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自滅する地方 浜松と静岡

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今回はシートンさんのブログ『シートン俗物記』からご寄稿いただきました。

自滅する地方 浜松と静岡

なんだかなぁ。しょうも無い事を書くのは、日経の連中のお得意技ではあるが、これはヒドイ。

ショッピングモールが商店街を潰したというのはウソ?「地方」の真相を読み解くための1冊

「ショッピングモールが商店街を潰したというのはウソ? 「地方」の真相を読み解くための1冊」 2013年02月12日 『オールナイトニッポン Gold Club』
http://anngc.jp/archives/4800

つーか、ほぼ人口条件が同等で、かつ産業においては規模に劣る静岡市の方を比較してみない段階で、しょうもないのが丸わかりなわけだが。

前から述べているように、静岡市の人口規模は浜松市とほぼ同等。産業では浜松に劣るだろう。実際、80年代には、バンバンと公共事業や区画整理等の開発事業や「規制緩和」を行う浜松に対して、静岡市では、住民の反対活動や利害関係の調整に手間を取られ、土木事業も区画整理も進まなかった。

それを揶揄して「やらまいかの浜松、やめまいかの静岡」という言葉まであったほどだ。
(「やらまいか」は遠州ことばで「やろう!」の意味。静岡中部では「やらざぁ」になる。)

で、積極的取り組みだ、と評価されていた浜松市が静岡市に比べてどうなったか、といえばご存じの通り。静岡市中心市街地は、全国地方都市から視察に来る程度に賑わいが残されており、浜松はさんざん区画整理事業を繰り返したにもかかわらず(繰り返したがゆえに)、松菱騒ぎに見るとおり中心市街地の衰退ぶりが目立つ。
(浜松駅近くの旧松菱デパートは再開発を巡って大混乱が続き、再開発複合商業施設ザザシティの失敗もあって行き先不透明になっている。)

静岡市は未だに丸井は撤退していないし、西武は撤退したものの、PARCOがすぐに名乗りを挙げた。懸念材料はあるが(中心市街地から東へ5kmほどの東静岡駅近隣、相川鉄工工場跡地に大型ショッピングモールが建設されている)、浜松との相違はハッキリしている。

なぜならば、モールができたのは、中心街が崩壊した「あと」だからである。丸井が撤退し、西武が撤退し、ニチイが破綻し、地元の百貨店がつぶれ、シャッター商店街化が進んだのは、90年代半ばのバブル崩壊期から2000年代頭にかけて。イオンが進出したのは、2004年以降なのだ。駅前商業拠点が崩壊し、人口80万人の浜松市民の消費需要が宙に浮いたとき、その需要を満たすかたちで、登場したのが郊外モールという順番。

で、問題のこの部分だが、中心市街地の衰退は浜松市および周辺地域の幹線道路建設が進んだ(静岡周辺では開発の進捗が遅かった)事によるロードサイドショップの進出、そして、先行する形で郊外化が進んだ愛知県東部地域へ出店したショッピングモールの利用が進んだからである。(こちらも当然ながら、自動車産業が盛んな愛知県では、自動車利用が進んだため、全国に先行する形で郊外化が起きた。もちろん、トヨタの影響力は大である。)

当たり前だが、勝手に中心市街地の商業施設が衰退する筈もない。浜松市住民の需要はどうなったと思ってんだろう? 浜松の丸井が営業努力を怠って、静岡の丸井が頑張る、みたいな事があるわけはない。単に、ロードサイドへ需要を奪われただけである。

80年代後半から90年代に入って、バブル経済期にはもちろん、不況期にも需要創出の名目で道路建設・拡幅・延伸が相次いだ。当時、浜松周辺の知人の話で、買い物や行楽は豊橋の方のショッピングモールへ出る、と訊いて驚いた事がある。つまり、車社会の拡大によって、浜松の住民が豊橋まで買い物に出掛け(ついでに行楽)が容易になったことが効いたわけだ。
(云うまでもないが、浜松を含めた遠州地域は自動車産業が盛んな事もあり、自動車利用が盛んだった。特に、狭い道路でも走りやすく、車庫証明もいらず、維持経費が安い軽自動車利用が進んだ。もちろん、スズキの軽自動車である。)

浜松市近郊のロードサイドにイオンのショッピングモールが登場したのは、その現象の帰結でしかない。

ショッピングモールが商店街を潰す、という意見は、自動車に依存する地域の問題の象徴的な部分であって、本質は「自動車社会が商店街を潰す」という事なのだ。

何度も述べているけど、自動車社会が良い、というなら、好きにすればいいと思う。

ただし、自動車に依存した地域というのは、高コストな割にリスキーである事は承知しておいて損は無いし、地域活性化、などというスカスカのスローガンを掲げるのは止めた方が良い。
(自動車利用は行動距離を拡げるので、利用者の生活行動は地域に制約されなくなる。つまり、地域概念自体を無化する。)

執筆: この記事はシートンさんのブログ『シートン俗物記』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年02月28日時点のものです。

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