『2ちゃんねる』捜査に国家賠償請求訴訟 未来検索ブラジルの訴状・コメント全文掲載
未来検索ブラジルと東京産業新聞社は2月20日、『2ちゃんねる』での麻薬特例法違反幇助容疑で実施された家宅捜索と差し押さえを違憲・違法として、東京都と大阪府を被告とした国家賠償請求訴訟を提起しました。原告となる未来検索ブラジルと東京産業新聞社による訴状と代表取締役の深水英一郎のコメントを全文公開します。
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https://getnews.jp/archives/291173
訴状 全文引用
訴状
平成25年2月20日
東京地方裁判所御中
原告ら訴訟代理人
弁護士山下幸夫
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-16-1 宮坂甲斐路ビル6階
原告有限会社未来検索ブラジル
代表者代表取締役深水英一郎
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-16-1 宮坂甲斐路ビル6階
原告株式会社東京産業新聞社
代表者代表取締役深水英一郎
〒160-0015 東京都新宿区大京町22-2 大京町PJビル3階
光伸法律事務所(送達場所)
電話03-5363-5371
FAX 03-5363-5374
原告ら訴訟代理人
弁護士山下幸夫
〒160-0023 東京都新宿区西新宿2丁目8-1
被告東京都
代表者知事猪瀬直樹
〒540-8570 大阪市中央区大手前2丁目
被告大阪府
代表者知事松井一郎
国家賠償請求事件
訴訟物の価額金110万円
ちょう用印紙額金1万1000円
第1 請求の趣旨
1 被告らは,原告有限会社未来検索ブラジルに対し,各自金33万円及びこれに対する平成24年12月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告東京都は,原告有限会社未来検索ブラジルに対し,金22万円及びこれに対する平成24年12月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告らは,原告株式会社東京産業新聞社に対し,各自金33万5000円及びこれに対する平成24年12月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 被告東京都は,原告株式会社東京産業新聞社に対し,金22万円及びこれに対する平成24年12月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
5 訴訟費用は被告らの負担とする。
との判決並びに仮執行宣言を求める。
第2 請求の原因
1 当事者
(1) 原告ら
ア原告有限会社未来検索ブラジル(以下「原告未来検索ブラジル」という。)は,コンピュータネットワークによる情報の提供及び広告宣伝業務等を目的とする有限会社である(甲3,甲4,甲5の1,2)。
イ原告株式会社東京産業新聞社(以下「原告東京産業新聞社」という。)は,各種媒体を利用したニュース,情報の収集・処理,提供及び広告の掲載,配信等を目的とする株式会社である(甲6)。
(2) 被告ら
ア被告大阪府は,原告らに対する捜査の過程において,大阪府公務員たる大阪府警察本部(以下「大阪府警」という。)所属の司法警察員のなした職務につき,国家賠償法1条1項の責任を負う者である。
イ被告東京都は,原告らに対する捜査の過程において,東京都公務員たる警視庁所属の司法警察員のなした職務につき,国会賠償法1条1項の責任を負う者である。
2 原告の事務所に対する捜索・差押えについて
(1) 平成23年11月24日の捜索・差押えについて
平成23年11月24日,警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課所属の司法警察員巡査部長岡野克俊らは,東京簡易裁判所裁判官が発付した被疑者不詳の国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反(以下「麻薬特例法」という。)被疑事件(以下「第1被疑事件」という。)について,捜索すべき場所,身体又は物を原告未来検索ブラジルの事務所とする捜索差押許可状に基づき,原告の事務所を捜索し,経理関係書類や業務に使用している各種パソコンやサーバーなど,別紙1記載の物を差し押さえた。
