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人格と創作物を切り離せない人は、SNSで好きな作者さんをフォローしない方がいいかも知れません

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人格と創作物を切り離せない人は、SNSで好きな作者さんをフォローしない方がいいかも知れません
今回はしんざきさんのブログ『不倒城』からご寄稿いただきました。

人格と創作物を切り離せない人は、SNSで好きな作者さんをフォローしない方がいいかも知れません

諸事情あって詳細はぼかさせて頂くが、以前、割と眼前で以下の様な経緯を見た。

1.ある漫画ファンの人が、漫画家の方をTwitterでフォロー。
2.ある時、7割褒め言葉、3割要望、みたいなreplyを送る
3.その漫画家の方が、3割要望の部分を批判・非難と受け取ったらしく、ややキツい言い方で回答のreplyを返す
4.何ツイートかやり取りがあり、喧嘩とまではいかないが、あまり友好的でない雰囲気になってしまう
5.そのかなり後、ファンの人が「あんな人だとは思わなかった」的な発言と共にフォロー外し。その漫画自体についても否定的発言。

歯切れが悪い書き方になってしまっているのは勘弁して頂きたい。ただ、まあ、この例に限らず割とよく見る光景だとは思う。

論点は幾つかある。別にどちらが悪いという訳でもない、結果的にはお互いちょっとずつ許容量とか優しさとか抑えが足りなかっただけの事例だとは思うのだが、ちょっと思う所があった。

まず前提として、優れたクリエイターが人格者であるとは限らない、というかむしろ人格者などではない場合の方が遥かに多いし、それ以前に人格者である必要など全くない、ということを挙げておきたい。

クリエイターは、「いい人かどうか」ではなく、「どんな素晴らしい創作物を作っているか」という軸で評価されるべきだ。それはフィールドに関係ない。漫画だろうが、小説だろうが、映画だろうが、音楽だろうが同じことだ。

創作物と人格が全くの無関係とは言わないが、人格者しか創作物が評価されないような世界になったら、漫画業界や小説業界はホント―にエラいことになってしまう。「嫉妬深いし大人げないから」という理由で手塚治虫先生が評価されない世界を想像してみれば良い。

問題なのは、

・今の時代、クリエイターとファンの敷居がかつてない程に下がっていること
・人格と創作物を切り離せない人は案外多いということ
・「ファンと創作者」という関係であってもSNSの上では単なる人間関係の一形態であり、上手く付き合っていく為にはお互いある程度の度量と最低限の良識が必要、ということ

大体上記三点である。

上の例で言えば、「3.その漫画家の方が、3割要望の部分を批判・非難と受け取ったらしく、ややキツい言い方で回答のreplyを返す」の時点で漫画家さんが過剰反応をしたことは事実だろう。好評よりも悪評に敏感なのは人間の性だとは言え、ある程度スルー力がないとSNSを渡っていくのは難しい、とも思う。

一方で、「なんか喧嘩みたいになっちゃったけどそれと作品は別だし」と割り切れないファンの方の方も、余計なお世話だろうが、個人的にはやや残念感がある。

Twitterを非常にうまく使っている創作者の方、というのは勿論たくさんいる。私の観測範囲では、例えば島本和彦先生や藤田和日郎先生は、凄い勢いでファンの方と色んなやり取りをされている。おそらく心無いツイートが来ることもあるのだろうが、問題なくスルーされているのだろうと想像出来る。

一方、例えばゆうきまさみ先生は、ファンの方とのやり取りをそこまで精力的に行われているという印象はないが、同じく心無いツイートにはスルー力を発揮されているのだろう、と思われる。同じようなスタンスの創作者さんも多分多いだろう。

ただ、言うまでもないことだが、皆さんが皆さんそういう「大人な」SNSの使いかたを出来る訳ではないのだ。これは勿論、創作者さんの側だけではなく、ファンの側にも同じことが言える。


創作をしていて、SNSにいる人でいれば、「批判・非難」というものは必ずくるし、その中には「心無い言葉」というものも必ず含まれている。断言出来る。
これはSNSを使っている限り、決して回避出来ない問題だ。

そういった反応に対してスルー力を発揮することを苦手とされる方も勿論いるし、炎上とまではいかないまでも、何かしらの「大人げない」騒ぎを起こしてしまう人も当然いる。
これは仕方がないことだ。誤解を招きそうな言い方だが、「大人げない創作者さん」というのはたくさんいるし、ある意味「大人げないからこそ創作が出来ている」という人も中にはいる。そうした方全てにSNSの利用を禁止する訳にもいかない。

だからこそ、そういった「大人げなさ」を眼前で観測した時、その創作者さん、ひいてはその創作物にマイナスなイメージを抱いてしまうのも、勿体ないことなんじゃないかなあ、と私は思うのだ。

あなたは、「「いい人」が創作したものを読みたい」のだろうか?それとも、「いい人かどうかはどうでもいいから、とにかく素晴らしい創作物が読みたい」のだろうか?

自分では後者のつもりでも、実は前者だった、という人は案外いる。後者だ、と断言出来ない人は、好きな創作者さんをフォローしない方が、もしかすると無難かも知れない。

執筆: この記事はしんざきさんのブログ『不倒城』からご寄稿いただきました。

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