雄々しい『女々しくて』を演奏し話題の自衛隊音楽隊ってどんなとこ?

雄々しい『女々しくて』を演奏し話題の自衛隊音楽隊ってどんなとこ?

愛媛県自衛隊入隊・入校激励会で、ゴールデンボンバーの『女々しくて』の演奏を披露した陸上自衛隊第14音楽隊。その映像が、「全然女々しくない」「むしろ雄々しい」とネットで評判になっている。

自衛隊がゴールデンボンバーの「女々しくて」を演奏!「雄々しすぎる」と話題に!
http://togetter.com/li/472445

なんとも壮大な演奏であるが、ここで気になるのが演奏をしている音楽隊。音楽隊とは一体なんなのか。そもそもは戦場での音楽による情報伝達任務を行う軍楽隊であった。軍歌や行進曲など軍隊と音楽の歴史は深く、今もなおパレードや式典での演奏任務や兵士の慰安や士気高揚のための音楽演奏など、音楽隊の果たす役割は大きい。

自衛隊音楽隊は陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊のそれぞれに置かれている、音楽演奏を主な任務とする部隊である。ちなみに海上保安庁音楽隊や警察音楽隊、消防音楽隊といった音楽隊もある。自衛隊音楽隊では上記のような部隊内外の様々な式典やイベントでの演奏のほかに、中央競馬の一部GI競走における発走前のファンファーレ演奏や、音楽隊主催の演奏会なども行っている。もちろん演奏技術向上のための訓練も日々かかさない。ここまではいわゆる音楽家としての任務である。

しかし彼らはれっきとした自衛官でもある。有事の際には警務科部隊の支援を実施する任務にあたる。当然ながら自衛戦闘などに備えた野外訓練(演習等)や射撃訓練も行う。通常は人事・訓練・補給などに関する事務を行っている。演奏をする時以外は普通の自衛官と同じように制服や作業服、迷彩服を着用しているが、演奏時には“演奏服”を着用する。演奏服は自衛隊の式典などでは必ず着用しなければならないのだが、一応夏服冬服があるものの、暑かろうが寒かろうが演奏服を脱いだりコートを着たりしてはいけないため、なかなか大変なんだとか。

音楽隊員になるためには自衛官採用試験に合格する必要があるのはもちろんのこと、それに加えて各音楽隊で実施される実技を受けなければならない。音楽隊には定員があり、欠員が出た場合にのみ補充する形で、なかなかの狭き門だ。その昔は少し音楽をかじった程度でも入隊できたこともあったようだが、最近は音楽大学や芸術大学の音楽隊入隊希望者が多くなり、ますます音楽隊への配属は厳しいものとなっているようだ。

さすがの演奏力やアレンジには感嘆するばかりだが、なぜゆえ“自衛隊入隊・入校激励会”で“女々しくて”をセレクトしたのかはいまだ謎である。音楽隊はわりと流行りの音楽を演奏することが多く(件の陸上自衛隊第14音楽隊、AKB48のメドレーを演奏していたりもする)もしかすると入隊・入校する新人を喜ばせるために“あえて”選曲したのかもしれない。



画像:YouTube投稿より(http://www.youtube.com/watch?v=HHi-FiskibU)

※この記事はガジェ通ウェブライターの「ムラカミ」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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