なお,差し押さえられた物件は,平成24年12月8日までに,全て還付されている。
(2) 平成24年12月3日の捜索について
平成24年12月3日,大阪府警の山口誠也警部補ら並びに警視庁の藤原昌儀らは,東京簡易裁判所裁判官が発付した被疑者不詳の威力業務妨害被疑事件(以下「第2被疑事件」という。)について,捜索すべき場所,身体又は物を原告未来検索ブラジルの事務所とする捜索差押許可状に基づき,原告の事務所を捜索したが,物件を押収するには至らなかった。
3 原告未来検索ブラジルの取締役に対する捜索・差押えについて
(1) 平成24年3月5日の捜索・差押えについて
平成24年3月5日,警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課所属の司法警察員巡査部長石川尚宏らは,東京簡易裁判所裁判官が発付した被疑者不詳に対する第1被疑事件について,捜索すべき場所,身体又は物を,原告未来検索ブラジルの取締役である訴外西村博之(以下「西村取締役」という。)の自宅等とする捜索差押許可状に基づき,同自宅等を捜索し,パーソナル・コンピュータやハードディスクなど別紙3及び同4記載の物を差し押さえた。
なお,差し押さえられた物件は,平成25年1月16日に全て還付されている。
(2) 平成24年12月2日の捜索について
平成24年12月2日,警視庁刑事部捜査第1課の司法警察員巡査部長の和田圭司らは,東京簡易裁判所裁判官が発付した被疑者不詳に対する第2被疑事件について,捜索すべき場所,身体又は物を西村取締役の自宅等とする捜索差押許可状に基づき,同自宅を捜索し,ノートパソコンやハードディスクやSDカードなど別紙5記載の物を差し押さえた。
なお,差し押さえられた物件は,平成25年1月16日に全て還付されている。
4 第1,第2被疑事件における捜索差押処分の違憲性,違法性について
(1) 本件各捜索差押処分の違憲性,違法性
憲法35条は,住居等の不可侵を基本的人権の1つとして保障し,それを現実的に保障するために,司法機関によるチェック制度として令状主義を採用している。
この令状主義の最低限の要請は,捜査機関による無差別の捜索・押収を防止することにある。同条は,この一般令状の禁止を具体化するために,「正当な理由」に基づいて発せられた「各別」の令状を要求している。
そして,その「正当な理由」とは具体的には,①犯罪の相当な嫌疑の存在,②捜索場所並びに差押目的物と当該事件との関連性の存在,③捜索・差押の必要性の存在を意味するものである。
憲法35条が要求する「正当な理由」としての差押目的物と被疑事件との関連性は,そもそも本来差し押さえられるべきものが「証拠物又は没収すべき物と思料するもの」に限られる(刑事訴訟法99条)ことからすると,その被疑事件について「証拠物又は没収すべき物」と考えられる程度に密接なものでなければならず,何らかの意味で「関連性」があるという抽象的なものでは足りないというべきである。
すなわち,刑事訴訟法99条が差し押さえられるべき物をあえて限定したのは,個人の財産権やプライバシーの利益(憲法29条,同13条)と裁判の公正という利益との調和を図るためであり,裁判の公正の実現のためには,何らかの差押の関連性があれば,何でも差し押さえてよい,という意味では決してなく,その関連性は厳しく判断されるべきである。
すなわち,刑事訴訟法222条1項によって準用される同法102条2項は,被疑者以外の者の身体や住居等については「押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合」に限って捜索を認めており,これは,憲法35条が住居等の不可侵を基本的人権の一つとして保障し,「正当な理由」がなければ捜索差押ができないことを具体化した規定であるが,第1被疑事件及び第2被疑事件のいずれにおいても,後述するように,原告未来検索ブラジルや西村取締役との関連性を認めることは困難であるから,各捜索処分は違憲・違法である。
また,「犯罪の態様,軽重,差押物の証拠としての価値,重要性,差押物が隠滅毀損されるおそれの有無,差押によって受ける被差押者の不利益の程度その他諸般の事情に照らし明らかに差押の必要がないと認められるときにまで差押を是認しなければならない理由はない」(最高裁判所第三小法廷昭和44年3月18日決定・刑集23巻3号153頁)のであり,差押の必要性の有無についても厳しく判断されるべきであるが,原告未来検索ブラジルに対する第1被疑事件並びに西村取締役に対する第1被疑事件及び第2被疑事件において,差押の必要性がないことも明らかであるから,差押処分は違憲・違法である(このことは後日全ての押収物が還付されていることからも窺うことができる)。
