ダメな会社、3つの特徴

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 あなたの上司は、部下全員をまとめ上げて、一つの方法に向かわせることはできていますか?
 例えば、クロレッツガム(日本クラフトフーズ株式会社)の包み紙は、1粒の大きさに対してかなり大きく作られていることをご存じでしょうか。これは消費者がクロレッツガムをどう利用しているかを調査した結果、2、3粒いっぺんに口に入れる人が多いことがわかったからこそ加えられた改良であり、顧客を幸せにするという意識を組織が共有していたからこそできたことだといえます。
 それを担うのが、各部署をマネジメントする管理者なわけですが、マネジメントというものは一筋縄ではいかないばかりか、失敗すると逆効果になることも。
 『なぜ、あのガムの包み紙は大きいのか ドラッカーに学ぶお客様を幸せにする会社の作り方』(山下淳一郎/著、角川学芸出版/刊)は、人を幸せにし、社会にいい影響をあたえる組織を作るためのマネジメントの方法がつづられた一冊。
 今回はその中から、失敗するマネジメントの特徴をいくつか紹介します。

■PDCAサイクルは効果なし?
 マネジメントを行う上でのキーワードとして語られるのが「PDCAサイクル」です。
 これは、「Plan(計画を立て)」「Do(実行して)」「Check(確認して)」「Action(行動を起こす)」という一連の流れの略で、メンバーがこれをスムーズに行えるようにするのがマネジメントする人の役割だと考えられてきました。
 しかし山下さんは、盲目的にPDCAサイクルを使うことの危険性を指摘しています。というのも、PDCAサイクルはそもそも品質管理のサイクルであり、人をマネジメントするための方法ではありません。つまり、「どのように行うか」といったことからスタートする仕事には向いていますが、「何をすべきか」を考えるような仕事には向いていないのです。
 その効果を最大限に高めるためにも「PDCAサイクル」は業務の種類や段階を選んで採用した方がいいのかもしれません。

■会議を大人数で行う
 企画会議などアイデアを出す場では、いろんな人に意見を出してもらうために、会議自体が大人数で行われることがあります。
 しかし、山下さんいわく、会議は多くても5人まで。それ以上になると、参加者が小さなグループに分裂してしまって話し合いにならないということが起こりやすくなるそうです。
 会議の生産性を高めたいなら、会議は少人数で行いましょう。

■「やったつもり」になっている
 ほんの一例ですが、上司が部下に「金曜日までに例の企画を考えておいてね」と頼んだとします。上司としては金曜までに「企画書を出すこと」を頼んだつもりですが、部下の方はただ企画を考えておけばいいのだと受け取っていたとしたらどうでしょう。
 部下は考えた企画を形にしなければいけないとは思っていないわけですから、上司がいくら待ったところで企画書は提出されません。結果、期日の前日に「明日は金曜だから、企画書を出してね」と再度確認したところでお互いの齟齬が発覚することになります。
 そして、上司の方は「なんで一から十まで言わなきゃいけないんだ」という不満を、部下は「考えておけばいいって言ったのに、なんで前日になってから企画書を出せなんて言うんだ」といらだつことになるのです。
 これは、お互いが「頼んだつもり」「引き受けたつもり」になっていたから起こったこと。双方が、相手のことを考えてコミュニケーションを取っていれば避けられた事態だといえますが。山下さんによると、これは単なるコミュニケーション能力の問題ではなく、より深い原因があるといい、本書のなかで詳しく解説しています。

 本書には、本当の意味で社会にいい影響を与え、スタッフがやりがいを持って仕事に取り組めるマネジメントの考え方、やり方が示されています。今回とりあげた事例に心当たりがあるという人は、まちがったマネジメントをしている・されている可能性が高いため、現状を改良するためにも参考にしてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)



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