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「未来の党」の自滅 問われるべき脱原発政党の中身

「未来の党」の自滅 問われるべき脱原発政党の中身

今回は濱田 幸生さんのブログ『農と島のありんくりん』からご寄稿いただきました。
※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/279890をごらんください。

「未来の党」の自滅 問われるべき脱原発政党の中身

「未来の党」の自滅 問われるべき脱原発政党の中身

早朝の北浦の前浜。もやっていますが、水鳥がにぎやかです。
(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
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今回の衆院選で、私は「日本未来の党」を注目していました。初めはかなり好意的に、そして途中からは失望と共に、ですが。

そして結果は報じられているとおり、公示前62議席、改選後9議席でした。もはや出直しが効くかどうか分からない負けっぷりです。

特に小選挙区ではわずか2人しか勝利できず、そのひとりは「あの」小沢一郎氏です。

「原発ゼロの会」の阿部知子氏もかろうじて比例で復活しているありさまですから、脱原発派はほとんど国会に議員を送り込めなかったことになります。

「未来の党」代表代行で、脱原発運動の中心的存在だった飯田哲也氏は、中国電力上関原発の着工問題で揺れる山口2区においてもダブルスコアで敗北し、惜敗率により比例復活もかないませんでした。

この党は党として当然持つべき組織体制や綱領がまったく整っていない上、党首嘉田氏は現職知事とのパートタイムですので、このまま個々別々に他の政党に吸収されていくか、小沢氏のミニ私党となっていくことでしょう。

もっとも小沢氏に今後も政治生命が残っていればですが。彼と組んだことについてはここでは触れませんが、おそらくもっとも後悔しているのは、嘉田氏と飯田氏のはずです。

一方民主党は、鳩山、菅内閣時代までは原発比率50%路線の原発推進政策に邁進していたので、「にわか脱原発派」と呼ぶことにしますが、この「にわか派」ですら原発立地を抱える13選挙区中わずか1選挙区で勝ったにとどまっています。
(下図参照 産経新聞12月18日)

「未来の党」の自滅 問われるべき脱原発政党の中身

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「原発銀座」の異名がある若狭湾の福井3区でも自民の圧勝、今、活断層が問題となっている東通原発がある青森2区でも自民が勝利しました。

さて、飯田氏は現実政治の中でもみくちゃにされました。

大阪市特別顧問で橋下氏の下にいたかと思うと、橋下氏の大飯原発再稼働容認あたりからきしみ始め、「維新の会」そのものが原発推進派の石原老人に乗っ取られてしまった為に、いまや公然と罵り合う仲です。

山口知事選での敗北に続いて、今度はピュアな学者肌の嘉田氏と組んだのですが、またもや今度はあろうことか、エコが日本一似合わない男・小沢一郎氏に冷や飯を食わされ、締め切りに名簿提出できずに、嘉田氏の元部下に「よしなに」計らってもらったという醜態ぶりでした。

私はこの「未来の党」の飯田氏が書いた「未来の党」の事実上の綱領である「原発完全ゼロへの現実的なカリキュラム」を読んだ時に、そうかこの人においてすらこんなレベルだったんだ、となんともいえない落胆を味わったことを思い出します。

この飯田氏は、現在ある電力体制を批判する時の切り口は大変にシャープでした。実際にこの部分で私も教えられたことが多くありました。

しかし、現実に脱原発をする上では難問は山積しています。このブログで取り上げただけでもこれだけあります。

(1) 使用済み燃料の最終処分はどうするのか
(2) 代替エネルギーは何を考えるのか
(3) その拡大のための財源はどうするのか
(4) 電気料金値上がりによる国民生活や経済への圧迫をどのように回避するのか
(5) 脱原発が完了するまでの期間の原子力安全・規制機関はどのようにあるべきなのか
(6) 化石燃料の増大によるCO2対策はどうするのか

私は飯田氏の著書を何冊か読んでいますが、それについてほとんど書かれておらず、ドイツのFIT(電力の全量固定買い入れ制度)だけを、理想的事例として持ち上げているだけでした。

そして元々工学系の人ですから、スーパーグリッドなどの技術の進歩がありさえすれば、再生可能エネルギーが直ちに代替エネルギーとなるかのような書きぶりでした。

もちろんその新規送電網投資や電気料金の大幅な値上がりで、厭戦気分のドイツの現状などおくびにも出てきません。

何度か言っていますが、個人が脱原発を叫ぶのと、国政に参加する政党がそれを言うのとはまったく次元が違うのです。

個人としての市民や研究者が脱原発を叫ぶ場合、必ずしも使用済み燃料問題までを考える必要はありません。あるいは、代替エネルギーの財源まで踏み込んで考える必要はないのです。

しかし、政党となると違います。特に、「未来の党」は脱原発の専門店ですから、経済や農業政策について素人であっても愛嬌ですが、ことこの分野については完全な回答を準備しておかねばなりません。

それでなくしては、国政に参画するなど10年早いのです。

「未来の党」は、「卒原発」で電気代が値上がりするので、交付国債で値上げを先送りする、という公約を打ち出しました。

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