したがって,本件各捜索・差押処分は,憲法35条及び刑事訴訟法222条1項,102条2項に反して行われたものであるから,いずれも違憲・違法である。
(2) 第1被疑事件との関連性がないこと
第1被疑事件は,電子掲示板「2ちゃんねる」(インターネット上の電子掲示板として有名であり,幅広いジャンルの掲示板から構成されており,匿名で意見を書き込めるのが特徴とされている。)において,覚せい剤取引の広告を目的とする書き込みがなされたが,その書き込みを削除せずに放置したことが覚せい剤売買の幇助に当たるとする麻薬特例法違反幇助容疑である(甲1,甲2)。
原告は,「2ちゃんねる」に掲載される広告についての広告代理店を務め,「2ちゃんねる」の検索サービスを行うなど,「2ちゃんねる」に関係したビジネスを行ってはいるが,直接,「2ちゃんねる」の運営に関与している訳ではないから,麻薬特例法違反幇助容疑について「押収すべき物の存在を認めるに足りる状況」があるとは到底考えられない。そして,後日,押収された全物件が還付されているが,それは,そもそも,差し押さえる必要がなかったことを裏付けるものである。
また,西村取締役は,「2ちゃんねる」の創設以来,その管理人だった者であるが,平成21年にシンガポールの会社に,その事業を譲渡し,管理人を退いたことを明らかにしているものであり,麻薬特例法違反幇助容疑について「押収すべき物の存在を認めるに足りる状況」があるとは考えられない。
(3) 第2被疑事件との関連がないこと
第2被疑事件は,いわゆるPC遠隔操作事件と言われている事件のうちの東京都で発生した東京国際展示場でのコミックマーケットのイベントの参加者を殺害するなどの襲撃予告をした事件である。
この事件は,当初,書き込み時のログに残ったIPアドレスの捜査から,計4人の人間が逮捕された。
警察の捜査に対して,逮捕された4人とも当初は否認したが,取調べの過程で,東京都の男性と福岡県の男性が容疑を認めた。否認し続けた大阪府の男性については大阪地裁に起訴され,容疑を認めた東京都の未成年男性は,静岡家裁浜松支部において保護観察処分となった。
三重県の事件に用いられたパソコンからウイルスが発見されたことから,逮捕後に勾留されていた三重県の男性は釈放された。これを受けて大阪府の男性のパソコンを再度調査したところ,やはり同様のウイルスに感染していた痕跡があったことが判明し,公訴が取り消された。福岡県の男性も,三重県の事件同様のウイルス感染が明らかになっていたことで釈放された。東京都の未成年男性は保護観察処分が取り消された。
その後,真犯人から,弁護士やラジオ局に「自分が真犯人」と名乗るメールが届き,このメールにおいて,メディアで報道されていない事件についても書かれていたことや,メディアで報道されていた事件についても伏せられていた犯行予告の文言などが一字一句同じである等,報道されていない多数の秘密の暴露があったため,捜査当局は,真犯人からのメールと判断し,以後,警視庁や大阪府警などで合同捜査本部を設けて捜査を進めているが,平成25年2月10日,三重県の事件についての威力業務妨害容疑で男性を逮捕しているが,同人は否認していると報じられている。
この事件では,コンピューターウイルスを感染させたり,犯罪予告の書き込み動作を行わせるために,「2ちゃんねる」などの電子掲示板が用いられていたことが明らかとなった。
すなわち,「2ちゃんねる」などの掲示板に,興味をもたせクリックしたくなるような巧みな言葉で罠サイトに誘導する書き込みをして5 人を誘導し,指定されたリンクをクリックするとパソコンが遠隔操作される仕組みになっていた。
しかしながら,前述したとおり,直接に「2ちゃんねる」の運営に関与している訳ではないから,威力業務妨害容疑について「押収すべき物の存在を認めるに足りる状況」があるとは到底考えられず,現に,第2被疑事件では何ら差し押さえられていない。
また,西村取締役についても,既に「2ちゃんねる」の管理人を退いていた者であり,威力業務妨害容疑について「押収すべき物の存在を認めるに足りる状況」があるとは考えられない。
(4) まとめ
