外資系企業の面接で嫌われる『見た目』
「日本企業はグローバル化しなければ生き残れない」と言われる現在、就職先・転職先として外資系企業の人気が高まっています。
日本の伝統的な“年功序列”のシステムが肌に合わないという人や、世界を飛び回る仕事をしたいという希望を持つ学生など、“外資系企業の方が自分に向いている”と思う人は確実に増えています。
しかし、その反面、外資系企業のルールや風土については、これまで意外なほど語られてきませんでした。
『外資系の流儀』(新潮社/刊)の著者で、ボストンコンサルティンググループをはじめ、外資系企業での豊富な経験を持つ佐藤智恵さんは、外資系企業には、それぞれ特有のルールがあり、知らずに入ってしまうと大失敗してしまう、と指摘します。
そして、そのルールは人材の採用基準にも影響を及ぼすようです。
■「歯並び」には要注意?
欧米人、特にアメリカ人は歯並びに強いこだわりがあります。
日米の歯科事情に詳しい歯科医師の落合久彦さんによると「アメリカでは、歯並びが悪い人は自己管理ができない人、親の愛を受けないで育った人だと見られる」とのこと。
そのため、親が借金をしてでも子供の歯列矯正だけはやる家庭が多いようです。
このような文化のもとでは、企業の採用でも歯並びは大事なポイントとなります。アメリカ系企業に勤めたいという人は、早いうちに歯列矯正を考えた方がいいかもしれません。
■「肥満は自己管理できない人」は本当か
外資系企業の採用基準について、よく耳にするのが「太りすぎの人は自己管理ができない人と思われて出世できない」というもの。
これは本当なのでしょうか。
これもアメリカの例ですが、太っている人は統計上病気になりやすいため、企業は医療費負担の増加を懸念するようです。ただし、今や「三人に一人が肥満」といわれるアメリカですから、体型ばかり気にしていると雇う人がいなくなってしまいます。また、アメリカには肌の色や国籍など、生まれながらに持っている性質で採用時に差別をしてはいけないという法律があるため、「本当は雇いたくないけれど、そうも言っていられない」というのが、肥満の人に対するアメリカ企業の本音のようです。
■ハゲは問題なし
肥満と対照的にハゲはさほど問題になりません。
そもそも、マイクロソフトのスティーブ・バルマーやゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファインなど、外資系企業のCEOにはハゲの人が少なからずいます。
外見に厳しいといわれる外資系企業ですが、ハゲには寛大なようです。
ただし、「USAトゥデイ(電子版)」がアメリカ企業のCEOを対象に行った調査によると、一番格好悪い髪型として、側頭部や後頭部の髪を伸ばして薄くなった部分を隠す“バーコードハゲ”が挙げられたこともあるため、ハゲ自体が特にマイナスに働くことはないものの、“薄くなったら剃る”潔さが必要だと言えるのかもしれません。
■採用の決め手は「一緒に働きたいかどうか」
外資系企業のイメージとして、日本企業以上にスキル・能力を重視する、というものがあります。
しかし、現実はそのイメージとは異なり、カルチャーフィット、つまり「一緒に働きたい人かどうか」が最も重視するポイントなのだとか。
本書で、佐藤さんは「能力・スキルが素晴らしいから、という論理的な理由だけで採用すると失敗しますね。やっぱり最後は直感ですよ」という、外資系金融機関の採用担当者の言葉を紹介しています。
本書ではこの他にも、採用で選ばれる人の特徴や、そこで生き残るために必要なことなど、外資系企業に就職・転職するために知っておくべき知識が数多く取り上げられています。
発売早々、全国の書店で新書ランキングの上位にランクインするほど人気が高く、実際に外資系企業に勤めている人からも、実態をよく取材して書かれていると評判の本書は、ますます増え続ける外資系企業を志望する学生や社会人にとって必読の書となるかもしれません。
(新刊JP編集部)
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