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ユニクロの成功を決定づけた「事件」とは?

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 お盆や年末年始などに帰省した際、昔は賑わっていた商店街が軒並み閉店し“シャッター街”になっているのを見て、地方経済の疲弊を実感する人は多いのではないでしょうか。
 最近ではSNSを利用した地域再生の試みも盛んに行われるようになってきていますが、まだまだ模索の域を出ません。そんな中、地域再生プランナーの久繁哲之介さんは、著書『コミュニティが顧客を連れてくる 愛される店・地域のつくり方』(商業界/刊)の中で、それとは全くことなるやり方を提案しています。
 同氏が地域再生のポイントとして挙げているのは「コミュニティの力」。つまり、地方都市の小さな商圏(コミュニティ)のなかで支援・消費しあうことでビジネスを存続させていくというやり方です。これはSNSを使ったマーケティングが外から人を呼び込むことを主眼に置いているのとは逆の手法だといえます。

 しかし、肝心の「コミュニティ」はどのように構築すればいいのでしょうか。本書ではコミュニティ構築の一例としてユニクロを取り上げています。

■衝撃的な安さで口コミを起こす
 今でこそ世界に展開しているユニクロですが、1号店は創業者の柳井正氏が広島市に開業した若者向けのカジュアル衣服店「ユニーク・クロージング・ウエアハウス」でした。
 元々は隣の山口県で個人衣服店を営んでいた柳井氏にとって、広島は知らない土地で、もちろん顧客とのつながりもありません。
 そんな状況で若者を集客するためには、まず「店を知ってもらい、口コミを起こす」こと。そのために柳井氏は「品質の良い商品を、衝撃的な安さで提供する」というコンセプトで1号店をオープンしました。
 今でこそ“ユニクロ=低価格”のイメージは定着していますが、「ユニーク・クロージング・ウエアハウス」が開業した1984年当時、その安さはまさに衝撃的だったそう。あまりの安さから口コミが起きて、一気に認知度が上がりました。

■顧客から応援される経営者になる
 さらに、その後の成功を決定づけるある“事件”が起こります。チラシで告知していた特売日の当日、店の前には早朝から行列ができていました。その行列を見た柳井氏は「今から店を開けるから少し待ってください」と言い残し、その場から一度立ち去りました。そして、彼が戻って来たとき、手にはパンと飲み物が。「これ、朝食にどうぞ」と感謝の気持ちを伝えながら一人一人に手渡すと、柳井氏は「皆さんをお待たせしないよう、明日から6時に店を開けます」と言い、翌日から開店時間をそれまでの朝10時から6時に早めたのです。
 店の購買層である「若者」は早起きが苦手なもの。朝6時に店を開けても、売上には寄与しないことを柳井氏は当然わかっていたはずです。しかし、誠意を示したいという柳井氏の熱意は顧客に伝わり、「あのおっちゃん(柳井氏のこと)、応援してやろうぜ」という若者たちとコミュニティができていったそうです。

 今回はユニクロの事例を取り上げましたが、本書にはコミュニティの力を使ったビジネス戦略や地域再生のノウハウが実例と共に数多く取り上げられています。
 外から人を呼び込むだけでなく、地域コミュニティの中での結びつきを大切にするという手法は、地域復興において今後さらに広まっていくのかもしれません。
(新刊JP編集部)



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