不況でも生き残る「負けない」仕事術

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不況でも生き残る「負けない」仕事術
 世界がめまぐるしく変動する今、将来に不安を持たない人はいないだろう。
 将来への不安というのは、つまるところ“自分はちゃんと食べていけるのか”ということだ。
 『勝者が一瞬で敗者になる時代のサバイバル術』(PHP研究所/刊)の著者、山本真司さんによると激動の時代に生き残るためには、「勝つこと」ではなく「負けないこと」だという。
 では負けないためにはどうすればいいのだろうか。ご本人にお話を聞いた。

―『勝者が一瞬で敗者になる時代のサバイバル術』についてお話を伺えればと思います。本書で山本さんは、「負けないこと」の重要性を説いていますが、「勝つこと」と「負けないこと」の違いをどのように考えていらっしゃるのかをまずお聞きできればと思います。

山本「必ずしも優等生社員として生きなくても良いということが第一にあります。「負けないこと」というのは、何があっても首にはならない程度には成果を上げているが、優等生社員ではないというようなイメージです。
私は勝者・敗者のわかりやすい外資系コンサルティング業界に20年以上いました。その間、確かに、「勝ち組」だと言われたこともありましたが、「負け組」になりそうな時も多かったのが現実です。そこで、とにかく会社や業界を去らなければいけないほど状態にはならないということを大目標にしました。
また、独立してからは、自分のやりたい仕事だけをして、目標とする十分な利益が出ているのが勝ちだとすると、利益が出なくて倒産するかもしれない危機状態が負けです。対して、必ずしも自分のやりたい仕事だけをしているわけではないが、天変地異や大不況があっても何とか食えるだけの利益を確保している状態。これが、「負けないこと」のイメージです。負けないというダウンサイドを確保して置き、心安らかに、アップサイドのチャンスを目指してチャレンジするのが、成功の秘訣だと思います」

―「負けない」人生を送るために、山本さんが普段から心に留めていることはどのようなことでしょうか。

山本「負けるときというのは、思い込みが強すぎたり、大きな失敗を見逃したり、見通しが甘いものですね。将来に起きるネガティブな状況を予見するのが、負けないためにはとても大事です。
では、予見は出来るのかという点ですが、できます。全ての将来に起きる悪いことは、現在、小さな兆候として現れているはずです。だから、日常接するお客様のちょっとした態度の変化、同僚・部下・上司の変化、メールの言葉遣い、などの小さな異常に気づくのが大切です。少しチームの気が緩んでいるのも、小さな失敗から分かります。その時に、「このまま放置するとまずい」と思えるかどうかです。また、常に、現場の生情報に接するのも大事ですね。生の情報でないと兆候は拾えません。現場が大事ですよ」

―「現状維持は死に至る病」という言葉が印象に残りました。ただ、常に進歩し続ける意欲を持つというのは、普通の人にとっては難しいことでもあります。どうすれば毎日を意欲的に生きることができるのでしょうか。

山本「そうなんです。人間って楽をしたいですからね。僕も、気がつくと、「現状維持でも良いかな?」という気持ちになってしまいます。でも、本にも書いたように、「現状維持」って滅茶苦茶格好わるいことです。そうなりたくないと固く念じるのが大事ですね。それから、これも本に書きましたが、尊敬できるシニアのメンターを持つこと。いきいきしているシニアは、現状維持の人生を否定しています。そして、最後に毎日のほんのちょっとした成長を喜ぶこと。僕は、ミリメートル、ナノメートルの成長と言っていますが、一寸で良いんです。成長を毎日確認しましょう。それが自信になります」

―また、「仕事に飲のまれずに仕事をのめ」も印象的なフレーズです。「仕事をのむ」というのはどのような状態のことを指しますか?

山本「若い頃、僕は仕事を溜めてしまって、必死にその遅れを取り戻そうとするような仕事の仕方をしていました。それだと精神的にも追い詰められますし、第一楽しくありません。だから、アウトプットは低品質でしたね。でも、ある時期から、僕は仕事は全部楽しもうと思ったんです。じゃあ、どうやったら、楽しめるか?締め切りに追いかけられずに、前倒しに、心も、身体も安定した時を作るように、仕事するタイミングを計算しておく。そして、猛烈にその仕事にのめり込む集中の時間を持つのがポイントだと思います。そして、雑念を捨てる。雑念を捨てて、ただただ仕事にだけのめり込み、集中する。そして身体にも気持ちにも余裕を持っておく。こうすると仕事は楽しくなります。仕事を主体的に料理している感覚になる。これが、仕事を飲むということだと思います」
(後編に続く)



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