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先進国の仕事は減っていくか

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先進国の仕事は減っていくか
今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

先進国の仕事は減っていくか

「格差社会をなくす方法はある」 2012年12月20日 『メカAG』
http://mechag.asks.jp/510570.html

で触れた佐々木俊尚の話に関係有りそうなツイート。

「佐々木俊尚が語る「ソーシャルメディアで伸びる人、伸びない人」」 『Togetter』
http://togetter.com/li/424916

ん~これもなぁ。勘違いしてると思うのだよね。なんで先進国の仕事が減ると考えるのか。途上国の発展とグローバル化がもたらすのは、先進国の優位性の消滅だけだ。

優位性がなくなるということは、途上国と同じになるということ。同じになるのだから仕事が減るわけではない。先進国がいままで独占していたものが、途上国にばら撒かれるというだけのこと。

一方、途上国の経済発展は仕事の増加をもたらすから、世界の中で仕事の総量は増えるはず。増えた仕事を途上国と先進国で取り合うのだから、単純に先進国の仕事が減るという結論にはならない。

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こうした「勘違い」している人の共通点は、各国の物価がこの先も変わらないと考えている点。いいかえれば為替レートを考えていない。

現在は先進国のほうが経済発展しているから、物価も高い。途上国は物価が安く人件費も安いから、途上国へ仕事が流れているわけだ。それを先進国から見ると「仕事を取られている」「仕事が減っている」と感じるのだろう。

しかしそれはそもそも途上国が先進国の仕事の一部を代替えできるようになったのは、経済発展してきたからであり、先進国の仕事を取り込むことでさらにこの先経済発展していく。

そうなれば途上国の物価も上がっていく。つまり同じになるのだ。その時点で途上国の経済発展のスピードも鈍り、先進国からの仕事の流出は止まる。なんのことはない、先進国が増えただけだ。

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したがって現在先進国が見舞われているのは、それまでの過渡期の混乱であって、それはそれで深刻なことではあるが、永遠に続くものではない。上述のように途上国がこのまま発展していけば、仕事の総量は増えるから、現在の先進国の仕事の流出はある所で止まり、むしろ増加に転じるはず。

未来を考えるというなら、そこまで考えるべきだろう。単に目先のことを現状追認して、大変だ、大変だ、この先世界はもっと悪くなる、と慌てふためいているだけでは困る。

物事はいろいろな事柄が連鎖的に変化していくのだから、その変化をすべて考えなければ未来を予測できない。ところが変化する一つの項目だけを重視し、他のパラメータは変化しないと思い込んでいる人が多い。

こち亀のエピソードで、幼稚園児の少女が、自分の体重増加を気にして、このままでは相撲取りになると嘆くのがある。彼女は体重だけ考えて、身長の伸びを考えていないので、ものすごいデブになってしまうと、心配したのだ。

それと同じだと思うのだよね。途上国は永久に現在のまま、文明水準が低く、貧しいままのイメージで考えているのではなかろうか。日本もそうなったらどうしよう、と。実際には逆で、途上国が先進国のレベルに近づいてくるのだ。だからライバルは増えるだろうけどね。

何か変化が起こると、その変化がこの先ずっと続いたらどうしよう、と考えてしまう人は少なくない。しかしこれまでにない変化が起きたということは、この先もまた別な変化が起きるはず。現在の変化をそのまま延長して予測することは誰でもできる。その変化の「後」を予測しなければならない。どうしてこんな単純なことがわからないのだろうか。

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「宮下浩一@hakurakuken」 『twitter』
http://twitter.com/hakurakuken/status/282760217345798145

最終的には世界全体が均一化され仕事の流出は止まるかも。でもそれはあと何年先の話?50年?100年?佐々木氏が言いたいのはそんな先の話じゃない、今を生きる僕らの話をしてるだけ。話の焦点を見誤ってる。

いやだから、何年後にどうなるかを予測し、その上で今後○年間はこうだからこうだ、と主張するべきだろう? あなたのいう「今を生きる」の今って何年なの? たとえば10年ぐらい?1 0年後以降はどうすんのさ? 目先の10年間のために自分の生き方をチューニングするだけでいいの? たった10年間のためだけなら、むしろ好きに生きたほうがいいだろう。

まあこの辺の感覚は年齢によって違うかもしれないけどね。学生なら10年は十分に長いと感じるかもしれない。でもそういう感覚こそ、本質を見失っているのだから、佐々木俊尚が本当に学生のためを思うなら、きちんと指し示すべき。せっかく就職しても10年で使い物に鳴らなくなってお払い箱は嫌だろう?いや、それでいいという人でもあらかじめ通告しておいてほしいだろう。

ちなみに俺が考える現在の変化の終わりは20~30年ぐらいだよ。西暦だと2040年ぐらい。10年後ぐらいでもかなり様変わりしているはず。まあこの辺はいろんな予測があるだろうが、あなたは何年後ぐらいまでの予測を期待してるの?あなたと佐々木俊尚で予測のスパンの認識のズレがないか、確認しといたほうがいいんじゃないの?「佐々木俊尚のいうこれからずっとは何年間ぐらいなんですか?と。

まあ俺の印象では佐々木俊尚の予想は2~3年後ぐらいを見てるように感じるね。長くてもこの先5年。その5年間のために自分を変える価値があるかだろうね。もちろん佐々木俊尚は100年ぐらい続くと考えて予想してるのかもしれない。いずれにせよ佐々木俊尚自身が、どう考えてるのか示さないことには話が始まらない。それを示すことは、俺のためと言うよりも、佐々木俊尚の話を傾聴している人間にとって有益なはず。

以前、梅田望夫が「これからの10年」とかいって、Googleを盛んに持ち上げていた。これからの10年はこうだから、みんなこうしろ、と。でも梅田望夫自身が10年持たなかった。まあ、この手の話はウケがいいからね。本も売れるし講演で客も集まるだろう。佐々木俊尚にはそういう浮ついた話ではなく、もっと固めの地に足がついたジャーナリズムを期待してるんだけどね。

ついでにいえば、元記事(togetter)で、上記の点しか俺は突っ込んでないけど、それは他の部分には同意するから突っ込んでないんじゃない。突っ込むのも馬鹿らしいからスルーしているだけ。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

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