よって,第1被疑事件及び第2被疑事件のいずれにおいても,原告未来検索ブラジルや西村取締役との関連性を認めることは困難であるから,捜索処分は違憲・違法であるとともに,差し押さえる必要性がない物件を差し押さえたものであるから,差押処分も違憲・違法である。
5 被告東京都の責任
(1) 捜索差押許可状請求について
第1被疑事件及び2被疑事件において,捜索差押許可状の請求を行った警視庁所属の司法警察員は,その請求の理由がなく違法であることを知りながら,その請求を行った。また,仮に,その請求が違法なものであることを知らなかったとしても,司法警察員としては,令状の発付を請求するにあたり,適切に証拠を評価し,被疑事実と関連性のない第三者の居宅を捜索して第三者のプライバシーの権利等を侵害することのないように慎重に判断する義務があるにもかかわらず,これを怠り,不備な資料や憶測により,原告未来検索ブラジルにつき被疑事件との関連性があるものと漫然と軽信して令状を請求したのであるから,司法警察員には重大な過失がある。
同令状請求行為は,被告東京都の公権力の行使に当たる公務員が職務を行うに際して行ったものであるから,被告東京都はその行為により原告らに与えた損害を賠償する責任がある。
(2) 捜索・差押えの執行について
警視庁所属の司法警察員は,第1被疑事件及び第2被疑事件における捜索が理由がなく,違法なものであることを知りながら,もしくは重大な過失によりこれを知らずに捜索を行い,第1被疑事件については原告未来検索ブラジル及び西村取締役に対する差押処分を行い,第2被疑事件については西村取締役に対する差押処分を行っている。
同捜索・差押えは,被告東京都の公権力の行使に当たる公務員が職務を行うに際して行ったものであるから,被告東京都はその行為により原告らに与えた損害を賠償する責任がある。
6 被告大阪府の責任について
大阪府警所属の司法警察員は,第2被疑事件における原告未来検索ブラジルに対する捜索が理由がなく,違法なものであることを知りながら,もしくは重大な過失によりこれを知らずに捜索を行ったものである。
同捜索は,被告大阪府の公権力の行使に当たる公務員が職務を行うに際して行ったものであるから,被告大阪府はその行為により原告らに与えた損害を賠償する責任がある。
なお,大阪府警は,PC遠隔操作事件については,警視庁と合同捜査を行っており,その捜索差押許可状の執行の責任は,大阪府警と警視庁による共同不法行為となると解される。
7 原告らの損害
(1) 原告未来検索ブラジルが受けた損害
ア無形損害
(ア) 原告未来検索ブラジルは,いわれのない容疑で捜索・差押えをされ,第1被疑事件においては,午前10時30分ころから午後4時30分ころまでの約6時間,第2被疑事件においては午前11時30分ころから午後4時25分ころまでの約5時間弱もの長時間の捜索が実施され,役員や従業員らが捜索に立ち会うなどすることが余儀なくされたために,その間,原告未来検索ブラジルの業務が滞るなどしてその業務が妨害された。
それに加えて,第1被疑事件においては,会計関係書類や業務に使用していたパーソナルコンピュータ等の大量の物件を押収され,それらが還付されるまでの間,それらが使用できない状態に置かれ,その業務が著しく妨害された。
(イ) 原告未来検索ブラジルの事務所が捜索を受けたことにより,同社が犯罪に関与していたかのような偏見を持たれ,それにより原告未来検索ブラジルの社会的信用を低下させられて,その営業に支障を来した。
(ウ) 西村取締役の自宅等に対する2度の捜索差押えにより,原告未来検索ブラジルの業務に使用していたパーソナル・コンピュータや記憶媒体等が押収され,それが還付されるまでの間,それらが使用できない状態に置かれ,その結果,原告未来検索ブラジルの業務に支障が生じている。
(エ) これらについて原告未来検索ブラジルが受けた無形損害としては,第1被疑事件については金30万円が,第2被疑事件については金20万円の合計金50万円が相当である。
イ弁護士費用
原告未来検索ブラジルは,本件訴訟のため弁護士に依頼することを余儀なくされたが,相当因果関係がある弁護士費用としては,第1被疑事件については金3万円が,第2被疑事件については金2万円の合計金5万円が相当である。
ウまとめ
よって,原告未来検索ブラジルは,第1被疑事件については金33万円,第2被疑事件については金22万円の損害を被っている。
(2) 原告東京産業新聞社の受けた損害
ア無形損害
