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賛否両論!? 『ゲームボーイ』風のシニカルなアクションゲーム『決定論 – THE GAME』

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任天堂が携帯ゲーム機『ゲームボーイ』を発売してから、ことしで20周年。作者いわく、これを記念して制作されたFlashゲームが『決定論 – THE GAME』です。作者の雷天堂、実は日本通のスウェーデン人であるMarcus Richert氏。英語と日本語の2カ国語対応で公開しているのですが、それぞれの言語でゲームに仕込んだジョークの解釈が異なるという奇妙な現象が起こっています。

ゲームそのものは、液晶の濃淡を再現したグラフィックにチップチューンのBGMと、まるで『ゲームボーイ』から移植してきたかのような横スクロールアクション。左右移動とジャンプ操作で、敵を踏みつけたり仕掛けを解きながら進行します。敵に触れてライフがゼロになる、画面の下に落ちる、時間切れになる、の条件でゲームオーバー。ネタバレ覚悟で書きますが、最後に主人公の友だち『たくろうくん』を救えばゲームクリアとなります。

クリアするとクレジットが流れ、「TRY AGAIN?」の文字が。これはゲームオーバーになっても表示されるのですが、こちらをクリックしたプレイヤーは十中八九、困惑させられます。なぜなら、さっきまでプレイした内容がリプレイとして再生されるだけなのですから――。

ゲームの説明には「決定論をゲーム化したもの。自由意志って本当にあるのか?」とあります。「決定論」という言葉には、「自然や歴史の諸現象の生起は、外的な原因(神・自然・因果性・社会関係など)によって究極的に規定されているとする考え。人間の意志・責任や行為の意義については否定的になる傾向がみられる。必然論。」(『大辞林 第二版』より引用)という意味があります。つまり、1回目のゲーム以降、すべては1回目のゲーム内容により決定されているというジョークなのです。ここで「ほほう」と納得するか、「許せん!」とキレるかは個人差があると思いますが、どうしてもやり直したい方はブラウザをリロードすれば最初からプレイし直すことができます。

このゲームが最初に公開された海外のゲームコミュニティ『KONGREGATE』では、コメント欄で賛否両論のコメントが書き込まれています。肯定派は「すばらしい!エンディングが笑える」「レトロゲームが帰ってきたぜ!」「リプレイはバグじゃないよ」などのコメントを残し、否定派のコメントは「バグだ!」「嫌い!」「つまらん」など。若干、否定派のコメントが多いような……。

海外で公開されているこのゲームの英語版タイトルは『Free Will(自由意志) – THE GAME』。「決定論(determinism)」という言葉はどこにも触れられず、タイトルの漢字でしか「決定論」は認識できません。海外のプレイヤーには、2回目のプレイ以降、「自由意志はない」という底意地の悪い皮肉に見えてしまうのです。しかし、英語版でも最後までクリアすれば、作者のジョークが理解できます。日本語版では『たくろうくん』となっている、最後に救出するキャラクターの名前が、英語版では『Will』となっています。つまり「Free Will」は「自由意志」ではなく「ウィルを解放しろ」という意味。ここで海外ユーザーは「なるほど」と納得するのです。ちなみに、アクセス元を認識しているのか、『KONGREGATE』でプレイしても日本からのアクセスでは『Will』は登場しません。

同じジョークでも「決定論」という言葉で導かれるのと、「自由意志」という言葉で導かれるのでは、腹の立ち具合がだいぶ異なりますね。巧妙なジョークを仕込んだこの作品。「実はブラウザをリロードさせてページビューを稼ぎたいのでは?」と勘ぐるのは底意地が悪いでしょうか……。

関連リンク
『決定論 – THE GAME』(『モゲラ』にて公開中)

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宮原俊介(編集長) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

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