ゲーム雑誌社員「ゼルダにおもしろさを感じない」と言ったら上司が激怒

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世間が高評価を与えて絶賛していても、人によっては評価が低いものがあるものだ。それは食べ物の好き嫌いにも似ていて、ウニを絶品と思う人たちが多い反面、「あんなものは食べられない」「美味しいとは思わない」という人も少なからずいる。世間で多くの人たちが絶賛するものほど、少数派(マイノリティ)意見の人たちは “意外な人” として見られる。

以前、「ゼルダがつまらない」と発言したゲーム雑誌編集者が上司に怒られたという記事をお伝えした。今回はそれについて、さらに深く話を聞いてみることにした。その理由は、人気ゲーム雑誌『週刊ファミ通』が『モンスターハンター3(トライ)』のゲームレビューで40点満点を出しつつも、ユーザーからは「本当に満点をあげていい作品なのか?」と疑問の声が上がっているからである。

どうしてプレイヤーたちは「本当に満点をあげていい作品なのか?」と思ったのか? 実際に遊んでみてそんなに高評価を与えることができないと思ったプレイヤーがいると思われるが、『週刊ファミ通』のレビュアーたちが『モンスターハンター3(トライ)』の内容に不満を書きつつも満点にしていたことが大きな理由のひとつのようだ。ちなみに、『週刊ファミ通』のゲームレビューは4人のレビュアーが10点満点で評価し、全員が満点をつけると合計40点でパーフェクトな点数となる。

「私の元上司は、みんながおもしろいというゲームはおもしろいゲームなんだから、つまらないと言ってはいけないという考えのようです」と語るのは、以前取材に応じてくれた元ゲーム雑誌編集者のTさん。現在はゲーム雑誌の仕事から離れ、実家の埼玉県に戻り、缶詰工場に勤務しているという。

Tさんは「自分にとってどんなにつまんないゲームでも、世間が絶賛すればゲーム雑誌はそのゲームの攻略記事をページ増量で書きますし、それは仕事ですからやりますよ。しかし、個人の考えまでも変えろというのは間違いだと思うんですよね。もちろん、そのゲームが好きだというスタッフが記事を担当するのがいちばんなのは理解できますけどね」と語る。

Tさんが所属した編集部では『ゼルダの伝説』は神的な存在であり「つまらない」と言うと異常な人として見られたという。「趣味や志向を矯正するような感じでしたね。濃いコーヒーを無理やり飲まされて、甘いよな? って聞かれて苦いといえば甘いと言うまで濃いコーヒーを飲まされるような感じですよ」と、当時の苦痛を語った。

『週刊ファミ通』が『モンスターハンター3(トライ)』のゲームレビューで40点満点を出したことに対してTさんは、「レビュー内容と点数は個人の意見ということになってますが、結局のところ編集部の意見だと思います。みんなが10点つけるのに自分だけ8点をつけていいのか? みんなが10点なのに自分が8点にしたら38点で満点にならなかったら責任感じる! そもそも自社雑誌がイチオシしているのに8点つけていいのか? という不安があると思いますよ。さまざまな葛藤のうえでの満点だと思います」と語っている。

同席した現役ゲーム雑誌編集者の人たちからも、「ウチの会社では編集長が遊んでいるゲームは大きく掲載しなくてはならない」、「大手ゲームメーカー〇〇〇に対する接待は決まって〇〇〇〇〇のハシゴで最後に気に入った〇〇〇を〇〇〇〇〇させてあげる」など、さまざまな話を聞くことができた。これらについては、次回掲載したいと思う。

イラスト: ピョコタン

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