(ア) 原告東京産業株式会社は,日本インターネット報道協会加盟のニュース報道サイトを運営し,紙を使わないニュース配信を行う新聞社として設立された会社であり,「ガジェット通信」(https://getnews.jp/)を公開している。
(イ) 原告東京産業新聞社は,原告未来検索ブラジルの100%子会社であり,実質的には同社の1部門であるが,その事業所は原告未来検索ブラジルと同一であり,従業員も重複している。
(ウ) そのため,第1被疑事件及び第2被疑事件について,大阪府警や警視庁による捜索の際には,警察の捜索を妨害しないように求められ,その結果,外部との連絡をとることが禁じられたり,その場で業務を続けることが困難となった。
そのため,捜索が実施されている時間帯においては,ニュース記事の配信が困難となり,最新の情報を即時に配信することが求められる原告東京産業新聞社の業務が阻害されてしまった。
(エ) これにより,原告東京産業新聞社が受けた無形損害としては,第1被疑事件については金30万円が,第2被疑事件については金20万円が相当である。
イ弁護士費用
原告東京産業新聞社は,本件訴訟のため弁護士に依頼することを余儀なくされたが,相当因果関係がある弁護士費用としては,第1被疑事件については金3万円が,第2被疑事件については金2万円の合計金5万円が相当である。
ウまとめ
よって,原告東京産業新聞社は,第1被疑事件については金33万円,第2被疑事件については金22万円の損害を被っている。
8 結語
よって,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償金として,①原告未来検索ブラジルは,被告らに対して,第2被疑事件につき,金22万円及びこれに対する最終の不法行為の日である平成24年12月3日から支払済みまで民事法定利率年5分の割合による遅延損害金(被告東京都と被告大阪府の損害賠償債務は不真正連帯の関係にある。以下,同じ。),②原告東京産業新聞社は,被告らに対して,第2被疑事件につき,金22万円及びこれに対する最終の不法行為の日である平成24年12月3日から支払済みまで民事法定利率年5分の割合による遅延損害金,③原告未来検索ブラジルは,被告東京都に対して,第1被疑者事件につき,金33万円及びこれに対する最終の不法行為の日である平成24年12月3日から支払済みまで民事法定利率年5分の割合による遅延損害金,④原告東京産業新聞社は,被告らに対して,第1被疑事件につき,金33万円及びこれに対する最終の不法行為の日である平成24年12月3日から支払済みまで民事法定利率年5分の割合による遅延損害金の各支払いを求める。
証明方法
甲第1号証新聞記事(毎日新聞平成24年5月10日付夕刊)
甲第2号証新聞期日(朝日新聞平成24年5月10日付夕刊)
甲第3号証会社概要(原告有限会社未来検索ブラジル)
甲第4号証サービス概要(同上)
甲第5号証の1 「情報には価値があることを知ってほしい~未来検索ブラジル
社長深水英一郎氏&創業社長竹中直純氏(前編)」と題する記事
甲第5号証の2 「情報には価値があることを知ってほしい~未来検索ブラジル
社長深水英一郎氏&創業社長竹中直純氏(後編)」と題する記事
甲第6号証「ゆる記事ニュースサイト『ガジェット通信』について」
その他,必要に応じ,口頭弁論にて提出する。
附属書類
1 訴状副本2通
2 甲号証写し各2通
3 資格証明書2通
4 訴訟委任状2通
別紙1 第1被疑事件における原告の事務所からの押収品一覧表
1 決算報告書1束
2 契約書等1束
3 領収証9ファイル
4 請求書4ファイル
5 契約書等3ファイル
6 説明書類1ファイル
7 銀行取引明細書1ファイル
8 試算表等経理に関する帳簿等1束
9 給与台帳2ファイル
10 決算報告書1ファイル
11 登記簿謄本等1ファイル
12 メールアドレス記載紙片等1ファイル
13 契約書等1束
14 ハードディスク1台
15 ハードディスク1台
16 電磁的記録媒体1ケース
17 電磁的記録媒体1枚
18 領収証1ファイル
19 ソフトウェア1個
20 電磁的記録媒体1袋
21 契約書類1束
22 請求書等1束
23 請求書等1束
24 請求書等1束
25 請求書等1束
26 請求書等1束
27 サーバ説明書1束
28 パーソナルコンピュータ1式
29 パーソナルコンピュータ1式
30 ノート1冊
31 メモ紙1束
32 メモ紙1束
33 請求書等1ファイル
34 領収証等1ファイル
35 メモ紙2枚
36 メモ紙1ファイル
