢いで上がっていく株価が話題のガンホー。株式10分割したらあっという間に元の値段に戻しちまったでござるの巻。
原則、株式投資は二種類に分けられます。短期投資と長期投資。言い換えれば「この株がすぐ値上がりするから買う」「この企業は伸びると思うから買う」。現在、ガンホー株式の推進力となっているのは「割高だと思ってるけどみんなが買ってさらに上がるから買う」という典型的な短期投資資金と思われます。要するに、後からついてきた誰かにババを押し付けて儲けられる相場。「最後に爆弾を持っているのは誰だー!」みたいなフジテレビのバラエティ的な絵面を鉄火場でやってる感じですかね。
短期資金が多いというのは、お金がやってくるのも速いがお金が逃げ出すのも速いというのが問題でして、現在の成長が維持できなくなってこれ以上株価の上昇が見込めなくなった途端、安定を通り越して急落してしまうのは成長企業に珍しい現象ではありません。現在、株価の暴騰はガンホーだけではなく特にIT系を中心とした新興市場全体で起こっていますが、このバブルはガンホーをフラッグシップとしている面が強いので、ガンホーがコケたら新興市場全体がマンクルポとなってしまう恐れは強いと思ってる人は結構多いんじゃないですかね。

ただこの手のバブルって、参加者自身もそれがバブルであることを十分に理解して参加しているのが滑稽なところで。
「音楽が鳴りやむまで、踊り続けなくてはならない」。2007年、サブプライムバブル崩壊の少し前、リーマン・ブラザーズが倒産する前年にシティバンクのCEOをやっていたチャールズ・プリンスというおじさんが言っていた言葉です。チャールズ・プリンス率いるシティバンクは、翌年サブプライムバブルの崩壊で世界最大の損失を被ってしまうのですが、その言葉自体は間違っていなくて、結局こういう相場って音楽が鳴ってることを確信したらとりあえず踊っておくのが正着なんですよね。でないと儲けなんて出ない。
したがってバブル局面におけるプレイヤーの最終的な巧緻は、音楽が鳴り止む瞬間の見極めにこそあるわけですが、全プレイヤーがその瞬間を狙っているからこそ、ヨーイドンで脱出が始まりチャート上に見事なナイアガラが形成されてしまうわけですね。おおこわいこわい。

クソみたいな長文書いてわけわからなくなってきたので、要約するとだいたいこういうことです。
「うはwwwwwwwww株価トレインwwwwwwバブル作んなwwww」
「うぇwwwwノーマナーwwww通報したwwwwwww」
「決w壊w待wちwwww」
だいぶスッキリしました。

【総括】

・決算期がすべて3月ではないので、売上等の絶対値で見るより赤色ラインの営業利益率を流し読みしたほうがザッと全体掴むには良いと思います。
・これって、今この時点の数字を記念碑的に残すためにやってるので、いつか25/3期を思い出すにあたってはガンホーを除いて語ることはできないことから新たに追加しておきました。しかしあの癌がこんなところで表舞台に出てくるとは。10年前の自分に教えても信じてくれなさそう。ネトゲやってる人にとっては昔からお馴染みですけど、突然一般人巻き込んで市場を席巻したという点で三木道三を思い出します。
・Caveがしばらくアーケード向けSTG作ってくれなさそうですけど、先般CrimzonCloverのNESiCAでの配信が始まったように同人→アーケード化の流れができつつあるのかなぁ。そうするとやっぱり最新のSTG遊ぶなら同人しかないねみたいな話になり、時代は変わった感強い。ともかくも今年は東方のナンバリングタイトルが出るので楽しみですね。東方は、撃つ楽しみよりも避ける楽しみの方が得意分野だと思うので、神霊廟みたいな感じと言うよりは紅魔郷・妖々夢みたいなデザインだと嬉しいなぁ。(紅魔厨)
・ソシャゲに関しては、みんながみんな「この勢いはそのまま続かんぞ」と予測をしている中、GREEが先んじて盛者必衰を体現してみんなの期待に答えてくれたのはすごく予定調和感が高くて、水戸黄門が印籠を出したシーンみたいな感じ。だいたい8時45分。とはいえ、失速折込の来期予測でも営業利益率が30%を超えており、一般的な企業から見ると笑いが止まらないような水準ではあるんですが。
・なるべく削るように書いてるんですが、結局また1万字を超えてしまった。長い、絶対に長い。インターネットにおける3行以上の文章はすべてクソであるという事実にもかかわらず、時間を割いて最後まで読んでいただいた方ありがとうございました。

執筆:この記事はりくぜんさんのブログ『当たり判定ゼロ』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年5月24日時点のものです。

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