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ゲームの進化について

ゲームの進化について

今回はmedtoolzさんのブログ『レジデント初期研修用資料』からご寄稿いただきました。

ゲームの進化について

「シューティングゲームは、「弾をよけながら敵を撃破するゲーム」ではなく、「弾幕デザイナーの意図にそってレバーとボタンを操作する作業」であるといえる。「RPGも同様に、プレイヤーは操作や判断を洗練させるほど、それはゲームデザイナーの意図した通りの動きに収斂していく」とTwitterに書き込んだら、「そんなことはないだろう」という反響がけっこうあった。そのあたりのいいわけ。

昔話

小学生の昔、ブロック崩しにこそ出遅れたけれどスペースインベーダーは現役で間に合って、ギャラクシアンに驚き、ムーンクレスタ3号機の理不尽に泣き、ディグダグの画面がカラフルなのに驚いたらもう中学受験は目前だった。

中学校に入って、久しぶりのゲームセンターではボスコニアンが稼働していて、よく聞こえない合成音声に首を傾げる真横では、同級生がハイパーオリンピックに熱中していて、ゲームセンターではそれからしばらく、ボタンが溶けた筐体をよく見かけた。

定期的にゲームセンターに通うのは高校生になってからで、自分は大体、飛翔鮫から究極タイガーを経由してTatsujinあたりで大学受験だった。横スクロールシューティングはグラディウス2の全盛期だったけれど、あれはヘタレゲーマーには難しすぎて、手が出なかった。

大学以降はゲームからはずいぶん遠ざかり、途中でTVゲームを買ったこともあったけれど、20年ぐらい、シューティングゲームには縁がなかった。最近になって、Androidスマートホンに怒首領蜂大復活が移植されて、画面の緻密さや効果音の進歩にはもちろんだけれど、何よりも個人的には、撃墜された時の感想が、昔とずいぶん異なるのに驚いた。

怒首領蜂大復活を買った

究極タイガーの昔、敵弾は自機を撃墜するために発射されるものであって、何度も撃墜された。撃墜された反省はといえば、「自分が下手だった」ということに尽き、上手なプレイヤーはずっと先の面まで進んでいたし、下手な自分はコインを入れてもすぐに撃墜されて、ルールは分かりやすかったけれど、ゲームは下手な人間に冷たかった。

怒首領蜂大復活の弾幕は、開始早々に凄まじいのだけれど、「弾幕にはげまされる感覚」に驚かされた。

シューティングゲームを極める道筋は厳しくて、敵の配列や置きボムのタイミングを覚えなくてはいけないのはもちろん、クリア計画やリソース管理をしっかりしないと、最終面を見ることすらおぼつかない。そんな先入観でゲームを始めて、 案の定開幕早々、画面を埋め尽くす弾幕に襲われた。これはもうだめだと諦めてみれば偶数弾に助けられたり、明らかに自機を殺しにきている弾幕に囲まれて、今度こそもう駄目だろうとショットボタンに力を込めたら、敵の中ボスが撃墜されるのと同時に弾幕がコインに変わって、案外先に進めてしまった。

絶対に無理だろうという先入観でゲームを始めたロートルは、敵の弾幕に怯えながらもはげまされ、「もしかしたら俺はけっこうやれるんじゃなかろうか」なんて錯覚できた。うれしかった。

上手でない人をはげます仕組み

もちろん怒首領蜂難度の高いゲームでもあって、まじめにやらないと中盤までしか進めないのだけれど、下手な人間が撃墜されて、「自分が下手だった」というミもフタもない感想が、20年経って「俺はもしかしたらまだまだやれたんじゃなかろうか」なんて希望に変わった。これはたぶん、ゲームをデザインする側が、それだけ進歩したからなんだろうと思った。

飛翔鮫や究極タイガーのデザイナーは、ある意味正直であったのだと思う。プレイヤーを驚かせるような敵弾の配置が行われた面は、そのまま難しい面だった。ゲームの序盤は敵弾も少なく簡単そうで、実際に簡単で、ゲームが進むと敵弾が増えて、見た目のとおりにゲームは難しく、「自分の実力ではここまでなんだな」という印象を、ゲームが裏切ることはなかった。

怒首領蜂大復活は、ゲームの序盤から、「弾幕」と形容される無数の敵弾がプレイヤーを出迎えて、下手は驚くその割に、撃墜されることなく先に進める。ゲームが進むに連れて、たしかに弾数も増えるのだけれど、「この面は難しい」という明らかな印象は隠蔽されて、あたかもこう、「たまたま」本気の敵弾に撃墜されてしまったような印象を受ける。上手でない人間は結局撃墜されるのだけれど、撃墜されても「自分の実力に許されたのはここまでだ」ではなく、「俺はもしかしたらもう少しやれる」という気分になれる。

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