37 外国送金依頼書控1ファイル
38 メモ帳1冊
39 営業マニュアル1ファイル
40 広告関連資料1束
41 パーソナルコンピュータ1式
42 パーソナルコンピュータ1式
43 パーソナルコンピュータ1式
44 パーソナルコンピュータ1式
45 パーソナルコンピュータ1式
46 パーソナルコンピュータ1式
47 パーソナルコンピュータ1式
48 パーソナルコンピュータ1式
49 ハードディスク1式
50 サーバ構成資料1束
51 パーソナルコンピュータ1式
52 パーソナルコンピュータ1式
53 請求書1ファイル
54 領収書5ファイル
55 システム関係書類等1袋
56 パーソナルコンピュータ1式
57 ファイルサーバ1式
58 パーソナルコンピュータ1式
以上
別紙2 第2被疑事件の被疑事実の要旨
被疑者は東京都江東区有明3 丁目11 番1 号東京国際展示場において平成24 年8月10 日から同年8 月12 日まで開催された有限会社コミケットが主催する「コミックマーケット82」のイベントを妨害しようと企て,平成24 年8 月9 日午前10 時ごろから同日午前10 時42 分ごろまでにかけて,愛知県豊田市亀首町町屋洞100 番2 林テレンプ株式会社に備付パーソナルコンピュータを使用して,インターネットサイト「2 ちゃんねる」内の掲示板「【質問可・初心者歓迎】コミケ初参加の人いますか? 126」「【夏コミ】暑さ・寒さ対策について15【冬コミ】」「コミケ行ってみたいんだけど」「企業ブーススレ107」「コミックマーケット総合スレ(77)」の各スレッドに「今週末,コミケでマジで大量殺人する。まず大型車両でキモヲタどもの列にアタック。ガソリン撒いて火をつけてキモヲタどもを火だるまにする。あとナイフで無差別に刺す。爆弾も使ってキモヲタをミンチにする。本当に実行するからね。まっててねーーーーー」とそれぞれ書き込みをし,そのサイト閲覧者らを介して,平成24 年8 月9日午前11 時15 分ごろ,東京都江東区有明3 丁目10 番国際展示場東展示棟1 階東主催者事務室内において同イベント打ち合わせ中のイベント企画責任者である有限会社コミケット営業部安田かほるに通報させ,警備員など平成24 年8 月9 日午後0 時20 分ごろから同8 月12 日午後8 時0 分ごろまでの間,東京都江東区有明3 丁目勤務変更などをして警戒警備強化を余儀なくさせるなどし,正常な警備業務その他の業務遂行に支障を生じさせ,威力を用いて同社の業務を妨害したものである。
別紙3 第1被疑事件における西村取締役の自宅等(新宿区代々木)からの押収品一覧表
1 携帯電話1台
2 携帯電話1台
3 パーソナルコンピュータ1式
4 電磁的記録媒体1個
5 通信文2通
6 ハードディスク1台
7 パーソナルコンピュータ1式
8 ハードディスク1式
9 ハードディスク1式
10 パーソナルコンピュータ1式
11 ハードディスク1台
12 ハードディスク1台
13 USBメモリ1個
14 通信文等1袋
15 通信文3通
16 契約書1ファイル
17 コンピュータソフトウェア1本
18 ファックス等発受信文書1ファイル
19 メモ紙等1ファイル
20 小切手3袋
21 領収証等3ファイル
22 振込送金に関する書類1束
23 領収証等1袋
24 覚書等1ファイル
25 明細書1ファイル
26 組織運営に関する書類1ファイル
27 CD-R等3枚
28 領収証等1束
29 ハードディスク1台
30 パーソナルコンピュータ1台
31 社印等3本
32 葉書等1箱
33 領収証等1ファイル
34 契約書等1袋
35 契約書2枚
36 海外送金に関する書類1束
37 海外送金に関する書類2袋
38 契約書等1袋
39 決算報告書1袋
40 領収証等1束
41 契約書等2袋
42 銀行取引明細書1箱
43 組織運営に関する書類1袋
別紙4 第1被疑事件における西村取締役の自宅等(新宿区西新宿)からの押収品一覧表
1 パーソナルコンピュータ1台
以上
別紙5 第2被疑事件における西村取締役の自宅等(代々木)からの押収品一覧表
1 ノートパソコン1式
パナソニック製Let’s note 銀色,型式CF-B10
2 ノートパソコン1 式
lenovo 製型式X201s 黒色
3 ノートパソコン1式
KOHJINSHA 製型式SX 黒色
4 スマートフォン1台
アイフォン32 GB モデル黒色,ケーブル付
5 スマートフォン1台
au htc製黒色
6 携帯電話1台
au ソニー製赤色型式W43S
7 ハードディスク1台
東芝製160GB
8 外付ハードディスク1台
銀色のもので,黒色ケース入ケーブル付フタが固定されていないもの
9 USBメモリ1個
緑色カウビナ付
10 欠番
11 メモリ1個
メモリーキング30ブロック
12 SDカード1個
SanDisk製128MB
13 SDカード1個
SONY製16MB
14 音楽プレイヤー1個
iPod 黒色2GB
15 SDカード1個
上海問屋と記載16GB
16 メモリスティック1個
ソニー製8MB
17 メモリーカード1個
SanDisk製512MB
18 携帯電話1 台
ソフトバンクゴールド92OP アダプタ付
19 USBメモリ1個
KINGSOFT 128MB ストラップ付
20 コンパクトフラッシュ1個
BUFFALO製32MB
21 ハードディスク1台
東芝製1TB
以上
未来検索ブラジル・東京産業新聞社 代表取締役 深水英一郎コメント
■国家賠償請求訴訟提起にあたってのコメント
未来検索ブラジル及び東京産業新聞社が運営するガジェット通信編集部に対する今回の捜索と押収について抗議するため、国家賠償請求訴訟を提起します。
捜索についても、押収についても、不当なものであり、私たちは徹底的に戦う所存です。
これらの捜索と押収は事件と関連性がないのにおこなわれたものであり、そもそも必要ではなく違法・違憲です。
よって東京都と大阪府は、私たちに発生した損害を賠償していただきたいと考えています。
また、警察が発表する無根拠な情報により犯罪に関与したかのような偏見をもたれ社会的信用を低下させられ、営業に支障をきたしました。例えば、産経新聞には社名を出されて報道され、またNHKをはじめとするテレビ局には会社の社屋を勝手に撮影され放映されました。このことで実際にお客さんを失いました。
さらに、日本インターネット報道協会加盟の報道機関である「ガジェット通信」の取材・記事執筆・記事配信等に支障をきたしました。2回の捜索の間、記者や編集者、デスクが取材も執筆も記事配信もできず、昼食もとれずといった状態となり報道業務に支障がありました。またPCや記憶媒体などの押収によりその後の業務にも支障が出ました。
警視庁や大阪府警によるこれらの不当な行為に対し、東京都と大阪府は私たちに与えた損害を賠償する責任があります。
都知事の猪瀬さん、大阪府知事の松井さんの誠実な対応を期待します。
2013.2.20
未来検索ブラジル代表取締役
ニュースサイト「ガジェット通信」発行人
深水英一郎
■国家賠償請求訴訟提起にあたってのコメント
未来検索ブラジル及び東京産業新聞社が運営するガジェット通信編集部に対する今回の捜索と押収について抗議するため、国家賠償請求訴訟を提起します。
捜索についても、押収についても、不当なものであり、私たちは徹底的に戦う所存です。
これらの捜索と押収は事件と関連性がないのにおこなわれたものであり、そもそも必要ではなく違法・違憲です。
よって東京都と大阪府は、私たちに発生した損害を賠償していただきたいと考えています。
また、警察が発表する無根拠な情報により犯罪に関与したかのような偏見をもたれ社会的信用を低下させられ、営業に支障をきたしました。例えば、産経新聞には社名を出されて報道され、またNHKをはじめとするテレビ局には会社の社屋を勝手に撮影され放映されました。このことで実際にお客さんを失いました。
さらに、日本インターネット報道協会加盟の報道機関である「ガジェット通信」の取材・記事執筆・記事配信等に支障をきたしました。2回の捜索の間、記者や編集者、デスクが取材も執筆も記事配信もできず、昼食もとれずといった状態となり報道業務に支障がありました。またPCや記憶媒体などの押収によりその後の業務にも支障が出ました。
警視庁や大阪府警によるこれらの不当な行為に対し、東京都と大阪府は私たちに与えた損害を賠償する責任があります。
都知事の猪瀬さん、大阪府知事の松井さんの誠実な対応を期待します。
2013.2.20
未来検索ブラジル代表取締役
ニュースサイト「ガジェット通信」発行人
深水英一郎
宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
ウェブサイト: http://mogera.jp/
TwitterID: shnskm
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